雇用主の就労ビザサポート負荷を軽減REP(Recognized Employer Pilot)

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

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カナダ政府は、労働力不足に対処する施策として、この9月から REP(Recognized Employer Pilot) を開始すると発表しました。

雇用主の管理負担を軽減するREP(Recognized Employer Pilot)
REPは、就労ビザプログラム(TFWP:Temporary Foreign Worker Program)のもとで運営され、過去にLMIA(Labour Market Impact Assessment)申請の経験があり、LMIAの外国人雇用要件を遵守しているリピーター雇用主の管理負担を軽減することを目的に施行されます。

LMIA(Labour Market Impact Assessment)とは
LMIAは、カナダの雇用主が外国人労働者に就労ビザサポートをしても良いかどうかを労働省が判断するためのものです。LMIAのいちばんの目的は、雇用主が必要とする職務に就ける労働者が、カナダ人や永住権保持者の中から探せないことを証明することです。

REPが適用となる雇用主

REP適用の条件は、指定職種内の同じ職種で過去5年間に最低3件のLMIAを取得している雇用主です。REPのもとで外国人を雇用する資格のある雇用主は、最長36ヶ月間有効なLMIAを受けることができ、またLMIA申請も簡素化されます。

カナダ政府は、このREPの措置により、雇用主が人材確保の計画を立てやすくなり、3年間に提出するLMIA申請書の数を減らすことができるとしています。また、認定された雇用主は、その「認定済雇用主である」というステータスを、ジョブバンクの求人広告上に表示することができます。

REP認定のプロセス

REP適用の雇用主として認定を受けるためには、カナダ職業予測システム(COPS: Canadian Occupational Projection System)のデータに基づいて人材不足と指定された職種の中から、同じ職種で過去5年間に最低3件のLMIAを取得していなければなりません。

その条件を満たす雇用主は、TFWPの利用歴に基づき、厳しい事前審査プロセスを受け、良い雇用履歴を持つ雇用主のみがREPを利用できるようになります。

REPプログラム導入のプロセス

REPは、Phase1とPhase2の、2段階に分けて導入されます。Phase1ではまず、主に農業関連に従事する職種の雇用主が申請を開始できるようになります。

導入開始スケジュール
Phase1:2023年9月から
Phase2:2024年1月から

対象職種リスト
Phase1とPhase2の対象となる職種は、カナダ労働省(ESDC)のこちらのページで確認することができます。

REP雇用主認定の申請

LMIA申請を提出する際に、同時にREPを申請することができます。雇用主の経歴に基づいて、審査官が、REPの資格があるかどうかを判断します。REPが承認されなかった場合でも、LMIAの審査は別途行われ、LMIAのみが承認されるということもあります。

REP雇用主認定の申請は、2024年9月に締め切られます。

REPの対象となる雇用主は、COPSリストに掲載される職種のLMIA申請手続きが簡素化されます。REPの期間中、雇用主は簡素化されたLMIA申請フォームを使い、労働省(ESDC)とのコンタクトポイントが減ります。

 

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