《 ジャムカフェ 》は並ぶ価値あり

   
  

「石川まりこのとっておきバンクーバー」
文・写真/石川まりこ

小雪舞う冬の寒い朝、ビクトリアの街をひとりさまよう私。いつもと変わり映えしないホテルの朝食を食べる気にならなくて、珍しく時間のある午前中を地元のカフェでのんびり過ごしたくて。

初めて歩いた道で、大学生っぽい女子たちが激しくなった雪も気にせずおしゃべり中。たまたま目があったひとりに「この店は美味しい?」ってたずねたら「並ぶ価値あるわよ、私たちも席待ちしてるの。いつもはもっと長い行列だけど、雪の日だから空いてる」 よし、ここに決めた!

昔懐かしい田舎の食堂みたいな内装で、カウンターの端に赤黒チェックのフランネルシャツを着たお髭のお兄さんまでいる! このシャツはスコットランド移民の木こりの服装で、カナダといえばこの柄のイメージなのです。

朝食+ブランチだけの営業なので、パンケーキエッグベネディクトなど定番メニューがとにかく豊富。迷いに迷ってお勧めをたずねたら「うちは卵とチキンが絶品ですよ」とサーバーさんが教えてくれました。

そこでフライドチキン・ベニー Fried Chicken Benny を選択。カリッと焼いたイングリッシュマフィンに、ジューシーなフライドチキンと半熟のポーチドエッグがのったボリュームたっぷりの一品。自家製オランデーズソースも美味。付け合わせはハッシュブラウンとグリルしたトマトで大満足!

壁に飾ってあるコレクティブルの写真を撮っていたら、「俺たちも撮ってくれよ」と奥からコックさんたちがぞろぞろ出てきました。

「私たちも撮ってー」とサーバーさんたちも勢揃い。皆さんフレンドリーでやさしくて朗らか。仕事やプライベートでビクトリアに行くたびに、必ず朝ごはんを食べに行くようになりました。

それから4年後の2016年、ジャムカフェはバンクーバーのビーティー通り Beaty Street に2号店、2018年にはキツラノ Kitsilano にも3号店をオープン。どちらもいつも行列ができて大人気です。

内装のレトロ感はちょっと控えめですが、大きなムースとスケート靴が並んでいるのはいかにもカナダ 🇨🇦

カナダ西海岸といえばサーモンということで、スモークサーモン・ベニー Smoked Salmon Benny が大人気。とろりと流れるポーチドエッグの黄身と薄塩のサーモンが絶妙なコンビネーション。

とてもおなかが空いていたら、ベルギーワッフルにフライドチキンを重ねたチキン・ワッフル Chicken ‘N Waffles がお勧め。食べきれなければ半分お持ち帰りも可能です。

たっぷり食べたら、腹ごなしにビーチを散策するのが定番コース。ジャムカフェの朝食アイテムが一日のエネルギー源になってくれます。

ジャムカフェ
Jam Cafe
バンクーバー・キツラノ店
住所:2153 West 4th Avenue, Vancouver, BC V6K 1N7
電話:604-423-3350

※2021年4月29日現時点で全ての店舗でテイクアウトとパティオサービスを行っています。最新情報はお店のウェブサイトで確認してみてください。

石川まりこトラベルライター・ツアープランナー・ツアーガイド

石川 まりこ

11歳でひとり旅を始めて、中学・高校時代は日本全国を鉄道でめぐる。19歳で初めてアメリカに行き世界の広さを実感。23歳で中国を3ヶ月旅して、多様な文化を体感。その後、海外旅行添乗員として約50か国をご案内。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライターとして、カナダ専門旅行会社 ARA Professional Travel & Support Inc. に勤務。ツイッターフリッカーでカナダの現地情報を発信中。

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