自営業や、セルフ・エンプロイドでも家は買える?住宅ローン審査で知っておくべきポイント!

   
  

「フレッド吉村の寝ても覚めてもバンクーバー不動産」第6回
文/フレッド吉村

自営業者や、カナダでは比較的多い個人事業主(Self Employed)という業態で働いている方は、一般のサラリー(月給制)で給与を得ている人とは住宅ローン審査が異なります。このような自営業者は、毎年のタックスリターン(確定申告)の際に経費控除や、法人税と所得税の配分調整によって大きなタックスベネフィットを得られる一方、いざ住宅購入など大きなローンを申し込む際には、不利になる場合もあります。そこで今回はこれら自営業者の方の住宅ローンについてご説明します。

ポイント:カナダでの住宅ローン審査は日本の不動産融資に比べて格段に厳しく、思っているよりも借入限度額が低い場合が多い。

そもそもセルフ・エンプロイドとは?

メトロバンクーバーでは約15%の人達がセルフ・エンプロイドという形態で仕事をしています。日本ではあまり聞きなれない言葉ですが、金融機関は何をもって個人事業主(セルフ・エンプロイド)と判断するのでしょうか?

個人で事業を営み、個人事業主(Sole proprietor)もしくは、パートナーと会社設立(incorporation)している
*所得の25%以上を個人事業から得ている。
*複数の雇用主から短期契約にて仕事を請け負っている。
*100%の収入をセールス・コミッションで得ている。

主に上記のような条件がセルフ・エンプロイドと判断されますが、
定期的に雇用主からサラリーを受け取っている場合や、パートタイムで複数の雇用主がいる場合は”Salaried Employee”と見なされ、セルフ・エンプロイドには該当しません。

サラリーとの審査方法の違いは?

頭金の金額や%、収入による返済能力(世帯収入)など、基本的にはサラリーでも個人事業主の場合でも審査方法は同じと言えますが、所得審査において、サラリーの場合は税引き前のグロス・インカムの証明が必要(T4や雇用証明書)なのに対し、個人事業主の場合には経費などを差し引いたネットインカムの証明が必要となります。

従って同じ$100,000ドルの所得があったとしても、個人事業主で$30,000ドルを経費控除している場合には、ネットインカム$70,000ドルとして審査されますので、サラリーの人に比べて所得が低くなる訳です。

ローン審査に必要な書類は?

クレジットレーティングを下げない為にも、毎月のローンの支払いなどは期限内に行いましょう。審査に際しては一般的に以下の書類が過去2年分必要となります。(例外もございますのでご了承ください)

*月々のバンク・ステートメント
*コーポレート・タックスリターン(T2)
*ビジネスのバランスシート
*プロフィット&ロス・ステートメント
*ビジネス用のクレジットカードの明細
*金融機関からのクレジット照会(リファレンス)

新ルールの導入により、多少のビジネスインカムも加味されるようになりました。

ここ数年厳格に審査されていた自営業者ですが、CMHCの新ルール適用により、確定申告書(Nortice of Asseesment)に T1 General, Statement of business activities (T2125) などのサポート書類を添付することによって、ある程度収入を割り増して審査することが可能となりました。過去2年の収入の平均をローン審査に適用します。但し、頭金(ダウンペイメント)は依然として最低20%以上が要求されます。

まとめ

収入の不安定さや、頭金20%以上の用意、などを考えると、まだまだ厳しい審査ですが、普段からこれらの必要書類をまとめてファイリングしておき、審査段階ですぐに提出できるようにしておくと良いでしょう。普段お使いの銀行にご相談頂く方法以外にも、住宅ローンを専門に扱う、モーゲージ・スペシャリストに相談するのも得策です。業種や業態に応じて銀行以外の信用金庫などから、お客様に適したローンをアレンジしてくれますし、費用も金融機関持ちとなりますので、借入側には特に費用は発生しません。 実際の借り入れ金利%は個々の支払い能力に応じて異なりますので、詳しくは専門家にご相談ください。

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