トルドー政権が内閣改造を発表 新移民大臣にケベック州出身のマーク・ミラー氏が就任

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

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カナダのジャスティン・トルドー首相は、2023年7月26日 東部時間午前10時30分に内閣の大幅な改造を発表しました。それによりカナダの新移民大臣は、ケベック州選出の国会議員、マーク・ミラー氏が就任しました。

ミラー氏はこれまで、カナダ先住民族を支援することを目的とした、先住民関係担当大臣Minister of Crown-Indigenous Relations と Minister of Indigenous Servicesを務めていました。今までの移民大臣であるショーン・フレーザー氏は、住宅・インフラ・コミュニティ大臣に就任します。

ミラー氏は2015年にカナダの国会議員に初当選。政界入りする前は弁護士として活躍し、カナダ軍にも所属していました。モントリオールで生まれ育ち、モントリオール大学で政治学の学位を2つ、マギル大学で法学の学位を取得した方です。

カナダでは、首相が2年に1度程度、内閣改造を行う傾向にあります。その理由としては、パフォーマンスの悪い閣僚を交代させる、首相が良い仕事をしたと感じた閣僚を昇格させる、政府に政策や広報を刷新する機会を提供する、などが挙げられます。

Liberal Party(自由党)のトルドー氏は2015年11月からカナダの首相を務めています。以来ずっと、カナダは積極的な移民受け入れ計画を追求してきました。前回の大規模な内閣改造は、同年の連邦選挙後の2021年10月に行われました。前任のフレイザー氏は、その時に移民大臣に任命されました。

トルドー政権以前は、ほぼ10年にわたり、Conservative Party(保守党)のスティーブン・ハーパー氏が首相を務め、カナダは毎年約25万人の新規永住者を受け入れていました。トルドーが政権を握ると、これは年間30万人に増加し、コロナパンデミックの直前には年間34万人となりました。そしてパンデミックの間、カナダは毎年40万人以上の新規永住者を受け入れるよう目標を引き上げました。

移民レベル計画2023-2025では、カナダは2025年までに毎年の永住者受け入れ計画人数を50万人に引き上げることを目指しています。

移民の大幅な増加を目指す背景には、カナダの高齢化と少子化があります。カナダ政府は、今後10年以内に900万人のベビーブーマーが65歳の定年退職を迎えるため、移民受け入れはカナダの経済と財政を強化するための措置だと考えています。移民の受け入れ拡大は、カナダが歴史的に低い失業率と歴史的に高い求人率に対処している時期と重なっています。

新移民大臣就任後の移民受け入れはどうなるか?

首相からのマンデートレターの発行

大規模な内閣改造の後、首相は各大臣に新しい職務権限書(マンデートレター)を発行し、その任期の間、何に注力してほしいかを示します。

2021年12月、トルドー首相はフレイザー新移大臣(当時)に対し、移民レベルの引き上げ、新規入国者の申請手続きの改善、エクスプレスエントリーの改革、家族受け入れの強化、フランス語圏からのカナダへの移民促進など、優先的に取り組むべき移民政策のリストを提示しました。それ以来、フレーザー氏はさまざまな施策を実施してきました。

今後数カ月以内に、トルドー首相はマーク・ミラー新移民大臣に、マンデートレターを提示する可能性が高く、我々もこれに注視していきたいところです。政権が変わるわけではありませんので、新移民受け入れ拡大という大きな方向性に変更は無いと思われますが、社会的弱者の生活改善を手掛けてきたミラー氏の採用は、難民受け入れや難民支援にさらに注力していくということなのでしょうか。あるいはフランス語話者の受け入れ強化をさらに推進するのでしょうか。

フレーザー氏は自身の出身地のアトランティック地方に就労者を流入させるべく、永住権申請カテゴリー「アトランティック地方プログラム」を導入・常設させました。ミラー氏はケベック出身ですが、今後ケベック州と連邦政府の移民制度の擦りあわせのようなことをやってくれるでしょうか…(移民大臣レベルではあまり多くはできなさそうですが)少し期待したいところです。

筆者は個人的には、ITに深い理解のある方に就任していただき、フレーザー氏が導入しっぱなしで不具合の多い移民局の数々のオンラインシステムの整備をしていただきたかった(笑)。

 

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