《 ドーチェイ 》ならベジもノンベジも大満足

   
  

「石川まりこのとっておきバンクーバー」
文・写真/石川まりこ

Đồ Chay はベトナム語でベジタリアンフードのこと。本当の発音はドゥチャイですが、バンクーバーでは英語式にドーチェイと呼ばれています。

2019年春、バンクーバーの東側のキングスウェイに1号店がオープン。兄のパトリック・ドー Patrick Do と妹のビクトリア、母のイェンの家族経営で、ベトナムの家庭料理をモダンにアレンジしたメニューが人気です。

母の世代は、ベトナム戦争から逃れてボートピープルになり、1980年代に難民としてカナダに移民。同胞たちとベトナム料理店を営んで、カナダでの新しい生活を支えました。

それから40年が経ち、現在カナダのベトナム料理レストランは二世の時代を迎えています。ベトナム系二世のパトリックとビクトリアは、音楽業界や不動産業を経験した後、母世代と同じくレストラン業界に転身。

自分たちが年々ベジタリアン志向が強くなっていたので、2019年夏にオープンしたイエールタウンの2号店は、ベジタリアン&ビーガン料理専門店にしました。

誰もがまず注文する定番メニューは、カリッと揚がったビーガン春巻 Vegan Spring Rolls。添えられた特製イッシュソース ish sauce は、フィッシュソースじゃなくて当然ビーガン。この緑豆の発酵ソースがドーチェイの味の決め手です。

潮州料理をイメージしたドーチェイ水餃子 Do Chay Dumplings は、タピオカ粉を練り上げているので口当たりが滑らか。根菜のヒカマ jicama やチャイブ、タマネギ、タケノコがいっぱい入っています。

ビーガンフォー Vegan Pho の出汁は野菜と海藻と椎茸がベース。あっさり澄んだスープですが、コクと旨みが絶妙。ライスヌードルに湯葉やブロッコリ、カリフラワー、アボカドをトッピングすれば、ボリュームも栄養も満点なヌードルのできあがり。

アンクル・ヒンのウィング Uncle Hing’s Wings はベジ版の手羽先唐揚げ。旨みの濃いオイスターマッシュルームを唐揚げして、甘辛ソースで味付け。私が毎回絶対頼んでしまう一品です。

米国テキサス州でケージャン・ベトナム料理店を経営する叔父から受け継いだ秘伝ソースが美味しさの素だとか。しっかりした味付けなので、菜食料理に慣れていない人にも違和感なく食べられます。

黒トリュフ豆腐 Black Truffle Tofu は、和食の揚げ出し豆腐みたい。ふわふわの絹ごし豆腐を素揚げして、トリュフとショウガとエシャロットのソースをかけて。これはもうリピ決定!

1人2〜3品注文して、みんなでシェアすると様々な味が楽しめます。ボリュームたっぷりですが、全然ヘビーじゃないので、胃もたれの心配はありません。安心してたっぷり美味しくお召し上がりください!

ドーチェイ・サイゴン・ベジタリアン
Đồ Chay Saigon Vegetarian
イエールタウン店
住所:1269 Hamilton Street, Vancouver, BC V6B 6K3
電話:778-379-2939

石川まりこトラベルライター・ツアープランナー・ツアーガイド

石川 まりこ

11歳でひとり旅を始めて、中学・高校時代は日本全国を鉄道でめぐる。19歳で初めてアメリカに行き世界の広さを実感。23歳で中国を3ヶ月旅して、多様な文化を体感。その後、海外旅行添乗員として約50か国をご案内。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライターとして、カナダ専門旅行会社 ARA Professional Travel & Support Inc. に勤務。ツイッターフリッカーでカナダの現地情報を発信中。

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