《 リーズ・ドーナツ 》甘い香りに誘われて♡

   
  

「石川まりこのとっておきバンクーバー」第9回
文・写真/石川まりこ

パブリックマーケットの外にまで漂ってくるあま〜い香り♡ 大人も子供もふらふらと誘われて、気がつけば自分も列に並んでる・・・! グランビルアイランドに来たら、立ち寄らずにいられないのが、この黄色い看板のリーズ・ドーナツなのです。

創業は1979年7月12日。つまりグランビルアイランド・パブリックマーケットが公式にオープンしたその日から、ほぼ40年間ずっと変わらずドーナツを手作りし続けています。

マーケットがオープンする午前9時に行けば、約30種類のドーナツが勢揃い! こんな朝から甘いドーナツを食べる人なんているのかしらと思いますが、実はカナダ人の定番朝ごはんはコーヒーとドーナツ♪ 開店を待てなくて、棚に並べるそばから買って行くお客さんがたくさんいるのです。

ゆっくり寝かせた生地を職人さんが手でこねて、ドーナツの形にひとつひとつまとめます。トランス脂肪が含まれていない植物性ショートニングで揚げるので、油っぽくならず、さっぱりした食感に仕上がるのだとか。

創業者のリーおばさんは惜しまれつつも昨年引退。閉店する予定だったこの店をアラン・バカーニ Allan Bacani が引き継ぎました。アランの両親もマーケット内でお店を経営していて、彼はグランビルアイランドを遊び場にして育ったのだとか。「大好きなリーズ・ドーナツがこの世からなくなるなんて考えられなくて、思わず僕がやる!って言っちゃった」と笑います。

40年間愛されてきた味を守るために、材料やレシピを変えることなく、丁寧に手作りしています。

この店で一番人気なのはハニーディップ。はちみつたっぷりのシロップをまんべんなくかけたら、ツヤツヤのドーナツができあがり!

モチモチふわふわのできたてハニーディップがほしい場合は、棚の上ではなく、カウンターのガラスケースに並んでるのを指差してくださいね。

おしゃれな大人味のドーナツ屋さんが増える中、どこか懐かしい素朴な味わいを大切にしているリーズ・ドーナツ。グランビルアイランドにお越しの際は、意外にあっさりなカナディアン好みの甘さをお試しください。

石川まりこトラベルライター・ツアープランナー・ツアーガイド

石川 まりこ

11歳でひとり旅を始めて、中学・高校時代は日本全国を鉄道でめぐる。19歳で初めてアメリカに行き世界の広さを実感。23歳で中国を3ヶ月旅して、多様な文化を体感。その後、海外旅行添乗員として約50か国をご案内。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライターとして、カナダ専門旅行会社 ARA Professional Travel & Support Inc. に勤務。ツイッターフリッカーでカナダの現地情報を発信中。

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