心の病のサインかも?!「○○しすぎ」をチェックしてみよう

   
  

「サニー・チャンの読むとスッキリ!心のツボ押し」第9回
文/サニー・チャン

誰でも悩んだり落ち込んだりするものですし、心の整理をつけるのに時間がかかることだってあります。

だからこそ、『これって誰にでもあることがじゃないの?』と、心の病を発症していてもなかなかそれに気づかず、もうそれが自分の性格だと思われている方も多いようです。

だとすると、どのように健康的な悩み方か、心の病を抱えている悩み方かを見分けられるのでしょうか?

その違いを分かりやすく言うと、心の病をすでに発症している可能性の高い人は、

問題となるような行動パターンを、半年、一年、または数年から何十年も引きずっていることが見られます。

※心の病の代表としては、うつ病、心配性、愛着障害、強迫性障害、適応障害、依存症、睡眠障害、PTSD(トラウマ)、統合失調症などがあります。

今回は、心の病を発症していないか、チェックするためのヒントをシェアしたいと思います。

心の病の発症のサイン『〇〇しすぎ』に注意

なにかをやりすぎる傾向は、心の病の発症サインのひとつ。『〇〇しすぎ』という極端な行動傾向を長く引きずっていないか、確認してみましょう。

人を信用しなさすぎる

人を過剰に疑ったり、信用しなかったりするのも注意が必要です。
例えば、子どもの頃にいじめられた、親に厳しくされたり殴られて育った(トラウマ)ことが原因で、大人になった今でも人を信用できなかったり、過去にパートナーに浮気された経験で、今のパートナーの携帯をチェックしたり、どこに行っていたかを確認しないと安心できない、という場合もよくあります。

こうした人を信用しない傾向を長年引きずっていることが原因で、人間関係に問題が繰り返し生じている場合は、障害が発症しているにかかわらず、本人が気付いていない可能性があります。

『〇〇しすぎ』が習慣になっている

『気にしすぎじゃない?』『考えすぎじゃない?』『心配しすぎじゃない?』『過剰反応しすぎじゃない?』『自分のことばかり話しすぎじゃない?』『空気が読めなさすぎじゃない?』『思いやりがなさすぎるんじゃない?』『寝すぎじゃない?』『食べ過ぎなんじゃない?』などなど、もし家族や友人などに、こんな風に何度か注意されたらちょっと気をつける必要があるかもしれません。

何度それらを指摘されても「〇〇しすぎ」をコントロールできない時は、感情にハイジャックされていて、ストレスを上手く消化できなくなっています。これがしばらく続くと、ストレスを抱えきれず、心の病を発症してしまう可能性があります。

また、実は誰にでもよくある「食べ過ぎ」な行動ですが、実はうつ病の症状の一つである場合もあります。

すべての「○○しすぎ」が心の病につながっているわけではありませんが、極端な行動が長く続く習慣になっている場合は、様々な心の病の症状である事もあるので、自分の行動を気にして観察してみてください。

他にも以下のような、極端な考え方や行動、悩みの傾向が長年続いていたら、心の病を発症しやすい、またはすでに発症している可能性もあります。

人間関係の障害:
人間関係が上手くいかないことに長年悩んでいる
恋愛も含めて同じような人間関係にいつも巻き込まれてしまう
人や職場を何度変えても、人の輪の中に入っていけない

感情・性格的障害
あるパーソナリティー(怒り、自意識過剰、心配性、潔癖、こだわった考え方など)が原因で問題を起こしやすい
人、アルコール、薬物、ショッピング、セックスなどに依存している
自分のやりたいことが分からない
一人で決断ができない
いい子をずっと演じている
ヤキモチの焼き方が半端でない
自分の感じていることを上手くキャッチできず、気持ちがコロコロ変わる
自分を大切にしすぎて、人を傷つけてしまう
人を大切にしすぎて、自分を傷つけてしまう
人生が修行だと思っている
悩んでいたかと思えば、急に人が変わったようにハイテンションになる

心の病は、自己形成が未達が要因も

心の病は遺伝性のものもありますが、育った家庭環境も大きく影響しています。

例えば、親が心配性、過干渉、厳しすぎた場合など、親の影響が強すぎると、自己がうまく形成されず、自分よりも周りにパワーがあるように感じてしまいます。

そのため、自分より強いエネルギーの人に出会うと争おうとしてしまったり、逆に自分を包み込むような人や優しい人に出会うと、その人任せにしたり執着したりしやすくなります。

自己形成が上手く発達していないと、自分の正当性や相手の過失を主張する「パワーストラグル(主張・権力争い)」に陥ち入る人間関係を作る傾向にあります。そうすると「私を守ってくれるのは誰だろう」「私の居場所はどこだろう」「あの人ともどうせ長く続かないだろう」という思考パターンや、「あの人が悪いのだ」という被害者意識を育ててしまいます。

このようにして、ある考え方、感じ方、そして行動パターンにより、徐々に心の病が起こる脳のループが出来上がっていきます。そして、大きなストレスをきっかけに障害が発症してしまい、まるで糸が切れた凧のように、自分が自分でなくなったような気持ちになってしまいます。

上記のような症状を感じている人は、気持ちが苦しいのに慣れるという癖ができているかもしれません

気持ちが苦しいのは、息ができないのと同じような感じ。

そして、思考や行動がパターン化しているがゆえ、症状ではなく自分と同化していると感じている場合が多いようです。

あなたはこれらの思考や行動パターンから何を得、何を失っているでしょうか?

治療しないでいると、友達を失う、仕事のチャンスを失う、最愛のパートナーを失う、そして、自分自身を見失うという最大のロスを招いてしまいます

あなたは沢山の愛を受けて、友人や家族と楽しく過ごし、人生を最大に生きる価値と権利があります。

それを信じて、どこに自分の幸せや価値を見出せるかを見極めてくださいね。

サニー・チャンカナダ公認サイコセラピスト/カナダ・ブリティッシュコロンビア州公認臨床心理カウンセラー

サニー・チャン

大阪府出身。カナダ公認サイコセラピスト、BC州公認臨床心理カウンセラー。 米国ワシントン州シアトル大学で心理学の学士号を取得。シアトルシティー大学院で経営学修士(MBA)取‬得。バンクーバーのアドラー大学院で心理カウンセリング修士課程(MCP)修了。過去10年間アメリカの企業や UBC で人事兼トレーニングマネージャーとして各部署のコミュニケーションを含め、色々‬な人間関係や仕事上での問題解決方法をコーチング。 現在は、心理カウンセリングを通し、人生をリセットするためにどんな「気づき」が今必要なのかを分かりやすく伝えている。 カウンセリングの予約はWebサイトから受付中。

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