2021年のカナダ新移民受け入れ数、史上最多40万1千人超で本年度の目標達成

   
  

文/ビザJPカナダ代表 白石有紀
ビザJPカナダ在籍のカナダ政府公認移民コンサルタント。カナダ移民コンサルタント協会(ICCRC) 、およびカナダ移民コンサルタント連盟(CAPIC)の正規メンバー。短期ビザ、永住権の申請取得コンサルティングを専門とする。

カナダ政府はパンデミック後のカナダの復興や将来を見据え、2021年-2023年の移民ターゲットプランの一環として、2021年には401,000人の新移民(=永住者)を受け入れることを目標にしていました。

ショーン・フレイザー移民大臣は2021年12月23日、その目標を達成、しかも一年間の新移民受け入れ数としてはカナダ史上最も多い記録的な数だと発表しました。過去に40万人の新移民を受け入れたのは1913年まで遡りますが、今年はこの記録を塗り替えたことになります。

 

コロナ禍を乗り切るための新たな試みと成果

新型コロナパンデミックの様々な困難の中、このような歴史的快挙を成し遂げたことは、とても意義深いことです。国境閉鎖からロックダウンなど、国を越えての移動に負の影響を及ぼす中、カナダ移民局は要員を増やし新しい技術やオンライン申請を導入することで、50万もの申請を処理しました。

パンデミック前は、カナダ国外で永住権審査受け、審査が通ってからカナダへ渡航、ランディングして移民になる(=永住者となる)という流れが主流でした。ですが、今年2021年に移民となった大多数は、学生ビザや就労ビザ保持者など、すでにカナダに住みながら永住権取得を目指していた人たちです。カナダ国外から移住する人と、 カナダ国内にいて職歴・学歴を使った永住権カテゴリーを通して移民する人の割合は、 パンデミック前は70%と30%でカナダ国外からの移住者が多数を占めていました。2021年にはこれが逆転し、2021年の永住権取得者のうち、カナダにすでに住んでいる人が70%、残り30%がカナダ国外からの移住者となりました。

エッセンシャルワーカー、医療従事者、留学生、仏語スピーカーを対象にした新しい永住権プログラムも開設されました。

家族の呼び寄せもカナダ移民システムの重要な柱であり、パンデミック状況下であっても継続されました。カナダ国内と国外で離れ離れになってしまった多くのカナダ人とその配偶者や子供たちの再会を可能にする一方、親・祖父母のファミリークラス申請も受け付けました。

また、多くの国が難民受け入れを停止する中、カナダは今も世界の難民にとっての避難場所であり続けています。

 

今後も継続する積極的な移民受け入れ政策

カナダの経済を活性化させ、社会を豊かにし、高齢化社会を進める為には移民が必要です。カナダにある企業の3分の1は移民が所有しており、医療従事者の4分の1は新移民です。事業・労働市場の専門家も移民が仕事を作り出し、革新をもたらし、労働不足を補うことを認めています。

フレイザー移民大臣は、『昨年、野心的な目標を立て、今年それを達成できました。一年間でこんなに多くの新移民を受け入れられたことは、我が国にとって歴史的快挙です。』と語っており、目標達成に向けて尽力をしてくれたカナダ政府の全てのスタッフに感謝を述べています。新移民となった40万人以上の人たちが、今後カナダに貢献してくれることも期待しています。

2021-2023年の移民プランの一環として、2022年には411,000人、2023年には421,000人の受け入れを目標にしています。フレイザー移民大臣は2022年2月10日に新しい移民レベルプランを発表する予定にしており、2022-2023年の目標よりさらに多い数を目標にする可能性もあります。

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