やる気満々!でも腰が重い…あなたの心の「光と影」とは? (後編)

   
  

「サニー・チャンの読むとスッキリ!心のツボ押し」第2回
文/サニー・チャン

今回は前回に引き続き、もう少し踏み込んで「大人やる気スイッチ(光)」「コドモサバイバル・スイッチ(影)」についてお伝えしたいと思います。

「大人やる気スイッチ」とは、考えを行動に移し、ヴィジョンをしっかり形にしていける力のこと。

「コドモサバイバル・スイッチ」とは、やる気はあるものの、行動することや結果を出すことに対して、「不安」な感情でブレーキをかけてしまうこと。 

何が不安になるかは人それぞれですが、基本的には5歳くらいまでの間に、強い印象として記憶に残った出来事から感情を結びつけています。

そして、同じような出来事があると、コドモサバイバル・スイッチが脳内で無意識的にカチッと入る仕組みを作ってしまっています。大人になっても、まだこのスイッチは持っていて、スイッチがオンになると、不安感が高くなり、前に進みたくても動けないような状態を作ってしまいます。

代表的な5つのコドモサバイバル・スイッチ

1) 平等にお菓子分けて!

このコドモスイッチが入りやすい人というのは、「努力=良い結果」という方程式があります。そのため、努力した分と同じだけの元が取れないと分かると、やる気が無くなります。公平でないと感じると、被害者意識が生まれ、イライラし相手を攻めやすい態度にも出やすくなります。

スイッチを切るためのポイント:世の中は、勉強すれば大学に受かる、いい大学に行けばいい会社に入れる、努力すれば、昇進するという1+1=2でないことがあることを理解し、努力したのは自分の成長の為という視点に少しづつ変えていきましょう。

2) ママ、見て見て!

このスイッチの入りやすい人というのは、目立つ行動をする、不平不満や陰口を言う、病気になるなど、人からのマイナスの注目でさえも、それらを得ることで安心を得ようとする傾向があります。

スイッチを切るためのポイント:注目を得るためにかかっている本当のコストがどれくらいになるのかを改めて認識してみましょう(例:健康、人間関係など)。そこからどうすれば自分や周りの人のプラスになるようなことができるのかを考えてみましょう。

3) 怒られるのが怖い…

このスイッチの入りやすい人は、白黒の考えで物事を見るような癖があり、ネガティブなフィードバックにとても敏感です。いい結果を出さなければ、受け入れてもらえないという危機感もあり、できないと感じてしまうと、頭が真っ白になり、フリーズする傾向があります。また、トライしてみることを諦めようとしたり、妄想しがちになったりすることもよくあります。

スイッチを切るためのポイント:常日頃、白黒で物事を分ける極端な考え方になっていないか内観してみましょう。または、結果より経過にフォーカスをシフトしてみましょう。

4)かくれんぼ・誰か早く見つけて!

このスイッチの入りやすい人は、苦手がことがあると、隠れよう、逃げようという感覚になりがちです。また、人から注目されることや自分を表現することを苦手とします。寂しがりやな所もあるのですが、人から声をかけてくれことをどこかでずっと期待しています。

スイッチを切るためのポイント:かくれんぼ上手を利用して、日記をつけたり、アートを楽しんだりして、表現方法を工夫してみましょう。また、表現することが苦手なところがあるので、話すということより、聞き上手になれるための工夫をしてみましょう。

5)もっと抱っこして!

このスイッチが入りやすい人は、重要な決断は誰かに決めて欲しい、ずっと誰かに頼っていたいし、できるなら責任のあることから逃れたいなど、他人にパワーを委ねがちになってしまいます。甘え上手や恋愛上手になるか、言いたいことを言わないか、に分かれる傾向があります。その結果、どんどん自分が誰なのか、何をしたいのかが分からなくなってしまいます。

スイッチを切るためのポイント:親離れするというのは、怖いかもしれません。大人になるとは、自立していくだけでなく、全てのことに関して自己責任を持つということでもあります。また、自分でできる楽しみや喜びをもっと感じてみましょう。

コドモサバイバル・スイッチはみんな持っている!

コドモサバイバル・スイッチはみんなが持っていて、不安になると自動的にオンになります。こうしたコドモサバイバル・スイッチによるブレーキを踏む力は、あなたを守ろうとすると同時に、前に行くのをふさぎ止めてしまいます。ですが、年齢や経験を重ねていくうちに、このブレーキの緩め方が分かるようになってきます。

ですが、もし長い間ずっとスイッチがオンになっているようであれば、ブレーキの緩め方がわからず、不安な状態がずっと続いていることがあるかもしれません。そういった場合は、うつ・心配性などの症状になっている可能性もあるので、早めにカウンセリングなどを受けてみてくださいね。

サニー・チャンカナダ公認サイコセラピスト/カナダ・ブリティッシュコロンビア州公認臨床心理カウンセラー

サニー・チャン

大阪府出身。カナダ公認サイコセラピスト、BC州公認臨床心理カウンセラー。 米国ワシントン州シアトル大学で心理学の学士号を取得。シアトルシティー大学院で経営学修士(MBA)取‬得。バンクーバーのアドラー大学院で心理カウンセリング修士課程(MCP)修了。過去10年間アメリカの企業や UBC で人事兼トレーニングマネージャーとして各部署のコミュニケーションを含め、色々‬な人間関係や仕事上での問題解決方法をコーチング。 現在は、心理カウンセリングを通し、人生をリセットするためにどんな「気づき」が今必要なのかを分かりやすく伝えている。 カウンセリングの予約はWebサイトから受付中。

このコラムニストが書いた記事一覧はこちら

Topへ