LifeVancouver、そして Live!Vancouver でも応援しているカナダBC州唯一のプロバスケチーム Fraser Valley Bandits(フレイザーバレーバンディッツ)。
8月8、9日に行われたセミファイナルと決勝戦にて、今シーズン最大の奮闘をみせて、ついに2020年の快進撃に終止符が打たれました。
今回は熱狂的バスケファンの編集部アレックスが今までのバンディッツの軌跡をWikipediaよりも詳しくまとめてみました。
目次
軌跡その1:2019年の初シーズンでバンディッツは最下位
バンディッツは現在カナダ国内にてBC州唯一の男子プロバスケットボールチームで、カナディアン・エリート・バスケットボール・リーグ(CEBL)に加盟しています。
CEBL自体の創立は2017年で、リーグ設立後の準備期間を終えて初のプレイシーズンが2019年に決定!
バンディッツを含む以下の6チームの設立とCEBLへの加盟も公表されました。
■ フレイザーバレー バンディッツ (BC州)
■ サスカチュワン ラトラーズ (SK州)
■ エドモントン スティンガーズ (AB州)
■ ゲルフ ナイトホークス (ON州)
■ ハミルトン ハニーバッジャーズ (ON州)
■ ナイアガラ リバーライオンズ (ON州)
(※オタワ ブラックジャックスは2020年設立&CEBL加盟)
バンディッツを含めたすべてのチームは2019年が初のシーズンとなり、2019年5月9日〜8月15日に予選試合が行われ、8月24日と25日の二日間でプレイオフ(決勝トーナメント)が行われました。
2019年のシーズンではバンディッツなりの奮闘を見せるも、コーチと選手の擦り合わせに悩まされ、結果として予選20試合を経て4勝16敗というリーグ最下位。
予選敗退という形で2019年の初シーズンを終えました。
カナダ初のプロバスケリーグは実はCEBLではなく、2011年に創立されたNBLC(National Basketball League Canada)が先輩にあたります。
ただ、NBLCリーグではほぼ全チームがカナダの東海岸エリアからの加盟となり、選手層も半分以上がアメリカ籍の選手だったこともあり、色んな意味でカナダのプロリーグとして呼ぶことに違和感があった人も多かったことは事実です。
なお、カナダのバスケといえば「トロントラプターズ」を思い浮かべるバスケファンも多いかもしれませんが、トロントラプターズが所属しているNBAは、アメリカが本拠地となり、カナダ国内で独立したリーグではありません。
軌跡その2:2020年は新生バンディッツの快進撃
昨シーズンからの課題に大きくメスを入れ、2020年はまずコーチ陣を一新したバンディッツ。
新しくカイル・ジュリアス(ヘッドコーチ)を迎え入れ、カイルコーチが目指す理想のチーム像を元に、不動のエースであるマレック・クラッセン選手(写真上)以外の2019年の全てのメンバーとは再契約を交わさず、2020年に向けて新しくメンバーをリクルート。
こうして、2020年は昨年とは全く異なる新生バンディッツが結成されました。
(バンディッツ徹底解説動画はこちら⇒ Live!Vancouver)
まさかの選手をほぼ一新したバンディッツに「カイルコーチは少しやりすぎではないか?!」と、ファンには期待や不安も漂うカタチとなった2020年。
その矢先、本来5月に開幕予定であった2020年の新シーズンは、新型コロナウイルスの影響で無観客試合の開催が決定。
さらに予選試合が昨年の20試合から6試合への短縮も決まり、「試合の中で選手同士のすり合わせの機会が減る新生バンディッツには今シーズンは不利ではないのか?」というような見解もありました。
しかし、そんなファンの不安を新生バンディッツは開幕初戦の力戦奮闘で見事に払拭してくれました。
☆予選第1戦:草原のキラービーをパチーン!!
開幕初戦の対戦相手となったのは、昨年予選2位でもあるエドモントンスティンガーズ。
新生バンディッツにとってはやや荷が重いかと思われましたが、前半のリードを崩すことなく後半戦ではかなりヒヤッとしたシーンもありましたが、最終的には13点も差もつけ見事に撃破!
☆予選第2戦:昨年王者のガラガラヘビをでぇ−い!!
初戦を勝利で飾ったバンディッツ。次の相手は、2019年CEBLチャンピオンでもあるサスカチュワンラトラーズでした。
試合最初の10分でかなりコテンパンにされ10点ものリードを許すも、後半につれバンディッツが覚醒。
カメロン選手はなんとリーグ最多得点の30点を獲得し、昨年王者の毒牙をへし折りました!!
☆予選第3戦:後輩ウサギに惜しくも敗れる
昨年最下位とは思えない2戦2勝という成績のもと、2020年になって初めてCEBLに参入となったオタワ ブラックジャックスとの試合が第3戦。
誰もがバンディッツの勝利と思っていたかもしれませんが、少しの詰めの甘さが命取りとなり、2点惜しくも届かず後輩ウサギを前にバンディッツは今シーズン初敗北となりました。
☆予選第4戦:凶暴ラーテルに惨敗
バンディッツも予選試合の折返し地点につき、しっかりと勝ち星を挙げていきたいものの、第4戦は凶暴なハミルトンのラーテルを前に、数多くの3PTを決められました。
得点差は6点と僅差ともいえる試合でしたが、バンディッツは再度敗北を味わう結果となりました。これで予選は2勝2敗です。
☆予選第5戦:窮狐(きゅうこ)ライオンを喰らう?!
予選も残りわずかとなったバンディッツに残されているチャンスは少なく、異様な緊張感が漂っていた第5戦。
試合前の早朝にて、なんと過去4試合にて大いに活躍したカメロン選手が新しいキャリアチャンスに挑むため離脱を発表。
バンディッツにとって攻撃の中心として活躍していたカメロン選手がチームを離れるということは、獣の牙が剥かれると同じこと。
ファンの中では絶望的なムードが漂う中で、「牙がなければ、爪で引っ掻け!」という失うものはないメンタルのもと第5戦に挑みました。
試合ではなんとナイアガラ リバーライオンズのペースを大きく乱し、試合終了時のスコアを57得点というリーグ歴史上最低得点に抑え込み、勝利!バンディッツは見事に生き延びました!
CEBLでプレイする多くの選手は、カナダ国内のチームだけではなく、シーズンが比較的に被らないヨーロッパ諸国や、トルコやロシアなどのプロチームと二重に契約しているケースも多くあります。
そのため、比較的に新しく創立されたCEBLではなく、選手自身のキャリアプランと重ねてさらなる高みに挑むために、残念ながらカメロン選手のようにシーズン中にチームを離れてしまう結果につながることもあります。
CEBL頑張れ!!!!
☆予選第6戦:飛んでる鷹をワシヅカミ!!!!
予選最終試合となったナイトホークス戦。
バンディッツは絶対的な得点王であるカメロン選手を失ったものの、リング近くでは無理にアタックせずに3点につながる3ポイントを量産し、再度の勝利で予選を終えました!
この時点でバンディッツはなんと予選順位第2位で予選を無事に終えることができ、プレイオフ(チャンピオンシップトーナメント)では直接セミファイナルにコマを進めることができました。
☆準決勝:因縁のライバルであるラーテルと再対決!
一度は惨敗した相手、ハミルトン ハニーバッジャーズと準決勝で再対決!
カメロン選手を失ったバンディッツは、絶対的な身長差を前に大苦戦。焦りもプレイに影響し、身長をカバーしていたマーカス選手もファールアウトで退場。
試合残り10分で、点差は14点まで広がってしまい、万事休すかと思われました。
Home stretch. 1⃣ more to make it count.
WATCH LIVE: https://t.co/U5tgOYMVf7 #YearOfTheBandit x #OurGame pic.twitter.com/i5h0TZesFv
— Fraser Valley Bandits (@FV_Bandits) August 8, 2020
が、しかし!!!
バンディッツの勇者達は、決して諦めませんでした。
相手の絶対的な身長に対して、スモールサイズだからこその軽快なフットワークで、ディフェンスをより密に強化し、14点差から点差をすこしづつ縮めていきました。
そして、延長試合がないELAMエンディングのルールを味方につけ、最後はなんと、満身創痍ながらも普段は温厚なオルー選手が踵の捻挫の痛みをこらえ、トドメの一撃で勝利を掴みました。
(Live!Vancouverでのオルー選手へのインタビュー動画はこちら⇒)
この感動的な勝利には、ライブ観戦していた地元のバンディッツファンも歓喜の声をあげました!
ELAMエンディングとは、通常では両チームが同点ではない限り試合終了に到達した時点でより多く得点しているチームが勝利とする方式とは異なり、かなり刺激的でサドンデス要素を加えた試合方式となります!
試合終了時間前の4:00を経過した時点で一度リードしているチームの得点をもとに、その上に9点を追加した点数「優勝決定得点」をその場で制定。
優勝決定得点がきまった時点で、試合終了時間はなくなり、その制定された得点に届くチームが出るまでは試合終了時間関係なしにエンドレスで試合が継続されます。
☆決勝:下剋上の旅に終止符。ありがとうバンディッツ
昨年最下位だったバンディッツは幾度の激戦を終え、すでに満身創痍ではありながらも、ついに念願の決勝のコートまで勝ち上がりました。
その向こうには強敵、エドモントンスティンガーズが待ち構えていました。
予選ではバンディッツが有利に試合を運べましたが、セミファイナルでの力戦奮闘によるチーム全体への予期せぬ負荷と、昨年のシーズンMVP(もっとも価値がある選手賞)を勝ち取ったエグザビエル選手の猛攻によりバンディッツはかなりの痛手を負います。
それでも最後まで歯を食いしばり、一刻も諦めずキツネの意地を見せるかのように食らいつきました。
そして悔いがないよう、バンディッツは決してファンに恥じないプレイを力尽きるまで奮闘。
結果として、決勝敗退というカタチで、2020年シーズンの幕をおろしました。
振り返ればパンデミックの影響で、予選から決勝までかなり短縮され、実質2020シーズンは2週間の異例の短さにより、どのチームも新しい選手とのすり合わせ、そして短期決戦による体力消耗が一番の課題でもあり難題でもありました。
そんな中、バンディッツは一人の選手以外は全員が新しいメンバーで、多くの課題と向き合う毎日を過ごしてきたと思います。
しかし、幾度挫折しかけた場面に直面しても決して誰一人とも諦めず、一つひとつのプレイに魂を込めて向き合ってきました。その勇姿に感動したのは決してライフバンクーバースタッフだけではないと思います。
バンディッツ本当に、おつかれさまでした!!(号泣)
最後に:2020ありがとうバンディッツ!2021よろしくバンディッツ!
今シーズンを機に、多くのファンを虜にしたバンディッツ
ライフバンクーバーでは、来シーズンでのより一層の健闘を願ってやみません!
そして、今シーズンにて、シーズン・プレゼンティング・パートナーシップとしてバンディッツのメインスポンサーを務めるPerfectLensさんも継続して2021年もスポンサーシップを提供することが決まりました!
ちなみに、そんなPerfectLensでは、8月10日(月)から5日間限定のサマーセールが実施されていて、10%OFFでコンタクトレンズが購入できるので、こちらもチェックしてみてください。
ということで、大躍進となった2020年!
バンディッツファンの皆様、また来年お会いしましょう!!!
Fraser Valley Bandits
【公式サイト】