【バンクーバー不動産コラム③】購入物件の種類と相場&不動産価格が下落しない秘密を解説!

   
  

お待たせしました、バンクーバー不動産シリーズ第3弾です!
前回のコラム②では、モーゲージ(住宅ローン)、日本との違い、家賃支払いとの比較、注意点、購入時の特典などについて、詳しく案内しました。だいたいの目安として、月額1,500ドル(約15万円)位の支払いが、賃貸と購入の分かれ目だということが分かりましたね!(前回の記事はこちら

さて、予告通り、今回は、 バンクーバー不動産の『物件の種類と相場』、『価格が下落しない秘密』について解説します。以下の物件に関して、概要、所有権、相場がどうなっているのか、見てみましょう!
 
 ・一戸建て住宅とは?
 ・デュープレックスとは?
 ・タウンハウスとは?
 ・コンドミニアムとは?

 
それでは、カナダ・バンクーバーで不動産業に関わって13年、これまでたくさんの日本人の不動産売買をサポートしてこられた、不動産売買のプロ、フレッド吉村さんに、またいろいろ教えて頂きたいと思います!
 

不動産売買のプロに聞く!

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フレッド吉村さん
【プロフィール】日本で一通りの学校教育、専門商社での営業実務経験を積んだ後、1994年4月に24歳でカナダ・バンクーバーへ渡航。現地日系旅行会社で働いたのち、2002年にBC州公認不動産仲介ライセンスを取得し、最大手のリマックス不動産グループに所属。以来、不動産売買のプロ、リアルター(REALTOR)として活躍中!日本の専門商社で培った建築資材の知識や、営業・交渉ノウハウ、日本人ならではのきめ細かなサービス精神をフルに活かして、親切にアドバイスしてくれる頼もしい不動産売買のプロ。日本語で相談できるので安心!

■Facebook:バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産
■Web:2015 RE/MAX Group. F.Yoshimura


 
 

購入物件その1:一戸建て住宅について教えて下さい!

日本でもおなじみの 一戸建て住宅 ですね。これは、名前の通り、1軒屋の住宅のことです。 一戸建て住宅のゾーニング(区画)によって、土地の広さや建物の高さ、建ぺい率、容積率が決まっています。また、最近の住宅不足に合わせ、 リーガル・スイートといって、2世帯住宅もしくは、 レーンウェイ・ハウスと呼ばれる、別棟の建設による3世帯住宅 も、バンクーバー市では一部認められています。
 
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一戸建て住宅の所有権:登記の際は、土地と建物に対して個人名義の登記が付きます。なお、改築、増築をする場合は市からのパーミット(許可)が必要になります。また、 ベアランド・ストラタという土地の所有法もあります。ベアランド・ ストラタの場合は、土地のみ共同所有形式を取り、私道のメンテナンス費用を月々の管理費にて支払います。家屋その他については戸別の所有権があり、メンテナンスも全て戸別に行います。ベアランド・ ストラタは、特に郊外型の新興住宅地などでよくある土地の所有方法です。
 
 

一戸建て住宅の相場はこのようになっています。
 バンクーバー・ウェスト     $200万ドル(約2億円)~
 グレーター・バンクーバー     $100万ドル(約1億円)~
 トライ・シティ         $80万ドル(約8千万円)~
 フレーザー・バレー       $50万ドル(約5千万円)〜

▶ 参照: バンクーバー・ウェストサイド、S.W マリンドライブの一戸建て。(バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産)
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購入物件その2:デュープレックスについて教えて下さい!

 デュープレックス(Duplex or 1/2 Duplex)は、1軒の建物に独立した2戸が建設されていて、それぞれ個別の住所、玄関、アウトドアスペース、ガレージ、サイドウォークを持った物件のことです。土地のサイズに応じて、隣合わせ(サイド・バイ・サイド)、1階と2階、フロントとバックなどのタイプがあります。2戸の両方を所有して、2世帯住宅として使用したり、片方を賃貸物件として貸し出す事も可能ですが、今日のグレーターバンクーバーの不動産価格では、1/2 duplex (戸別)としての売買、購入が主になっています。
 
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デュープレックス住宅の所有権:コンドミニアムやタウンハウスと同様で、2軒で土地や建物を共同所有し、内部や設備などはそれぞれが自己管理します。月管理費や、定期ミーティング、共同管理口座の設定義務などはありませんが、何かしら共有部分のメンテナンス(例えば、屋根の葺き替え、外装アップデート、フェンスなど)が発生する場合には、双方のオーナー同士の話し合いによってプランニングから負担金額まで相談しながら進める事になります。従ってお隣さんとの意見の食い違いが発生すると少し厄介です。また、戸別での売買が可能ですので、お隣さんが途中で変わったり、賃貸に出されてしまいテナントが入居する可能性もありますので、購入前に予めそれらの点を理解しておく必要があります。
 
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なお、トリプル/フォープレックス (Triplex / Fourplex) といって、デュープレックスが3戸、4戸口に発展したタイプのものもあります。これは主にバンクーバーのキツラノやフェアビュー、メイン、フレーザーなど、古い住宅街で見かける事が多い物件です。1/2 duplex の所有権が1/2であるのに対し、トリプレックスやフォープレックスは戸数が多い分、個々の所有権の割合は低くなります。その他の定義は1/2duplexと同様です。
 
 

デュープレックス住宅の相場はこのようになっています。
 バンクーバー・ウェスト     $130万ドル(約1.3億円)~
 (フォープレックスの場合)   $100万ドル(約1億円)~
 バンクーバー・イースト     $80万ドル(約8千万円)~
 バーナビー           $65万ドル(約6千5百万円)〜

▶ 参照: セントラル・バーナビーのファミリー向けの新築1/2デュープレックス(バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産)
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購入物件その3:タウンハウスについて教えて下さい!

タウンハウスは主に、 2階~3階建ての棟続きの住宅 で、戸別の玄関、パティオなどがあります。ダウンタウンなど都心部では、コンドミニアムと呼ばれる高級マンションの高層ビル(ハイライズ)の建物に属したタウンハウスがよく見られます。一方、郊外型の場合は、車で正面ゲートを入り、私道を通ってそれぞれのユニットへ行く形式が多くなっています。戸別にガレージ、もしくはカーポートが付いていて、パーティールームやプレイグラウンドといったアメニティー施設を共有しているタイプが一般的です。タウンハウスは、現代では ファミリー層に最も人気のある住宅様式で、3LDK+ガレージ/カーポートが主流です。
 
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タウンハウス住宅の所有権:敷地、建物は共同所有で、各世帯の内部、設備は個々のオーナーの管理責任となります。全体の管理は Strata Property Actという法律にて統治されていて、住民の中から役員が選出され、管理口座や修繕積み立て、住民規約などがあります。 通常は雇われた不動産管理会社が管理をしていますが、小規模なタウンハウスでは、全てを住民自身で管理しているセルフ・マネージという形態もあります。
 
毎年管理予算が組まれ、 一般的なメンテナンスは月々の管理費によって賄われますが、屋根の張替えなど大きな費用がかかる場合には、修繕負担金が各オーナーへ課せられ別途徴収されます。各世帯のパティオの植え込みや芝生は全体で管理され、費用も月々の管理費に含まれていますが、お湯や暖房はそれぞれの世帯の暖房設備、給湯システムから供給され、それら設備のメンテナンスや交換は各オーナー責任となります。コーナーの角部屋は3方向に窓があり明かりの取り入れが良く、価格的にも多少高くなります。
 
 

タウンハウス住宅の相場はこのようになっています。
 バンクーバー・ウェスト     $90万ドル(約9千万円)~
 バンクーバー・イースト     $50万ドル(約5千万円)~
 リッチモンド          $50万ドル(約5千万円)~
 バーナビー           $50万ドル(約5千万円)~
 トライシティ          $40万ドル(約4千万円)~
 フレーザーバレー        $33万ドル(約3千3百万円)~

▶ 参照: サウス・バーナビーの3BRファミリータウンハウスがこの価格で!(バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産)
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購入物件その4:コンドミニアムについて教えて下さい!

コンドミニアムは、 日本でいうマンション・タイプの不動産 で、土地に対するシェアと建物などを共同所有します。各世帯には個人登記が付きます。ダウンタウンの小さな物件を除き、通常は1台分のパーキングの使用権(広い物件は2台分)、ストーレージロッカー付の物件も多くなっています。なんと言っても お手頃な価格帯が魅力で、合わせて プールやジム、サウナ、ラウンジといったアメニティーが充実している場合が多く、 若年層や育児世代に加え、ダウンサイズのシニアにも人気の不動産です。
 
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セキュリティー面が万全で、FOBと呼ばれる電子キーシステムを導入していたり、24時間コンシェルジェ(管理人)がいたりと、長期の不在時でも安心です。最近では冷暖房完備の物件も増えつつありますが、基本は電気式ベースボードの暖房のみで、夏場は扇風機やポータブルタイプのクーラーを使用します。2000年前半までの物件は薪式やガス式の暖炉が付いている場合がありますが、それ以降は電気式の飾り暖炉(暖房設備)が付いているか、または何も付いていない場合が多いです。お湯は セントラルの給湯システムが主流で、その場合給湯設備の管理は全体費用で賄われ、お湯切れの心配もありません。
 
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鉄筋コンクリートの高層物件(ハイライズ)は比較的騒音も緩和されますが、それでも上下階からの生活音は多少聞こえます。木造の場合でも築30年未満であれば各階の床に数センチ程度のコンクリートが敷いてあり、その上に防音クッションを敷いてから床材を貼りますので、多少軽減されます。高層物件(ハイライズ)の場合、 上階に行くに従って価格が上昇し、木造の低層物件(ローライズ)の場合は4階(最上階)、1階(パティオ付き)、3階、2階の順に価格が設定されます。
 
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2000年以前の建物を購入する場合、 外壁の材料や建物自体のデザインには充分注意が必要です。特にStuccoというモルタル状の外壁を使っている場合、デザインと施工具合によっては水漏れの問題(リーキーコンド)が発生する可能性があります。ただし、一度大掛かりな外装工事を行い、Rainscreenというシステムにアップデートされていれば築年数が20年以上経っていても一定の安心度が増し、不動産価値も上がります。特に年式の経った物件を検討する場合は知識と経験のあるエージェント、インスペクター(住宅検査の専門家)を選びましょう。
 
最近の都市部の物件では、地下駐車場に電気自動車の充電や、カーシェアリングが入っていたり、プールなどのアメニティーに変わり、ビリヤードやキッチンを備えたパーティ・ラウンジや、屋上などの展望デッキ(BBQ) などが流行りです。
 
 
コンドミニアム住宅の所有権:コンドミニアムには色々なタイプの所有権があり、不動産価値や融資基準なども変わります。
1)Freehold Strata:一般的な所有権です。
2)Leasehold Pre-paid Strata:大学構内などの物件に多く、長期間(99年間)の土地に対するリース代が支払い済みになっています。リースの残りが50年以下となると徐々に価値が下がっていきますが、70年以上残りがある場合は通常の不動産と変わらず売買されます。
3)Leasehold Non-paid Strata:グランビルアイランド周辺などに多く見られるもので、主に市などから土地をリースしていて、毎月土地のリース代の負担が発生します。リース契約も定期的に見直しが入る為、購買層が少なく不動産価値も近隣のフリーホールドに比べ格段に安くなっています。
4)Share in co-op:建物全体を単一の会社が所有し、各オーナーは部屋の広さに応じた株(シェア)を購入し物件を所有します。個人名が登記に付かないため、銀行融資基準が厳しく最低35%の頭金が必要となります。ウェストエンドの古い物件に多いですが、80年台以降の建物では殆ど見かけない、古い時代の不動産所有形式となっています。
 
 

コンドミニアム住宅の相場はこのようになっています(※日本で言う1LDKのような1ベッドルームスイートの相場。 価格はエリアとベッドルーム数で大きく変わります)。
 
 バンクーバー・ウェスト     $35万ドル(約3千5百万円)~
 リッチモンドやバーナビー     $20万ドル(約2千万円)~
 トライシティ          $18万ドル(約1千8百万円)~
 サレー             $15万ドル(約1千5百万円)~

 

▶ 参照: ダウンタウンの1LDK。”Brava”公園に面した絶好のロケーションです。(バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産)
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最後に、バンクーバーの不動産価格が下落しない秘密について教えて下さい!

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photo from Alex Costin on Flickr

バンクーバーの不動産ニュースは毎日のように流れていますが、ここ 10年以上バブルが懸念されながら住宅価格が下落しないのはなぜなのか?それには実は、確固たる要因があるのです。今からご紹介しましょう!
 
1)人口の増加:国内・外からの人口移入が続いており、今後も年間約3万人のペースで増加し、2040年までにはグレーターバンクーバーの人口は現在の1.5倍に近い、約340万人に膨れ上がると予想されています。(Metro 2040 Residential Growth Projections report)

2)住宅開発の遅れ:人口の増加に対して、遥かに遅れているのが住宅開発です。特にフレーザー川以西のグレーターバンクーバーエリアの一戸建て用地は、新規開発、分譲用の宅地が物理的に限られている為、どうしても現在ある絶対数の宅地を、資金力をもつ買い手が購入するという図式になり、それが価格の高騰に直結しています。
 
3)不動の人気:英国エコノミスト社が毎年発表する、世界で最も住みやすい都市として、バンクーバーは2015年も世界第3位にランクイン。毎年、上位5位以内の常連になっています。やはりこの街は、政情・経済の安定、教育、治安や気候や住環境など、総合的に判断した場合、世界随一の住環境と言えます。また、移民政策を取っている事から、世界中からの移民、移住、滞在希望者が殺到し、富裕層の外貨が流入して、一等地の不動産価格を押し上げています。
 
4)続く低金利:バンクーバーエリアへの定住を決めた人にとって、賃貸は長ければ長いほど損になります。カナダでは20歳代から何かしらの投資をしている人がほとんどです。その中で高いレントの払い捨ては一番の損と考えられており、現在の歴史的低金利のうちに住宅ローンを組んで不動産購入するファーストタイムバイヤー層が圧倒的に増えています。
 
5)強いコンシューマー・コンフィデンス:従来の林業、水産に加え、建設業界や液化ガスの開発などにより、BC州の経済は引き続き好調を維持しています。ローカル経済の安定が消費者層の収入安定に繋がり、購買意欲が高まっています。その中でも必ず必要で、最大の資産となり得る住居の購入に注目が集まっているのです。
 
というわけで、メトロバンクーバーでは、住宅価格は毎年約5〜15%位上昇し続けていて、日本と違って、なんと中古住宅であっても価格は上昇し続けます。だから、何年も住んでから売って、買った時と売った時の差額で利益を得る人たちもとても多いそうです!
 
そのため、住宅ローンを支払い終えていなくても気軽に売却でき、日本のように、売却しても一生ローン支払いを強いられることもないのがバンクーバーの不動産事情なのです。そういったことから、バンクーバーの不動産価格は当分下がりそうにありません。

▶ 参照: 2015年10月のバンクーバーの不動産市場統計が発表(バンクーバーの不動産 フレッド吉村 – リマックス不動産)

 
 
うーむ、なるほどー!バンクーバーの不動産物件にはいろいろ種類があることがよく分かりました。それに、価格は下がりそうにないんですね〜。今回もとても勉強になりました!では、次回は『エリア別不動産案内&注目のエリア紹介』をお届けしますので、お見逃しなく!

その他『モーゲージ(住宅ローン)の詳細解説』についても、モーゲージスペシャリストの記事が後日掲載されますので、こちらもお楽しみに〜!


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