「坂本由美の暮らしに役立つホリスティック栄養学」第4回
文・一部写真/坂本由美
世界中で愛されているチョコレートは皆を笑顔にしてくれるスィーツの代表格です。チョコレートを使った美味しいお菓子などは女性にとっては永遠の喜びではないでしょうか?
この時期は温かいホットチョコレートが恋しくなる人も多いと思いますが、ここバンクーバーでは1月中旬からバレインタインの日までホットチョコレートフェスティバルが毎年開催されています。 数々のクリエイティブなホットチョコレートを試せるチャンスでもあり、人気のお店は行列が出来る程です。
今回はこの人気のチョコレートに含まれるカカオの栄養やチョコレートづくりのレシピをご紹介します。
目次
チョコレートの原料カカオ
チョコレート=カカオと連想する人が殆どだと思いますが、わたし達がチョコレートだと思っている商品の多くはカカオが入っていない物も少なくありません。
カカオは純粋なチョコレートの原材料で、カカオの木になる果実の種の部分にあたります。そのカカオがチョコレートになって口に入るまでの過程は長く、オレンジや黄色に熟した実から種を取りだし、発酵、熟成乾燥させて作られます。種の表皮が乾燥して割れると中から黒い種がみえます。それがカカオニブで、それを粉末状にしたものがカカオパウダーです。
↑熟したカカオの実
カカオの栄養
良質の生カカオには沢山の栄養、酵素が含まれています。
植物に含まれているファイトケミカル(植物や野菜などを外敵などから守る免疫、抵抗力、パワーの源)、マグネシウム、鉄分、亜鉛などの豊富なミネラル、ビタミン、繊維質、良脂質(コレステロールゼロ)、タンパク質 とまさしくスーパーフードの王様です。
カカオの原産地では”神々の食べ物”とも言われています。
生のカカオを低温でロースト、溶かしたものが生チョコレートと呼ばれるもので、生カカオの含有量が多ければ多いほど栄養化も高くなります。
カカオはチョコレートやカカオパウダーになる前の、カカオニブの状態で食べるのが一番栄養があります。
ナッツ、アボカドなどの良質の脂肪と一緒にスムージーに加えたり、プレーンヨーグルトや果物の上に振りかけたり、ビタミンCが多い果物と食べる事によって鉄分を吸収し易くなります。 チアシードやキノアなどの他のスーパーフードとも相性が良いので、アイデア次第で美味しい朝食やスナックになります。
ソースにしたい場合は、低温(42度位まで)でゆっくり溶かしてから使いましょう。
*種の表皮の中身がカカオニブです。
カカオの効果
ここで気になるカカオの効能をご紹介しましょう。
リラックス効果、筋肉や神経伝達機能の向上、血行促進、血圧を正常化、心臓病の予防、コレステロール低下、血糖値の正常化、貧血、抗炎作用、腸内環境改善、そして抗酸化作用がとても高く、カカオニブはお茶や赤ワイン、ブルーベリーを越えるとも言われています。
ファイトケミカルがハッピーホルモンにも作用して、ムードが上昇、しかも集中力も高めてくれます。少しのチョコレートでも、リラックスや幸せ感を上げてくれるのも納得ですね。
その上、繊維質も豊富なので少量でも満足感があり、便通も整える働きがあります。
カカオとココアの違い
ちなみに、カカオとココアはどう違うのでしょうか?
簡単に二つの違いを説明すると、カカオは生(もしくは低温加熱)で混合物などが入っていない純粋な状態の物を指します。
一方、ココアは高熱で加熱されているので、栄養化は随分と損なわれています。それでも抗酸化に優れ、ミネラルも含まれていますので、購入する際は砂糖などが入っていない物を選ぶと、自分で甘さや味を調節出来るので身体にも優しいかも知れません。
簡単にできるチョコレートレシピ
今年のバレインタインは心身ともにハッピーになるヘルシーチョコレートにしませんか?
最後に本物のカカオを使った、家庭でも簡単にできる3つのチョコレートレシピをご紹介します。
バンクーバーではカカオニブやカカオパウダーを購入する事は難しくありませんが、日本では以下にリンクしているサイトなどからも良質の材料が購入できます。
有機カカオパウダー
有機カカオニブ
カカオバター
有機ココナッツオイル
チョコレート型
カカオバターを使った本格派
1.大人のビーガンダークチョコレート
材料
- カカオパウダー:1カップ(砂糖が入っていないココアでも可)
- カカオバター:1&1/4カップ(細かく刻んでおく)
- ココナッツオイル:大さじ2
- ハチミツやメープルシロップ:大さじ2(好みで量を変えても可)
- バニラエッセンス:小さじ1/2
- 天然塩:少々
- 好きなトッピング(オプショナル)(例:ナッツ、ドライフルーツ、岩塩など)
1.カカオバターとココナッツオイルを中火の湯煎にかけて溶かす。
2.1の火を消してから、カカオパウダーとバニラを入れて素早くかき混ぜる。
3.冷めるまでかき混ぜる。(段々ともったりしてくる)
4.3が冷めたら、甘味料を入れてかき混ぜる。
*ここで味見をして甘さの調節をする。
5.チョコレートモールドや好みの型に入れて、冷凍庫で最低1時間以上固める。
*トッピングは冷やす寸前に型に加える。
6.型から出したら出来上がり。
カカオバターの代わりにココナッツオイルを使った
2.口溶け最高チョコ
材料
- カカオパウダー:1/2カップ
- ココナッツオイル:1/2カップ
- バニラエッセンス:小さじ 1/2
- ハチミツ:大さじ3(メープルシロップなどでも可)
- 好きなトッピング(オプショナル)(例:ナッツやドライフルーツなど)
1.ココナッツオイルを中火で湯煎にかけて溶かす。
2.1の火を消してから、カカオパウダーとバニラを入れて素早くかき混ぜる。
3.冷めるまでかき混ぜる。(段々ともったりしてくる)
4.3が冷めたら、ハチミツを入れてかき混ぜる。
*ここで味見をして甘さの調節をする。
5.チョコレートモールドや好みの型に入れて、冷凍庫で最低1時間以上固める。
*トッピングは冷やす寸前に型に加える。
6.型から出したら出来上がり。
注:ココナッツオイルを使用しているので、溶けない様に温度管理に注意してください。
更に簡単!市販のダークチョコを更に美味しく
3.即席!リメイクチョコ
材料
- 板チョコ〈ダーク70以上がお勧め):3-4枚(約200グラム)
- ココナッツオイル:大さじ3
- バニラエッセンス:小さじ1/2
- 好きなトッピング(オプショナル)(例:ナッツやドライフルーツなど)
1.板チョコとココナッツオイルを湯煎にかけて溶かす。
2.1.にバニラエッセンスを入れ、かき混ぜてから型に流し入れる。
3.好きなトッピングを加えてから、冷凍庫で最低1時間以上固める。
4.型から出したら出来上がり。
坂本由美ホリスティック栄養士
京都市出身。 カナダ、バンクーバー在住のホリスティック栄養士。 食生活だけではなく、ライフスタイル全体を捉えたアプローチをモットーにした講座やワークショップ、健康コンソリテーション、地元コミュニティのヘルシーランチメニューづくり、コラム執筆などで活動中。 腸の健康にフォーカスした「発酵食と腸の健康シリーズ」講座では、調理デモストレーションを交えて、昔ながらの知恵である発酵食の利点や第二の脳と言われる臓器の腸について、栄養学をもとにした知識を伝えている。その他にもホリスティック栄養学講座、西洋と東洋の料理のスキルを生かした無添加調味料や保存食の作り方講座も実施。 講座スケジュールやその他詳細はアメブロ「sustainablefeast」とFacebookグループページ「Fermentation & Sustainable Cooking Club」にて。 【カナディアン・スクール・オブ・ナチュラルニュートリション卒業/ホリスティック栄養士資格(R.H.N. )/植物由来食材専門シェフ資格/ローフードシェフ資格/マクロビオティックライフアドバイザー】