エクスプレスエントリー 全カテゴリーのITA発給 7月6日ついに再開

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

カナダ移民局のエクスプレスエントリー改革運用方針は順調

フレイザー移民大臣はこのほど、全カテゴリーへのITA発給を来月7月6日より再開することをニュース紙のインタビューで発言しました。

エクスプレスエントリーの永住権申請招待状(ITA:Invitation to Apply)の発給を7月初旬に正常化させることは、今年4月にカナダ移民局のニュースで発表されていましたが、その具体的な日付が初めて公に言及されたことになります。


 

エクスプレスエントリーこれまでの経緯

平常時(新型コロナパンデミック以前)

カナダ移民局はエクスプレスエントリーのITA発給を隔週(2週間に1回ペース)行っており、Comprehensive Ranking System (CRS) と呼ばれるランキングシステムで、全カテゴリーを対象に、より高いポイントを持つ人からITAを送る方針をとっていました。
 

新型コロナパンデミック以降

カナダ移民局は2020年12月以降、パンデミックで渡航制限が敷かれる中、カナダに既に滞在している人を優先して移民させるという方針に一時的に変更しました。

そしてFederal Skilled Worker (FSW) と Federal Skilled Trades (FST) の永住権申請カテゴリーについてITA発給を一時停止、2021年のエクスプレスエントリーのITA発給は特にCanadian Experience Class (CEC) カテゴリーが優先され、年間で401,000人の新移民が誕生しました。
 

現在はPNP対象のみITA発給

ですが2021年9月を最後に、このCECカテゴリーのITA発給も停止。その理由は、カナダ移民局が抱えていた大量のバックログ(未処理申請書類)への対応とされています。

エクスプレスエントリーはそれ以降から現在にいたるまで、カナダ全土の各州・準州の経済発展を助けることを目的に、各州ノミネーションプログラム(PNP:Provincial Nominee Program)を対象としたITA発給のみ継続されています。

 

全プログラムのITA発給がExpress Entry登録者に与える影響

全カテゴリーITA発給再開は、長らく休止されているFSW, FST, CECカテゴリーを含む全てのカテゴリーを対象にしたドローが再開されるということです。
 

Federal Skilled Worker (FSW)カテゴリーの位置づけ

FSWカテゴリーでの永住権申請は、1967年に誕生してからパンデミックが始まるまで、エコノミッククラス移民(職歴でのカナダ永住権取得)の主流と呼べるものでした。新型コロナパンデミック前、FSWカテゴリーは、エクスプレスエントリー経由での永住権申請者の実に45%を占めていました。

カナダ移民局承認の学歴査定機関(Educational Credential Assessment = ECA)の一つであるWorld Education Services (WES) が実施した調査は、新型コロナパンデミックがもたらした情勢変化に関わらず、FSWカテゴリーに該当する永住権申請候補者のエクスプレスエントリーに対する強い需要は今後も変わらないであろうと結論付けています。
 

すでにカナダに滞在して永住権取得を目指す人

カナダ国外から永住権申請をするFSWカテゴリーの人へのITA発給が再開されると同じく、CECカテゴリーへのITA発給も再開されることは、すでにカナダに住んでいる永住権取得希望者の多くが合法的なカナダ滞在資格を維持するのに役立つことになります。

それらすでにカナダ滞在しているエクスプレスエントリー登録者がITAを受領し、永住権申請を完了すると、Bridging Open Work Permit (BOWP) という就労ビザを申請することが可能となります。これにより、永住権の審査を待っている間、カナダで合法的に就労を続けることができるようになります。

ところがCECカテゴリーのITA発給が2021年9月以降に止まっているのため、カナダ滞在中の永住権取得希望者が、このBOWPことができていない現状があります。

そのため、カナダ移民局は今年4月にCECカテゴリーグループを対象に、Open Work Permitの延長が可能となる申請を今年の夏に受付開始すると発表しました。対象となるグループは、まもなくPGWP (Post-Graduation Work Permit) 期限が切れる人、または切れてしまった人となります。詳細な発表はまだ行われていません。

 

今後のExpress Entryシステムについて

2015年に始まったエクスプレスエントリーは、FSW, FST, CECカテゴリー、そして一部のPNPカテゴリーの申請を管理するシステムです。

資格条件を満たした人は、IRCCのウェブサイトからプロフィールを登録。年齢、学歴、言語スキル、職歴などの要素によってCRSと呼ばれるランキングスコアが付与されます。7月のITA発給再開後は、パンデミック前と同様に高いCRSスコアを持つ人に招待が発給されると予想されます。

それと同時にカナダ移民局は現在、エクスプレスエントリーに大幅なシステム変更を加えることを発表しています。これがまもなく法制化された場合、移民大臣がカナダの多様な経済的ニーズを支えるのに適切であると思われる職種などのプロフィールを持つグループに絞ってITAを発給することが可能となります。

移民大臣は、この改定案について質疑応答の場面で「今後20年から30年にわたってカナダが必要とするスキルを持つ人材を予測できれば、新しいエクスプレスエントリーのシステムで、よりポジティブな経済的影響を与えることができる人をカナダに呼び込むことができる」と説明しました。

しかしながら、改定案はカナダ議会と上院で審議段階にあり、カナダ移民局がこの新しい試みを具体的にいつ実現できるのかについては未定であると移民大臣は述べています。

カナダ移民局はエクスプレスエントリー運用について関わる4月の発表の時点で、ITA受け取り後の永住権審査期間を通常の6ヶ月に戻すという約束もしています。7月6日の全カテゴリー対象ITA発給再開とともに、その後どのくらいの頻度でドローが実施されるかも注目されるところです。

 

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