【バンクーバーで起業】楠原法律事務所に聞くカナダ法人設立とフランチャイズQ&A

   
  

BC州バンクーバーをはじめ、カナダで「自分の会社を立ち上げたい」「フランチャイズ展開を検討したい」と考えている方もいるかと思います。

しかし、カナダでの法人設立や契約書作成、ビジネス法務のルールは日本とは異なり、初めての人にとってはハードルが高いものですよね。

そこで今回、法人設立&フランチャイズ展開をサポートしている楠原法律事務所の弁護士である楠原ライアン(Ryan Kusuhara)さんと、リーガルアシスタントの亀井瞳さんにインタビューしてきました。

法律事務所に法人設立サポートを依頼するメリットや、フランチャイズ展開における注意点などを伺ってきたので、確認してみてください。

楠原法律事務所のWebサイトも、あわせてチェックしてみてください。英語だけでなく、日本語表示も可能です。

カナダBC州での法人設立についてQ&A

まずは、お二人に法人設立サポートについて質問してきました。Q&A形式でお届けします。

Q1. BC州で会社を設立しようと思ったら、どのような流れになるのでしょうか?

大まかな法人設立の流れ

  1. 会社名(法人名)を決定・ネームサーチ
  2. 会社形態・株主構成を決定
  3. BC Registryへの法人登録
  4. 事業を行う市区町村でビジネスライセンス取得
  5. 法人としてCRA登録、銀行口座の開設など追加の手続き

まず、BC州で法人を設立する場合は、会社名の決定から始まります。既に同じ名前の法人やビジネスが存在しないかを確認するために、ネームサーチ(Name Search)という手続きを行い、問題がなければその名称を仮予約することができます。

次のステップでは、どのような形態で法人を作るのか、そして誰が株主になるのかを明確にします。株主構成によっては、意図していなかった株主に配当が渡ってしまうなど、法律的・技術的なリスクが発生する場合もあります。

また、節税の観点から複数の株主をどう組み合わせるかなど、税務上の設計も重要なポイントになります。


photo from bcregistry.gov.bc.ca

会社の形が決まったら、BC州の法人登記所(BC Registry)に登録を申請します。申請料を支払って承認されると、会社は正式に法人として認められ、「Certificate of Incorporation(設立証明書)」が発行されます。

この段階で初めて、法人としての活動を開始できるようになります。

ただし、これで手続きがすべて完了というわけではありません。例えば、リッチモンドで事業を行う場合はリッチモンド市、バンクーバーならバンクーバー市のビジネスライセンスを取得する必要があります。

また、利益を得る目的の法人であれば、カナダ歳入庁(CRA)への登録を行い、法人番号(Business Number)を取得するなど、他の手続きも必要です。

 

Q2. 楠原法律事務所の法人設立サポートについて教えてください。

一般的なサービスとしては、以下2つになります。

  • 法人の設立
  • 年次メンテナンス(法人が毎年BC州のCorporate Registry(企業登記所)に提出する定期報告・更新手続きのこと)

会社設立の流れは、早ければ2〜3週間ほどで登記まで完了しますが、一般的にはおよそ6週間前後かかります。

初回のご相談の際には、会社名の候補を2〜3案ほどご用意いただくとスムーズです。また、株主を誰にするのかをあらかじめ決めておくことも大切です。

もし、すでに営業を行う予定の場所が決まっている場合は、その所在地の情報や、賃貸契約書をご持参いただけると、法的な観点から内容を確認することも可能です。

とはいえ、正直に言うと「登記だけ」が目的であれば、私たちのような法律事務所をわざわざ雇う必要はあまりないかもしれません。

 

Q3. では、どんな場合に法律事務所へ法人設立を依頼すると良いでしょうか?

私たちが特に力を発揮できるのは、例えば「雇用契約書のテンプレートを作成したい」「将来的な会社拡大を見据えて、設立時から法的設計をしっかり整えたい」といった、プラスアルファの法的サポートを求めている方のケースです。

そうした中長期的な視点を持つ経営者の方にとっては、弊所を利用いただければ、後々大きな価値につながると考えています。ビジネスコンサルタントに一度相談して解決できなかったときなどにも、ご相談ください。

また、法的な構成や複数の法人・株主が関わるような複雑なケースの場合には、弁護士のアドバイスが大きな助けになるかと思います。

次のようなことが挙げられます。

① 複数の法人を設立し、節税やリスク分散を図りたい場合

例えば、事業運営会社と資産管理会社を分けるようなケースです。
営業活動を行う「法人A」と、その資産や知的財産を管理する「法人B(ホールディングカンパニー)」を別々に設立することで、税務上の最適化(節税)や法的責任(Liability)の分散を図ることができます。

こうした法人構成を検討する際は、契約関係や資金の流れ、責任範囲の整理が複雑になるため、弁護士のサポートを受けることを強くおすすめします。


② 複数人で法人を設立したい場合

友人などと起業を共同で行う場合、会社の形(ストラクチャー)によって法的な位置づけが大きく変わります。代表的な形のひとつが「パートナーシップ(Partnership)」です。

パートナーシップは、個人が単独で法人を設立するのではなく、複数人がビジネスの所有権や運営権を共同で持つ仕組みです。場合によっては、株式会社(Corporation)よりもパートナーシップとして設立したほうが柔軟で効率的なケースもあります。

ただし、責任の範囲や利益分配のルールを明確にしておかないと、トラブルや税務上の不利益が生じる恐れもあります。
このような共同設立の際も、弁護士に相談して契約や構成を整えることが重要です。

 

Q4. バンクーバーに数ある法律事務所の中から、楠原法律事務所に相談・依頼するメリットは何ですか?

大きく分けて、4つあります。

①複雑な法人設立にも対応可能

楠原法律事務所の法人設立サポートは、一般的な法律事務所の料金と比べると、やや高めに感じるかもしれません。

しかし、先ほどお伝えしたような構成が複雑な法人設立には、しっかりとした法的サポートが欠かせません。そうしたクライアント一人ひとりのニーズに合わせた最適なストラクチャーを提案できるのが、私たちの強みです。



(ライアンさんのプロフィールはこちら⇒関連記事:バンクーバーの弁護士 楠原ライアンさんQ&A9つ)

②日本語で対応可能

私は大阪生まれで、10歳の頃にカナダに来たので、英語・日本語どちらでも問題なくやり取りできます。メトロバンクーバーで、日本人の弁護士というのはかなり珍しいかと思います。法律事務所スタッフにも日本人が複数人いるので、英語が苦手な方も安心してください。


③契約を作る段階から訴訟などのリスクを考慮・対策

3つ目の強みは、過失(Liability)や訴訟(Litigation)にも対応できる点です。

一般的に、会社設立のサポートは Solicitor(ソリシター)と呼ばれる、契約書作成や登記などの手続き業務を専門とする弁護士が行います。そのため、万が一訴訟やトラブルが発生した場合、裁判対応を行わない事務所では別の弁護士に依頼を引き継ぐ必要があるのが通常です。

一方、私たち楠原法律事務所では、訴訟対応のノウハウや実務経験も持つチーム体制を整えています。
そのため、契約書を作成する段階から将来的な訴訟リスクを想定し、トラブルを未然に防ぐためのアドバイスや対策を行うことができます。


④日本の弁護士とも連携

楠原法律事務所では、カナダだけでなく日本国内の弁護士とも連携体制を構築しています。

そのため、もし日本とカナダの間で発生する国際的な法的課題や取引上の問題がある場合でも、ワンストップでご相談いただけるのが大きなメリットです。

状況に応じて柔軟に対応いたしますので、カナダ在住の方だけでなく、日本在住で将来カナダでビジネスを始める予定の方も、まずはお気軽にご相談ください。きっと皆さんのお力になれると思います。

 

Q5. 法人設立を考えている方にメッセージをお願いします。

カナダで初めてビジネスを立ち上げる場合、分からないことや想定外の出来事が多く、戸惑う場面も少なくありません。

実際、事業を運営していく中では、うまくいかないことや思わぬトラブルが起きることもあります。大切なのは、転んだときにどう立て直すか、どのようにリスクを最小限に抑えるかという視点です。

ビジネスには経験が必要な部分もありますが、法務面でのリスク対策は、あらかじめ備えておくことで大きく変わります。
私たちのサポートでは、万が一何かあったときでも、ダメージを最小限に抑え、前に進むための選択肢を確保できるような体制づくりをお手伝いできます。

カナダでの挑戦は簡単ではないですが、適切な準備とパートナーがいれば安心して進められます。ぜひ気軽にご相談いただければと思います。

フランチャイズ契約支援についてQ&A

続いて、楠原法律事務所で行っているフランチャイズ契約支援についてお話を聞いてきました。

 

Q1. フランチャイズ契約支援サービスについて教えてください。

フランチャイズ契約支援について簡単にお伝えすると、まず前提としてカナダのフランチャイズ法(州ごとに異なる)に基づく明確なルールが存在します。そのうえで、弊所ではフランチャイズ展開に必要な法務を総合的に提供しています。

フランチャイズは課題がたくさんあるので、一度話を聞いて必要な書類のリストを用意したりしています。

①Disclosure Statement(開示書類)の作成・確認

フランチャイズ展開を行う際、フランチャイザー(Franchisor:本部・提供側企業)はフランチャイジー(Franchisee:本部に加盟し、店舗を運営する側)に対して、Disclosure Statement(開示書類)を提供する義務があります。

これはフランチャイズ事業の内容やリスク、財務情報などを明確に示す重要な文書で、弊所ではこの作成・レビューをサポートしています。


② フランチャイズ契約書の作成・確認

次に、実際のフランチャイズ契約書の作成です。契約書は非常に専門性が高く、作成には時間がかかりますが、弊所では長期的に安心して運営できるよう、内容の整った質の高い契約書を提供しています。

加盟店を増やす、調理器具などの販売、ロイヤリティなど、どのような形態で利益を上げるのかはフランチャイズ毎に違うので、クライアントから話をじっくり聞いてから契約書を作る必要があります。


③ 付随する法務サポート

フランチャイズに関連して発生する、以下のような様々な法的ニーズにも対応しています。

  • 雇用契約に関する問題
  • 日本とカナダ間で発生する契約・税務などの国際的な課題のリサーチ
  • 商標(Trademark)や商品登録のサポート
  • 企業秘密の保護に関するアドバイス

フランチャイズ支援に関しては、クライアントの9割が、日本で成功したビジネスをカナダに出店したいというケースです。もう一方で、フランチャイズに入る側でも、安心して契約できるよう多角的に支援しています。

フランチャイジーとして加盟を検討する場合、私たちは契約書や Disclosure Statement(開示書類)のレビューを行い、事前にリスクや条件をしっかり把握していただけるようにサポートします。

また、Due Diligence(デューデリジェンス)と呼ばれる、相手側の経営状態や信頼性を確認するプロセスも実施します。そのうえで、必要に応じて加盟条件をより良い内容にするための交渉もサポートしています。

 

Q2. カナダ・BC州でフランチャイズを契約する際、日本との手続きが異なるのでしょうか?

日本でもフランチャイズ契約に関する開示はありますが、カナダ(特にBC州)ではフランチャイザー側に課される開示義務がより厳格で、内容も非常に細かくなっています。ルールに従っていないと、フランチャイザー側がペナルティーを課される場合もあります。

具体的には、

  • 誰が法人を所有しているのか(所有構造)
  • 法人の財務状況や資産内容
  • 過去の訴訟履歴やリスク情報

など、フランチャイザーは細部にわたる情報を Disclosure Statement で開示する必要があります。これは、フランチャイジーが契約前に十分なリスクを理解しないまま加盟してしまうことを防ぐためのものですが、同時にこの厳格な開示基準こそが、カナダでフランチャイズを展開する際の大きなハードルの一つにもなっています。

カナダでフランチャイズ展開をしようとする日本企業の場合、現地の大手企業と提携したりもしますが、同様に重い開示義務を負うことになるため、現地法務を熟知した法律事務所のサポートはほぼ必須といえます。

 

Q3. BC州以外(フランス語圏含め)でフランチャイズをやりたいという場合でも相談可能ですか?

はい、カナダであれば地域を問わずに相談可能です。リーガルアシスタントの亀井はフランス語を流暢に話せるので、フランス語圏への進出でも対応可能です。

リーガルアシスタント 亀井瞳さんのプロフィール

東京都出身。高校時代をフランス・ブレストで過ごす。その後アメリカへ渡り、ボストンのノースイースタン大学で犯罪学を専攻。在学中はフランス・パリのソルボンヌ大学へ留学し、欧米の法制度や社会構造への理解を深める。大学卒業後は日本の外務省にて領事専門官として勤務。司法共助や国際受刑者移送など、国際法務分野で実務経験を積む。

現在は3児の母として子育てと両立しながら、日加間の案件や国際法務業務をサポート。日本語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語を話すマルチリンガル。

 

Q4. フランチャイズ契約支援を楠原総合法律事務所にお願いするメリットを教えてください。

フランチャイズ契約支援は非常に専門性の高い分野で、一般的には大手法律事務所に依頼があることが多いのが現状で、費用が1時間あたり約1,000カナダドル前後になることも珍しくありません。

それと比べると、楠原法律事務所のレートは最大でも1時間あたり約400カナダドルと、大手事務所の半額以下です。

そのうえで、大手法律事務所と同等レベルのサービスを、より利用しやすい価格で提供できているという点は、クライアントの方からもよく評価いただいています。

また、日本語で直接コミュニケーションが取れるという点も、海外で契約手続きを進めるうえで大きな安心材料になると思います。

 

Q5. フランチャイズに関して、相談を検討している方へメッセージをお願いします。

特に日本で実績を持つ企業は、カナダの市場から見ても非常に魅力的だと思います。ブランド力が明確で、事業モデルもカナダのローカル企業と比べて具体的かつ戦略的に作り込まれているケースが多いからです。

そのため、正しい形で市場に参入できれば、競合が比較的少ない分野も多く、カナダは参入メリットの大きい市場と言えると思います。

また、スモールスケールでフランチャイズ展開を行う場合は、カナダでライセンスを販売する方法もあります。フランチャイズに関して興味のある方も、気軽に一度ご相談ください。

カナダで起業やフランチャイズを考えている方は、信頼できる相談先を見つけるところからスタート

カナダ・BC州での法人設立やフランチャイズ展開には、日本とは異なる制度や準備が求められます。だからこそ、現地法務に精通した専門家のサポートが大きな支えになります。

ライアンさんは今まで何度もインタビューさせていただいているのですが、いつも大阪生まれらしい明るさとユーモアで場を和ませてくれます。また、亀井さんは今回初めてお話させていただいたのですが、誠実で温かい人柄が伝わってきて、お話を伺う中で、安心して仕事を任せられる専門家だと強く感じました。

バンクーバーをはじめカナダで起業や出店を考えている方は、まずは信頼できる相談先を持つことから始めてみてください。次の一歩がきっとスムーズになりますよ。

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