海外でのキャリアアップに必要な心構え(後編・就職活動)

   
  

「サニー・チャンの読むとスッキリ!心のツボ押し」第4回
文/サニー・チャン

前回に引き続き海外でキャリアアップするための心構えをお伝えさせていただきたいと思います。

今回は人事の視点から、英語で面接を受けるまでの過程で大切な5つのポイントをお伝えさせていただきたいと思います。

(ポイント1)
カバーレターは履歴書と一緒に必ず送る!

第一段階で人事が一枚の履歴書に目を通す時間は約2秒!この間に色々なことを判断していきます。特に見ているポイントは、仕事に必要なスキル、そしてあなたがどれくらいの情熱で応募してきたかということ。その情熱を伝えるのに欠かせないのが、カバーレター!北米では、履歴書と一緒にカバーレターを送ることが常識ですが、それにも関わらず、履歴書だけを送ってくる人も50%程度。だからこそ、カバーレターで他の人と差をつけることができます。

カバーレターはあらかじめ幾つか違うバージョンを用意しておき、募集事項によって、少し書き直します。人事は日頃からすざましい数の履歴書に目を通していますので、「このカバーレター、どの会社にも送っているなぁ」と感づかれてしまうと、せっかくカバーレターがとてもマイナスなイメージを与えてしまいます。

カバーレターであなたの印象をさらに良くできる方法は、Tom whom it may concern, To hiring managerではなくて、Dear Tom などのように、出来るだけ面接官の名前をリサーチして、その人の名前を書き加えること。これだけでも、あなたの情熱が伝わりやすくなり、かなりのポイントが上がります!

(ポイント2)
履歴書を送ったら、フォローアップをする

一つの応募に対して約250人程応募してくることがありますので、自らアピールすることはとても大切です。

場合によっては募集をかけて雇うまで数ヶ月かかる場合もありますが、応募した日から1〜2週間ほど待ち、会社から連絡が来なければ、フォローアップメールか電話を入れましょう。もちろんその際に電話に取り次いでもらえない可能性も大ですし、メールを出しても返事がこない場合の可能性が高いですが、あなたの履歴書に目を通してもらえる可能性はアップします。

私が人事をしている時にも、このようなフォローアップしてくれる人の履歴書には必ず目を通しました。ですが、この時にしつこくしないこともポイント。以前毎週のようにフォローアップしてくる人がいましたが、こういう場合は、しつこい&チームワークがないなど、仕事ができないようなイメージを与えてしまいいます。フォローアップは一回、2回目は人事の人にフォローアップしてもいいかどうか聞きましょう。(例:”May I follow up with you in a couple of weeks or so?” 面接のようなフォーマルな場合は “Can I….” ではなく”May I…?” を使うと丁寧な印象の英語表現となります)

また、面接をしてもらった後も、Thank you letterという形で必ずフォローアップしましょう。その際は、メールでも大丈夫ですが、カードを送るとなお効果的。もしあなたが女性の場合で、男性の面接官にカードを送る場合、女性性が強いカードを送るのは逆効果となるので、できるだけ性別を感じさせないベーシックなカードを送りましょう。

(ポイント3)
面接に行く前は会社のことをリサーチする事を忘れずに!

自分の経験がその会社のビジョンにどう貢献できるのかを考えながらリサーチし、それらを明確に伝えられるよう声に出して明確に言えるように練習しておくといいでしょう。

もし募集事項に関しておおよその経験があったとしても、幾つか経験が足りないような場合は、これからどのようにしてそれらを補える予定なのかを面接官に伝えておけるように準備しておきます。(例えば、それらに関するクラスやワークショップを取る予定など)

(ポイント4)
面接に着ていく服は、いつもの自分より一段階上を狙った服装で

北米には”Dress for Success”という言葉があります。キャリアアップを目指すなら、自分が普段仕事で着ている服装より、一歩上の仕事で着ていそうな服装で面接に行くと、「仕事ができる」印象を与えることができます

私が以前働いていたアメリカの会社で実際にあった事なのですが、2つの部署のマネージャーを2人募集しました。これらの仕事内容は全く同じで、お給料も同じ。最初の面接は私がし、候補に残った2名の男性を社長と一緒に最終面接を行いました。一人はとてもフランクな服装で、もう一人の人はビシッと背広で来られました。二人とも雇われることになったのですが、お給料を決める際、なんと、社長は背広を着てきた男性にお給料を$5,000上乗せしたのです!実際にこの二人と一緒に働いてみると、フランクな服装だった人の方が断然仕事のできたのですが・・・

このように面接での服装はキャリア(お給料)アップにおいて、大きなポイントになります!

(ポイント5)
弱点は長所に変える!

面接で必ず聞かれることは、「あなたの長所と短所を聞かせてください。」この時に、仕事に響かないような短所、そしてそれをどう補っているのかも伝える。この2点は覚えておきたい大切なポイントです!。例えば、『私の短所は仕事に没頭してしまうことがあるので、時々休憩を入れて、バランスをとるようにと自分に言い聞かせています』『私は英語が母国語でないので、英語力をあげる為、毎週英語力をあげる為に努力しています』など。

あなたの英語力を短所に伝える場合は、英語力を補える為に何ができるのかをちゃんとアピールしておきましょう。例えば、カスタマーサービスなどでしたら、接客においてあなたの接客サービスで欠かせないポイントをしっかり伝えておきましょう。(笑顔、話し方、接し方など)

さて、今日は5つのポイントを述べましたが、海外でキャリアアップに大切なこと、そして英語が得意な人やネイティブの人と同じ土俵に立てるようにするためには、しっかり下準備して、面接でよく聞かれる質問などちゃんと答えられるように練習をしておきましょう

準備の一つで大切な履歴書はプロにお願いして手直ししてもらうと、びっくりするくらいあなたの履歴書の印象が変わるので、その辺はもったいがらずにしっかりと自己投資しましょう。また、募集要項を書かれているのを見ると、『あ〜。この経験ないなぁ』と思っても、遠慮しないこと!経験がその仕事に完全にマッチしなくて、他のスキルで補うことができれば雇われるケースもとても多いので、どんどんチャレンジしてみてくださいね!

サニー・チャンカナダ公認サイコセラピスト/カナダ・ブリティッシュコロンビア州公認臨床心理カウンセラー

サニー・チャン

大阪府出身。カナダ公認サイコセラピスト、BC州公認臨床心理カウンセラー。 米国ワシントン州シアトル大学で心理学の学士号を取得。シアトルシティー大学院で経営学修士(MBA)取‬得。バンクーバーのアドラー大学院で心理カウンセリング修士課程(MCP)修了。過去10年間アメリカの企業や UBC で人事兼トレーニングマネージャーとして各部署のコミュニケーションを含め、色々‬な人間関係や仕事上での問題解決方法をコーチング。 現在は、心理カウンセリングを通し、人生をリセットするためにどんな「気づき」が今必要なのかを分かりやすく伝えている。 カウンセリングの予約はWebサイトから受付中。

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