皆さん、LifeVancouverで2013年にインタビューした藤井 奈央子さん(以下Naokoさん)を覚えているでしょうか?
(2013年の記事)バンクーバーの「ヒト」に注目!第6回目、保育士・藤井 奈央子さん
2013年当時、ブログで保育について発信していたNaokoさんですが、現在はさらに進化した海外保育士のための留学情報サイト「ホイクペディア」を運営!保育士専門の留学・就職支援も行っていて、2023年現在も数多くのカナダで保育士を目指す方々の夢を叶えるお手伝いをしています。
今回はそんなカナダの保育のプロといえる Naokoさんへ約10年ぶりにインタビューをしてきたので、その内容をまとめてお届けします。ホイクペディアの特徴や、約10年前と現在のカナダの保育事情の違いなど、ぜひ確認してみてください。
目次
- Q1. まずはじめに自己紹介をお願いします。
- Q2. ホイクペディアサービス誕生のきっかけは何ですか?
- Q3. ホイクペディアのサービスや特徴について教えてください。
- Q4. 10年前にも幼児教育に関してインタビューさせていただきましたが、カナダの保育事情は変わってきているのでしょうか?
- Q5. どんな人がホイクペディアのサービスを利用しているのでしょうか?
- Q6. 実際どのくらいの人がカナダで免許書き換えに成功しているのでしょうか?
- Q7. 保育士免許書き換えの話が出ましたが、カナダで免許を書き換えた後の流れを教えてください。
- Q8. Co-opの話が出ましたが、「保育Co-opプログラム」についても教えてください。
- Q9. 最後に、ホイクペディアに興味があるLifeVancouver読者の方にメッセージをお願いします。
- ホイクペディア お問い合わせフォーム
Q1. まずはじめに自己紹介をお願いします。
(Naokoさんは過去のホイクペディアのYouTubeにも出演しています)
昔から留学に対する想いがあったのですが、両親に「大学を卒業するまで留学は待て」と言われていたので、大学を卒業後、地元の福岡からカナダに来ました。
日本での大学の専攻は外国語で、元々はアメリカ留学を希望していました。ただ、カナダの方が治安やイメージが良かったのと、カナダに保育士の資格をとるために行きたい学校があったので、最終的にカナダを選びました。
その後、バンクーバーのプライベートカレッジで Early Childhood Education(ECE) を勉強して保育士資格を取得。そのまま現地のデイケアに就職して、合計で約8年間保育士として働きました。縁もあって、ビザのサポートから永住権取得に繋がりました。
(ご主人のYuyaさんはCOSカナダ留学サポートデスクの代表です)
出産をきっかけに退職したのですが、現在は2児を育てながら、ブログやSNS更新などホイクペディアの運営に携わっています。
また、カナダ・日本の保育の違いをテーマに日本の大学で講演をさせていただいたり、海外で活躍されている日本人保育者の方と連名での論文に携わらせていただく機会などもいただくようになりました。
留学当初は「海外で勉強した保育の知識を日本で実践したい」という将来像を描いていましたが、想像とは違う形で今でもカナダで保育と関わっています。
▼時系列でみるNaokoさんのプロフィール
2005年 | カナダ渡航 |
2006年 | 現地のカレッジで資格取得 |
2007~2013年 | 保育士として勤務 |
2014年 | 長女出産 退職 |
2018年 | 次女出産 |
Q2. ホイクペディアサービス誕生のきっかけは何ですか?
ホイクペディアの誕生は2014年ですね。そもそもの始まりは、私自身が保育のカレッジ生のときで、まだSNSも今より発展していない頃でした。
カナダで保育士になるための課題をこなす際にインターネットで情報収集をしていたのですが、なかなかいい情報が見つからなかったんです。そこで、自身で学んだことの記録も兼ねて2008年頃にアメブロで「海外で保育士naoのブログ」をスタートしました。これがホイクペディアの前身となります。
また、mixi のコミュニティで発信しながら、保育に関する情報を少しずつ溜めていました。(実はその頃から YouTube もやっていました!)
英語で【Nana】は【おばあちゃん】という意味
小さい子供がよく使う単語はじめて聞いたときは友達の名前かなと思ったよ・・・
【Papa】は【おじいちゃん】に使われたりもするし
呼び方が色々あって面白い💡この幼児英語集は永久保存版!https://t.co/x3uKdfHMDY
— ホイクペディア-海外保育- (@hoikupedia) February 7, 2023
そうしていると、「海外で保育士の仕事をしたいんですが、相談にのってもらえませんか?」といったお問い合わせを次第にいただくようになりました。
でも、もう一方で「自分が掲載している情報が本当に正しいのかな?」など、一個人の情報発信に限界を感じていた頃でもあったんです。
その後2014年に、出産に際し勤めていたデイケアも退園しないといけなかったので、これを機に「情報発信とカナダで保育士になりたい人のサポートをもっとしたい」と思い、主人に相談して私を含め複数人で運営する海外保育のための留学情報サイト「ホイクペディア」が誕生しました。
具体的に言うと「日本人の保育士さんが寄稿できるプラットフォーム」というイメージで、カナダで保育士を目指している方にも記事を書いてもらったんです。なので、私も一人の寄稿者という立場で、カナダのリアルな保育事情を伝えてきました。
また、ホイクペディアが誕生した頃、情報発信だけでなく「保育士専門の留学サポート」も本格的に始めました。当初から週2~3件のお問い合わせが来ていましたね。
今はカナダで保育に関するニュースを掲載したり、ウェブサイトだけでなくSNSにも力を入れています。「ホイクペディアをまだ見たことがない」という方は、ぜひチェックしてみてください!
▼時系列でみるホイクペディア誕生と保育士専門の留学支援の流れ
2008年 | ホイクペディアの前身となる「海外で保育士naoのブログ」開始 |
2014年 | 「ホイクペディア」運営開始 保育士専門の留学支援スタート |
2017年 | 保育士資格書き換えサポート開始 |
2019年 | 移民コンサルティング事業 保育士就職サポート事業開始 |
2023年 | 日本での就職支援事業開始 |
Q3. ホイクペディアのサービスや特徴について教えてください。
ホイクペディアのミッションは、「より多くの日本人保育士がカナダで働けるための環境を整えること」です。
留学エージェント、就職エージェント、ビザエージェントという領域でサポートをさせていただいていますが、資格が伴う専門職での海外就職は、ただ学校を販売すれば良いというわけでなく、ビザや保育士資格に関する法律の知識、業界とのコネクションなどが必要となります。
私たちは保育を専門に扱うことで、責任をもった情報の提供とサポートを徹底しています。
- 留学支援サポート
- 就職支援(カナダ国内の保育士の求人を紹介、面接の練習など)
- 日本の保育士資格をカナダのものに書き換えるサポート
- 仕事が決まった際のビザの代理申請
ホイクペディアは13年間、保育士の為の留学、保育士としての現地就職、保育士に最適な就労ビザ/永住権のコンサルを専門に行ってきました。書き換え、保育系コープ留学、就職サポート、行政の保育に対する動向。カナダで保育士を目指す方、保育士を通じてカナダ移住を考えている方、ぜひご相談ください
— ホイクペディア-海外保育- (@hoikupedia) February 16, 2023
上記に加えてホームステイ、空港送迎、オリエンテーションも行っています。その他にも、保育園ボランティアの手配だったり、日本の保育園の視察ツアーをパッケージで組むこともあります。
もう一方で、カナダ留学が終わり日本へ帰るという方に向けて、帰国後の就職斡旋のサポートも行っています。留学前だけでなく、留学後も皆さんの目標を叶えるためのお手伝いができればと考えています。
Q4. 10年前にも幼児教育に関してインタビューさせていただきましたが、カナダの保育事情は変わってきているのでしょうか?
変わってきていると思います。
まず、カナダで暮らす外国人が10年前より増えてきていることが挙げられます。そのため、最近は外国人の保育士がさらに増えている状況です。(カナダの積極的な移民政策のため、保育士に限らず今後も移民の数が増えることが予測されています)
そして、BC州は現在深刻なチャイルドケアワーカー不足の状態です。そのため、たくさんの保育士にカナダの永住権を取ってもらうための施策を打っています。
言い換えれば、カナダ永住権を目指している人にとって、保育士という仕事は大きなチャンスなんです。
カナダで保育士を目指す人に朗報!これから保育士需要が高まる3つの理由 https://t.co/EfawX81GIM
— ホイクペディア-海外保育- (@hoikupedia) September 30, 2021
また、待遇面でも昔より保育士の給与が上がってきている状況です。例えば、保育の経験無しでも時給25程度で始まり、スーパーバイザーになったら時給35ドルくらいもらえるケースもあります。
保育士になりたい人は無償に近い形で授業を受けられたりもするので、金銭面にも保育士はメリットが大きいと言えるかと思います。
Q5. どんな人がホイクペディアのサービスを利用しているのでしょうか?
永住権がほぼ確実?!保育士に大きく関わるビザのルール変更が発表 https://t.co/BmcuVpZZ9x
— ホイクペディア-海外保育- (@hoikupedia) April 6, 2022
一番多い層は、20代後半の日本の保育士さんですね。「カナダが好きで永住したいから、保育士に興味がある」というカナダに暮らすことを主な目的にした人も多いです。
また、「アメリカやオーストラリアで留学してみたけど、保育士でも永住権のハードルがとても高いことに気付いた。だから、移民を積極的に受け入れていて、保育士の永住権取得を優遇しているカナダで保育士の道を選びたい」という方もいらっしゃいます。
実は日本の保育士の免許書き換えは、カナダ以外の国だと難しい面もあるので、カナダを移住先に考えている方も多い印象です。(※免許書き換えのために、IELTSのスコアが7.5以上必要だったりします)
Q6. 実際どのくらいの人がカナダで免許書き換えに成功しているのでしょうか?
【日本の保育士免許をカナダ用に書き換え!】カナダで保育士として働くために知っておきたいこと
日本は幼稚園と保育園がありますが、幼稚園の免許しか持っていない人は免許が書き換えできない可能性があったりと、免許書き換えの可能性は個人の経歴や状況によって異なります。
そのためホイクペディアでは最初に事前査定を行っていて、その査定に通った方の99%は免許書き換えに成功しています。年間約80名の方の免許書き換えを行っているので、お任せください。
また、代金をいただいたにもかかわらず免許書き換えが失敗した場合は、全額返金しているので、安心してホイクペディアのサービスを利用していただけるかと思います。
(ホイクペディアの保育士資格の書き換え申請サポートページはこちら⇒)
Q7. 保育士免許書き換えの話が出ましたが、カナダで免許を書き換えた後の流れを教えてください。
(ホイクペディアの公開ウェブセミナー「〜保育士としてカナダで就職するため〜」をまとめた動画です)
カナダで保育士として就職するには、「免許」と「英語」と「ビザ」という3点が必要です。
日本の保育士免許を持っている方の場合、カナダの免許に書き換えた後は英語レベルを高めたり、今後どのようにビザを取得するか計画を立てます。最初から英語レベルが高かったり、ワーホリがあればさらにチャンスが広がります。
ワーホリを使えない方は、Co-opを使ってカナダ現地の保育園で働いていてワークビザのチャンスを狙う方法もあります。(良いか悪いのかは一旦置いておいて)カナダでは保育士が不足している現状のため、英語があまりできなくても就職が決まる場合もあります。
実際、現地の保育園でCo-opをしている間に認められて、ワークビザがオファーされることは多々あります。未経験の場合でも、Co-opでのビザオファーは9割を超えている印象です。保育士の就労ビザが下りなかったという話は、ほとんど聞きません。
また、永住権取得のための手段であるエクスプレスエントリー(Express Entry)は Co-op のステータスはカウントしないのですが、BCPNPはCo-opの経歴もカウントできるので、保育Co-opで永住権への道が近くなります。
Q8. Co-opの話が出ましたが、「保育Co-opプログラム」についても教えてください。
ホイクペディアでは、Pacific Link College のチャイルドケアコープ(Co-op)プログラムを紹介しています。
このプログラムは、主には免許書き換えができる人向けです。免許を持っている人がカナダでの経験を積むために参加することが多いです。
また、保育士アシスタントの資格が取れるので、低予算で保育の道にチャレンジしたいという方にもオススメです。
永住権のチャンスも!バンクーバーの保育Co-opプログラム(有給インターン)の魅力5
どんな魅力があるかというと、「完全オンライン」で受講可能の7ヶ月の授業後、5カ月間のCo-opをすることができます。授業は土曜〜月曜の3日間で、火曜~木曜はしっかり働けるのもポイントです。
学校に通うとなると学校からあまり離れているところには住めませんが、このプログラムであればBC州のケローナやビクトリアなどに住みながらオンラインで授業を受けて、居住エリアでCo-op先を見つけることも可能なんですよ。(※ライブ授業なので、時差的に日本ではしんどいかと思います)
さらに地域によってはBCPNPのポイントも加算されるので、永住権が簡単に取れてしまうケースもあるんです。保育Co-opプログラムに興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
Q9. 最後に、ホイクペディアに興味があるLifeVancouver読者の方にメッセージをお願いします。
保育に特化した留学サービスをしていると、「免許書き換え⇒就職サポート⇒ビザ申請のお手伝い⇒永住権獲得」など長期にわたってお客様と接点がある場合が多いです。
中高一貫教育ではないですが、頑張るお客様の全ステージの姿を見ていると、私たちも情が沸いてしまうんです。
ホイクペディアを利用してくださった皆さんから「希望の職場で保育士として働けるようになりました!」「永住権が取れて夢が叶いました!」などの報告を受けたときは感動もひとしおです。
保育士は決して楽な仕事ではないですが、保育という職種は性別問わず、やりがいも見つけやすいです。経験者はもとより、未経験の方でもチャレンジしやすい仕事なので、カナダで保育をしたいという方はぜひ一度連絡をいただければと思います!