カナダ総選挙と移民政策のゆくえ

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

9月20日に実施されるカナダ総選挙が、その後の移民政策にどのような影響を与えるかについて、カナダ政府公認移民コンサルタント白石有紀が解説をします。

こちらの話題は以下の動画でも解説しています。また、9月24日(金)のLive!Vancouverでも総選挙と今後のビザ・移民政策についてお話する予定なので、こちらもお見逃しなく。

カナダの第44回連邦下院議会選挙

カナダの第44回連邦下院議会選挙は9月20日に投開票日を迎えます。先週、各党のリーダーによる公開討論会(Debate)がありました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

 
事前世論調査での各党の支持率

公開討論会後のCBCポール・トラッカーによる世論調査によると、9月16日時点では、各政党の支持率は、以下のようになりました。

・自由党 (Liberal) 31.7%
・保守党 (Conservative) 31.2%
・新民主党 (New Democrat) 20.1%
・ケベック連合 (Bloc Quebecois) 6.4%

討論会前は保守党支持が多かったのですが、この討論会でジャスティン・トルドー首相はうまくアピールができたようで、討論会後に自由党が支持率を少しずつ伸ばしてきています。

ジャスティン・トルドー首相率いる自由党とエリン・オトゥール党首率いる保守党の接戦となっており、予想獲得議席数は、自由党151議席、保守党120議席、新民主党36議席、ケベック連合30議席。

自由党が単独過半数を取っての勝利というのはなかなか難しそうです。現在と同様に、小数与党連立政権が誕生する可能性が高いという見方が強くなっています。

 

選挙結果が移民政策に与える影響

自由党、保守党どちらの政権になっても移民政策をサポート
今回の総選挙では、言うまでもなく、新型コロナウイルス対策が最大の争点となりますが、移民政策も重要なポイントです。

自由党も保守党も、移民政策をサポートしています。どちらも、審査システムの近代化、ファミリークラスの受け入れ向上、資格情報の明確化という面では同意しています。また、難民の受け入れも引き続き積極的に行う姿勢です。

 
審査システムの近代化と審査期間の短縮化
審査システムの近代化については、すでに現政権の自由党が積極的に行って来ており、これは保守党に政権が変わったとしても引き続き行われることになります。ですが、その審査のプロセスなどで意見が分かれています。たとえば、わかりやすい例を挙げると、両親・祖父母呼び寄せのファミリークラス申請のやり方ですが、自由党は現行の抽選方式を使っていくとしていますが、保守党は早い者勝ち方式を取りたいとのことです。

また、自由党は、市民権の申請料を無料にする、大量に溜まっている審査中の案件を早く処理をして減らす、現行のカテゴリーの他に、カナダですでに働いている人向けに期間限定の永住権申請カテゴリーを設置する、などを掲げています。一方保守党は、審査を急ぎたい申請者のために「緊急料金」のような制度を作る、移民局のスタッフを増やす、などを上げています。

 
各州ノミネーションプログラム
新移民受け入れについては、各州政府が州ノミネーションプログラムに力を入れたとしても、移民局が国全体の受け入れ人数や各カテゴリーの人数枠、各州の割り当てを決めますので、やはりコントロールをしているのはカナダ連邦政府である移民局です。そして移民局は、政権を握る政党からの指示で動きます。
 

選挙の結果を受けて移民政策に変化があるのはいつか?

ではどんなタイミングで影響が出て来るのか?

2015年と2019年の総選挙後がどうだったかを思い返してみると、選挙後すぐに移民政策が変わるということはありません。新政権での体制がきちんと整い、政策が公式に発表になったあとに各省の大臣が選ばれ、各省が動くという流れです。

 
注目は Immigration Level Plan 2022-2024
移民局としての次の大きなイベントは、2022-2024年の移民受け入れ人数計画(Immigration Level Plan)の発表です。2015年と2019年には、秋に総選総選挙があり翌年1月に受け入れ人数計画が発表になりました。そして、全体の受け入れ人数が決まると、各カテゴリーの人数枠が3月頃までに発表になります。

移民受け入れ計画の裏には、当然のことながら予算の決定が先立ちます。移民受け入れのためにどのぐらいの予算が与えられるかにより、受け入れ人数やシステムの現代化などの計画が変わってきます。

9月10日~13日には事前投票が行われ、連邦選挙管理局によると、約580万人が投票しました。これは2019年の総選挙時(約490万人)に比べ、18.4%増となっています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響から郵便投票の希望者が増加しているせいだとの見方ですが、今年はカナダ国民が政治により関心を持っているということもあるようです。

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