日本語で相談できるカナダ・バンクーバーの弁護士、楠原ライアンさんQ&A9つ

   
  

カナダBC州バンクーバーにお住まいの皆さんの中には、「弁護士の方に相談したいことがあるが、可能であれば日本人にお願いしたい」「交通事故に遭って、裁判を考えている・・・」という方もいるかもしれません。

また、今は考えていなくても、将来弁護士の力を借りたい場面も出てくるかもしれませんよね。

そこで今回は、メトロバンクーバーにある 弁護士事務所 Panorama Legal LLP に所属する楠原ライアンさん に色々とお話しを聞いてきたので、9つのQ&Aとしてまとめてみました。


(2023年掲載の記事)知っておきたい交通事故とノーフォルト制度の話

 

Q1. はじめに簡単な自己紹介をお願いします

大阪で生まれ、親の都合で10歳の頃にカナダへ移住しました。

私の父は歯医者だったのですが、自分はなんとなく歯医者の道には進みたくないと思っていました。そこで、父に「おまえは弁護士をやってみたらどうや?」と言われたことがきっかけで、弁護士の道を目指し始めました。

その後はトロント大学で理学部分子細胞学科、ロースクールのウィンザー大学法学博士課程を修了して、今とは別の交通事故関連の弁護士事務所で約3年間勤務、そして2019年6月から今のサレー市にある弁護士事務所 Panorama Legal LLP に所属しています。

趣味は野球観戦で、子どもの頃の夢は野球選手になることでした。実は裁判って野球といっしょでイニング制なんです。攻撃側・守備側(オフェンス・ディフェンス)というスタイルがきっちり分かれているのが、自分にとても合ってると思います。

あと、休みの日は家族と過ごす時間を大切にしています。2021年には嬉しいことに、2人目の子どもも生まれました。

 

Q2. ライアンさんがメインで担当している案件はどのようなものがあるんですか?

交通事故関係、パーソナルインジャリー、保険関係、民法に関する問題がメインですが、幅広い分野の法律に対応しています。

以前の弁護士事務所のときから現在もICBC(ブリティッシュコロンビア保険公社)問題全般は4~5年ずっと担当しているので、割合的には交通事故関連が今も5割くらいあります。

通常冬は交通事故関係の案件が多くなるのですが、最近ICBC関連の法律が変わって交通事故関係の案件がどの事務所も減ったりしているので、それを考えると多いのかもしれません。


Panorama Legal LLPが扱う案件はこちら⇒

また、パーソナルインジャリーは怪我に関する事故です。例えば、階段から滑って怪我をしたとか、リカーストアにいる際に床に割れたワインが放置されていて、滑って転んだ際にサインが無かったのでお店側に損害賠償を請求したり、とかですね。(この場合お店を訴えてはいるんですが、実質交渉するのはお店の保険会社です)

民法に関しては、詐欺に遭ったときなどが該当します。

「保険が下りなくて困っている・・・」「職場でいじめを受けている」などの問題や、「バンクーバーにある土地を孫に譲りたいから、アドバイスしてください。」なんていうときも、遠慮なく相談してください。

 

Q3. 移民や家庭関係についての相談も受け付けているでしょうか?

移民やファミリーローについては、基本的には扱っていません。移民に関していえば、移民関連の弁護士やコンサルタントに連絡する方が確実だと思います。ただ、裁判に関する移民関係のものは引き受けています。

弁護費用は安くはないので、移民関係の問題はまず経験のあるコンサルタントに相談して、その際「弁護士に相談する必要があります」と言われた際は、ぜひ質問いただければと思います。

 

Q4. バンクーバーで弁護士に依頼すると、どのくらいお金がかかるものなんですか?

もちろん弁護士や裁判の内容にもよるのですが、基本的に時間制です。私の場合、1時間に対して250ドル+税です。

初回相談でも1時間につき250ドル+税となっていますが、お客様がなるべく損しないようにと考えての対応を心掛けています。初回相談を受けていただければ見積もりが可能なので、まずは相談してください。

日本語・英語どちらでも相談可能です。

時間制とは別で、どこまで裁判が延びても最後まで担当させていただくような報酬金額(弁護士費用)が変わらないオプションもあります。実際に、3日間の裁判の予定が延びて8日になったことも以前ありました。(本来3日間の裁判だと10,000ドルくらいはいくかと思います)

また、成功報酬から費用をいただくこともありますが、いただく割合はケース内容によるので、こちらも初回相談の際にお見積り可能です。

ちなみに、メトロバンクーバーの他の弁護士事務所ではアシスタントとのやりとりの時間や書類の印刷費、電話代なども合わせて請求しているところもあるのですが、私はそういった面では費用をいただかないようにしているので、安心してください。

 

Q5. 弁護士を雇う際に気にした方がいいことはありますか?

弁護士を雇う前に、その担当弁護士がどれだけの事件を抱えているかを事前に聞くことをおすすめします。基本的に注意した方がいいのが、極端に担当ケースが多い場合です。

なぜかというと、担当弁護士がクライアント一人ひとりにどれだけ時間を割けるのかに関わってくるからで、例えば200件以上の事件を担当している弁護士の方は、アシスタントの方に普段の業務外の仕事を振っている可能性もあったりします。

もちろん犯罪、移民、交通事故など事件の内容によっても必要な時間は変わってくるのですが、一般的に弁護士1人に対して80人くらいまでのクライアントがいるのは普通なので、参考にしてみてください。私自身も現在約50件のケースを抱えていますが、80以上となると今のサービスの質を保つのは難しいかと思います。

また、交通事故について依頼したいのであれば、その人が交通関係専門のケースをどのくらい扱っているのかを確かめた方が良いかと思います。(交通事故以外も同様です)

もう一方で、弁護士・アシスタントどちらも離職率が高い事務所は注意してください。自分のケースを担当している人がコロコロ変わると、最初から説明しないといけないので、こちらも可能であれば確認してみてください。

最終的にはアシスタントの技量も関わってくるので、担当の弁護士とそのアシスタントの両方と話すのがベストです。

 

Q6. 相談の段階で「これは裁判で勝てるor負ける」というものが分かるのですか?

弁護士の世界で働いて気付いたのが、黒と白というようにハッキリしているものは本当に少なくて、グレーがかなり多いです。法律が曖昧だったり、お客様の事実の認識が曖昧だったりするので、「これは絶対勝てますよ」「これは絶対負けますよ」っていうのはとても少ないです。

やってみないと分からないものが実はたくさんあって、どれだけそのケースが強く見えても、証拠品を探したり相手の言い分を聞いたり、法律を詳しくリサーチしてみたりして意見も変わっていくので、それをクライアントの方へ事前に理解してもらうのが最初の仕事です。

95%勝てるとしても、裁判に「必ず」は存在しません。ただ、結果的にはうまくいく場合の方が圧倒的に多いです。

その理由として、基本的にリスクを背負うクライアントの方は根拠があってのことなので、最後まで裁判で闘う準備ができているからだと思います。

ちなみに弁護士に依頼して裁判命令を下されるまでに基本的に3年くらいかかるのですが、裁判までいくケースというのは本当に稀です。私が担当しているなかでいうと全体の5%くらいになり、裁判の前に解決するケースが多いです。

 

Q7.弁護士として働くことのやりがいは何ですか?

複雑な問題を解決できたり、役割を果たせたあとにクライアントの方から感謝の言葉をいただけたりするときですね。

結果が思ったより良くなかったケースもときにはあるのですが、それでもクライアントの方から感謝のメールが届いたりしたときは、「弁護士としての仕事を果たせたんだな」と思います。

私の個人的な考えですが、勝てる確率が低い依頼でもそれを受け付ける弁護士がいないとダメなので、もし勝率が30%くらいだとしても依頼されたら勝てるように全力を尽くしたいと常に思っています。(弁護士事務所としては勝率が下がるので、あまりいい気はしないだろうと思うのですが・・・)

 

Q8.最初のコンサルテーションは対面のみですか?ZOOMも可能ですか?

対面はもちろん、電話やZOOMでもOKです。

「お問い合わせしたらしばらく待たされるのでは?」と考えている方もいるかもしれませんが、弁護士のルール上、リーガルアドバイスを提供する際は、クライアントのIDを確認する必要があります。

そのため、パスポートなどを見せてもらって確認が済めば、通常1、2日営業日以内にはコンサルテーション可能だと思います。

 

Q9. 最後にこの記事を見ているLifeVancouver読者の皆さんにコメントがあればお願いします


(アシスタントのDeion Mudaliarさんと楠原ライアンさん。ライアンさんは大阪出身ということもあってか、とても気さくで冗談好きの方でした。この日はお会いできなかったのですが、日本人アシスタントのMaiさんもいます)

カナダに来てから日系文化センター博物館でボランティアをさせていただいたりと、ずっとジャパニーズカナディアンコミュニティーでお世話になっています。だから、そのコミュニティーに対して、自分の仕事の中でできる限りの恩返し・貢献をしたいと思っています。

弁護士を通さず「そもそも勝率が低そうだから諦めよう・・・」と考えるのはもったいないので、弁護士は敷居が高いという認識があるかもしれませんが、気軽に相談してもらえると嬉しいです。

私は意見をフランクに言うタイプなので、例えば成功する確率が少ない場合はそのようにお伝えします。それを理解した上で案件を依頼された場合、もちろん全力で対応させていただくので、まずは一度相談してください。

楠原ライアンさんへのお問い合わせフォーム

※お問い合わせに対して、アシスタントの方から返信があります。もちろん日本語でOKです。Panorama Legal LLPのこちらのページからEメールでのお問い合わせも可能です。

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