カナダ移民局、通常の審査期間への短縮は年末までに

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

先日カナダ議会において、カナダ市民権と移民に関する常任委員会(the Canadian Parliament’s Standing Committee on Citizenship and Immigration)が開かれました。

そこで主題目として取り上げられたカナダ移民局(IRCC)が抱える210万件ものバックログ(未処理申請案件)と、審査期間短縮についての質問に対し、ショーン・フレイザー移民大臣がどのように返答したかについてご紹介します。

バックログと審査期間について常任委員会を招集

カナダ市民権と移民に関する常任委員会(the Canadian Parliament’s Standing Committee on Citizenship and Immigration)は、移民と多文化主義に関する連邦政府のポリシーを監視し、移民局と難民委員会(Refugee Board)を監督することを任務としています。

選挙で選出された連邦政府官僚で構成され、議会内で監査的な役割をする機関として、必要に応じた調査を行い、移民政策のための提言をします。

フレイザー移民大臣は、移民局を代表して委員会に召致され、カナダ移民局のバックログ(未処理申請案件)と審査期間に対する見解を求められました。

現時点でのバックログと審査期間

先月4月29日時点で、市民権、永住権、一時滞在ビザに関する移民局の審査結果を待っている人が210万人にも上っています。一時滞在の申請件数は2021年4月と比べて倍に膨れ上がっています。

その大きな理由の一つに、ウクライナからの避難民をサポートするための措置として特設された Canada-Ukraine Authorization for Emergency Travel (CUAET) があり、これが他の審査の遅れの原因の一つとなっています。

 

今年の終わりまでに審査期間は通常営業に戻る

この委員会の席においてフレイザー移民大臣は、カナダ移民局が今年の終わりまでには審査期間を、以前の本来あるべき審査期間の基準値の状態にまで戻すことを目指していると伝えました。

“I think we’ll be able to do it—on a majority of lines of business—potentially this calendar year,” “and where we can’t do it, we should be broadcasting those timelines.”

(『おそらく今年中には、移民局の大多数の作業について可能であると思う。』『もし不可能な場合には、具体的なタイムラインを発表します。』)-フレイザー移民大臣の発言

なお、審査期間の基準値(Processing standards)とは、カナダ移民局が申請書類を処理するにあたって設定される審査期間の目標値を指します。必ずしも実際の審査期間を反映しているわけではありませんが、今はそこから大きくかけ離れてしまっている状況です。

バックログ処理、審査期間短縮の取り組み

審査の待ち時間を短縮する努力の一環として、カナダ移民局は11,000人のスタッフ増員と移民システムの近代化に取り組んでいます。フレイザー移民大臣は現行の移民システムをデジタル化する為に確保されている8億2700万ドルの予算が、カナダの移民を変革するだろうと述べています。

実際、この近代化の努力により、2022年の第一四半期では、既に156,000件の永住権申請を処理することができました。

さらにカナダ移民局は、PRカード更新など、いくつかの申請についてプロセス期間をスピードアップさせるため、8500万ドルの予算を計上しています。 副移民大臣補佐のDaniel Mills氏は、昨年12月の時点で平均120日かかっていたPRカード更新のプロセス期間は、現在は65日まで短縮したと述べています。

 

エクスプレスエントリーの変更

フレイザー移民大臣は、この2時間にわたるミーティングの間に、Express Entryに更なる変更を加える予定があることをほのめかしました。

大臣は

『私たちがExpress Entryシステムの改革の中で目指している、システムに新たなフレキシビリティを持たせる取り組みにとても期待しています。この改革によって、現行のシステムの中で、より正確に特定のワーカーをターゲットにすることが可能となり、主要セクターが直面しているニーズのギャップをできるだけ早く埋めることができるようになります。』

と述べました。ミーティング時間が終了となる直前であり、大臣はそれ以上深く突っ込んだ話はせずに終わりました。

他にも注目したいカナダ移民局の動き

フレイザー氏が移民大臣に就任した時に託されたマンデートレター(今後の政策の要となる具体的な指針を担当省庁に指示するための委任状)で優先事項とされていた政策の一つに、エクスプレスエントリーを利用して永住権取得を目指す留学生(International Student)と一時就労者(Temporary Foreign Worker)を対象にしたPRパスウェイカテゴリーを新設する、というものもありました。

また、以前に移民大臣は職種限定のエクスプレスエントリーのドローを行なう可能性も示唆していました。

 

ビザJPカナダでの対応

審査期間が平常通りの長さに戻るには、まだしばらく時間がかかりそうです。現在永住権を申請中の方や、これから申請をお考えの方は、お持ちの滞在資格(就労ビザなど)が切れないように注意しなければなりませんね。

弊社のお客様は、進捗状況が気になったらいつでも担当の移民コンサルタントにお問い合わせください。同時期に同じカテゴリーの申請をしている日本国籍の方の動向を見ながらお答えします。

就労ビザ、学生ビザ、観光ビザを申請する方は、余裕を持って早めに準備をしていきましょう。書類の不備などがあるとさらに審査に遅れが出ますので要注意です。

ビザ申請を決めたらぜひ弊社まで早めにお問い合わせください。

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