「早く日本からカナダに行きたいけど、PCR検査やホテル検疫など手間と費用が大きすぎて様子を見ている」「検疫が早く終わるといいんだけど・・・」という方も多いのではないでしょうか?
振り返ると今年の2月22日から連邦政府は空港で新しい検疫措置を実施し、多くの航空旅行者にPCR検査の結果を待つ間、連邦政府が義務付けた施設で最大72時間の検疫を義務付けています。
(過去記事)カナダ渡航時に自費で滞在が求められる政府公認の指定ホテル一覧が発表。予約方法や滞在中に必要なことまとめ
そんな中、連邦政府のCOVID-19 Testing and Screening Expert Advisory Panel(この記事では「COVID-19テストとスクリーニングの専門家諮問(しもん)委員会」と訳しています)が指定ホテルでの検疫の廃止や14日間の検疫期間短縮などを政府に推奨しているので、今回はその内容を紹介します。
目次
COVID-19 Testing and Screening Expert Advisory Panelが今後指定ホテルでの検疫の廃止、14日間の検疫期間の短縮などを推奨。報告書の内容は?
※5月28日時点では推奨されているだけで、まだ決まっていません
連邦政府のCOVID-19テストとスクリーニングの専門家諮問委員会は、カナダの国境制限の有効性に関する新しい報告書を先日5月27日に発表しました。これは疫学、ウイルス学および高度なデータ分析の専門家で構成される独立した諮問委員会による数か月のレビューの後に作成されたもので、幅広い一連のデータと科学に基づく推奨事項が記されています。
その報告書の中で、諮問委員会は「連邦政府は、カナダに入国する航空旅行者のために指定された施設での3日間の強制的な検疫滞在の方針を止めて、人々が独自の検疫計画を考え出すようにするべきである」と記しています。
報告書には、以下のような推奨事項が含まれています。
・一部ワクチン接種済みまたはワクチン未接種の旅行者のためのホテル検疫の廃止
・14日間の検疫期間を7日間への短縮
・迅速な抗原検査の効果的な使用
Advisory panel report calls on Ottawa to end quarantine hotels for air travellers. Measures aimed at travellers from specific countries are unlikely to stop variants of concern, report says. https://t.co/utAZ0x8ehF
— CBC News Alerts (@CBCAlerts) May 27, 2021
報告書によると、強制的な3日間の検疫規則にはいくつかの理由で欠陥があり、その中でも、カナダ人が指定された検疫施設に行くのではなく最大3,000ドルの罰金を支払うことを選択しているという事実は隔離の予防措置に従っていない可能性があるとしています。
また、ホテルの検疫プログラムは政府と旅行者両方にとって費用がかかるもので、政府が認可した施設での検疫を義務付ける規則は飛行機での旅行者にのみ適用されるため、一部のカナダ人はカナダの国境地点に近い米国の空港に飛び、陸路で帰国することを選択している事実にも触れられています。
さらに報告書は、免除旅行者であるかどうか、ワクチン接種を受けているかどうかで、以下5つのグループに分けて対応を変えることが示唆されています。
自発的にPCR検査を受けること、国境地点から離れた場所でPCR検査を受けるべき
2.「ワクチン接種を受けていない非免除旅行者(Non-exempt travellers)」
搭乗前72時間以内にPCR検査を受け、カナダ到着時に再度PCR検査を受ける必要がある
検疫の7日目にPCR検査の結果が陰性だった人は検疫を終了、そうでない人は14日間の検疫を完了する必要がある
3.「2回接種のワクチンを 1回は接種している非免除旅行者」
到着時に PCR 検査で陰性と判定された場合は、検疫を終了
陽性の場合は、公衆衛生のガイダンスにしたがって隔離
4.「2回予防接種を受けている非免除旅行者」
出発前にPCR検査を受ける必要なし、自己隔離なし、7日目のPCR検査を受ける必要なし
5.「Covid-19から回復したことが証明できる非免除旅行者」
(旅行日の14日以上180日未満前)
到着時に PCR 検査で陰性と判定された場合は、検疫を終了
陽性の場合は、公衆衛生のガイダンスにしたがって隔離
※同内容はこちらのExecutive summaryで確認できます
Our latest release👇in response to today’s announcement by @jkenney of Alberta's #OpenForSummer re-start plan✈️#cdnpolihttps://t.co/KriIcogz66
— NACC-CNLA (@NACC_CNLA) May 26, 2021
この報告書に応えて、カナダ最大の航空会社 (Air Canada, Air Transat, Jazz Aviation and WestJet)を代表するカナダ国立航空協議会(National Airlines Council of Canada)の会長兼最高経営責任者であるマイク・マクナニー氏は、これらの推奨事項を強く支持する声明を発表しました。
マイク・マクナニー氏は声明の中で「カナダのあらゆる地域で、旅行と観光で生計を立てている数十万人のカナダ人を代表して行動を起こさなければなりません。」と語っています。
今後どうなる?カナダ政府は引き続き、入手可能なすべてのデータと科学的証拠を監視およびレビューする予定
ということで、まだ実際に上記の内容で決定されているわけではないので、注意してください。
カナダ政府は今回の報告書に関して、以下のように答えています。
カナダ政府は、ワクチン接種状況に対処するために検査と検疫戦略をどのように発展させるべきかを決定するために、委員会の勧告も考慮します。報告を歓迎し、メンバーの重要な作業に感謝します。
またジャスティン・トルドー首相は、検疫ホテルを廃止する時が来たかどうかを先日尋ねられた際、「検疫ホテルを止める必要があるときは、それは科学者、医師、疫学者の最善のアドバイスに基づくでしょう。私たちはそのときを皆楽しみにしていますが、まだ本質的でない旅行をするタイミングではありません。」とコメントしています。
報告書はまた、連邦政府に対し、到着時と旅行前に旅行者の検疫計画を承認するためのシステムを開発するよう求めています。
最後になりますが、バンクーバー国際空港のSNSアカウントでは、「これは前向きな一歩です。 お客様を安全にお迎えし、自信を持ってご旅行いただけるよう、パートナーと協力できることを楽しみにしています。」と記していました。
期待しましょう。