BC州一般従業員組合のストライキで全てのBC Liqour閉店。レストランでも酒不足

   
  

約9万人以上の組合員が所属しているBC州一般従業員組合 (BCGEU)は、州政府との賃金や労働条件交渉で決着がついていません。そのため、2025年8月29日に72時間ストライキの通告を出し、現在組合員のストライキを拡大中。州全体に影響が出始めています。

このストライキには、Service B.C. や BC Liquorなどの従業員も含まれていて、ストライキに参加している組合員数は2万人以上に上ります。

この記事では、このストライキについてお伝えします。

BC州一般従業員組合 (BCGEU)とは?

BCGEUはBC州で最大級の労働組合のひとつで、特定の業種に限らず幅広い職場で働く人たちをカバーしているのが特徴です。(社会サービス、教育・保育、医療、インフラなど。カジノやBC Liquor Stores、BC Cannabis Storesの職員なども含まれる)

2025年10月9日(木)時点で、組合員約2万5,000人がピケラインと残業禁止を掲げたストを実施しており、全面ストライキの対象となっている省庁およびサービス機関の総数は20となっています。(ストライキ中の職場の全リストはこちらで確認できます。)

(10月9日時点)

  • B.C. Pension Corporation
  • Citizens’ Services (including Service BC)
  • Commercial Vehicle Safety and Enforcement (CVSE)
  • Education and Child Care
  • Employment Standards Branch
  • Energy and Climate Solutions
  • Finance
  • Forest Practices Board
  • Housing and Municipal Affairs
  • Indigenous Relations & Reconciliation
  • Infrastructure
  • Jobs and Economic Growth
  • Liquor Distribution Branch (including all BC Liquor and BC Cannabis stores, the LDB warehouses and headquarters)
  • Mining and Critical Minerals
  • Office of the Premier
  • Post-Secondary Education and Future Skills
  • Royal B.C. Museum
  • Tourism, Arts, Culture and Sport
  • Water, Land and Resource Stewardship

BCGEUは州政府に対し、テレワークへの公平なアクセスや労働をより公平に評価する分類システムを導入した近代化された契約、賃金引上げなどを求めており、公正かつ敬意ある提案をもって交渉のテーブルに戻るよう圧力を強めています。

 

BC Liquorが全店舗閉店に

ストライキが始まり、BCLIQUORの一部店舗は先日から休業に入っていましたが、10月8日(水)にストライキが再び激化したため、BC Liquor全店舗が閉店しました。BC Liquorのウェブサイトには以下のように記されています。

(意訳)BC州一般従業員組合(BCGEU)によるストライキのため、BCLIQUOR全店舗は、一時的にお客様へのサービス提供およびホスピタリティ業界のお客様からのご注文の処理を停止しております。

ご不便をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。状況が分かり次第、随時お知らせいたします。

ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。できるだけ早くサービスを再開いたします。

参照:https://www.bcliquorstores.com/announcement/important-notice-to-customers

アルコール供給が止まり、レストランやバーなどに影響

また、レストランやバーへのアルコール供給の大部分は、政府の配給システムによって合法的に賄われているため、現在酒類供給が滞り、多くのレストランやバーではアルコール不足が生じています。(州直営のところからしかお酒を仕入れることができない)

お酒を販売できなくなる = 売り上げが減少するということで、Restaurants Canadaによると、州のレストランの41%が現在「赤字か、かろうじて収支トントンで運営している」という状態とのことで、Restaurants Canadaは州に対し、バーやレストランが民間店舗から仕入れることを承認するよう求めています。

ちなみに個人経営の酒屋は開いていますが、同じくストライキを行っている州政府の物流倉庫から直接仕入れているため、ストライキが続く場合、今後閉店する可能性があります。

酒不足は昨今のカナダ産のものを買うムーブメントと関税問題によって、多くのレストランが米国産酒類の在庫を売り切っていることが、この状況をさらに悪化させているようです。

 

ストライキにより、今後も公共サービスに大きな影響が及ぶことが予想されます

BCGEUの組合員は、政府の秋季会期初日である10月6日(月)、ブリティッシュコロンビア州議会前で集会を開いていました。組合側は労働者が生活費の高騰とインフレに対処できるよう支援する合意を望んでいるものの、それが唯一の目標ではないと語っています。

組合長のPaul Finch氏は声明で「ピケが地域社会に与えた影響を遺憾に思う」「組合員はストライキの激化を軽視していないものの、州を交渉の場に戻すには組合には他に選択肢がない」「私たちは話し合いの準備ができている。これまでも準備してきた。ボールは彼らのコートにある」「我々の提案は妥当なものだと確信しています」と述べています。

ちなみに、州運営の大麻(マリファナ)販売店も同じくすべて閉店しています。レストランやバー経営者の方はもちろん、普段の生活でもお酒が買える機会が限られ、今回のストライキの影響を強く受けている方もいると思います。

BCGEUは、法律で義務付けられている範囲で引き続き重要なサービスレベルを維持していますが、政府が公正な取引を遅らせ続ける場合、さらなるエスカレーションが発生する可能性があることを政府と国民に警告しています。

Topへ