北米でしか飲めない日本酒も?!バンクーバーで日本酒を飲む方法

   
  

「日本の何が恋しいって、日本酒だよ日本酒!」

・・・突然、そんな声が聞こえた気がしたんだ。

sake_image00
photo from:Cleber Mori

ってなわけで、日本酒Loverな日本人(バンクーバー在住)のために、どうやったらカナダで美味しい日本酒が飲めるのか調査してみました!

海外で日本酒のことを調べるのって、深夜にシズル感あふれる料理写真を見るのと同じくらい”お預け感”あります。

なんというドMっ!

日本からカナダへ、日本酒を持ち込む場合

確かに、街のリカーストアでも日本酒は売っています。ただし、種類はどうしても少ない!

IMG_8895

例えば、先日ダウンタウンのBC Liquorを幾つか回ってみたのですが、多くても約20種類の日本酒が置いてある程度で、当然総じて値段も高いのです。輸入には関税やら送料やらがかかります。それに、カナダのBC州の場合、Mark up(販売管理手数料)というのが130%も価格に上乗せされているんです。製造業者から店頭に並ぶまでの間にかかるお金が、とにかく高いんです・・・。

そこで、日本への一時帰国時に日本酒を購入して、その上で慎重に持ち運んでくるというのがまず最も良い酒を良い値段で楽しめるやり方のひとつでしょう。

でもその際、まず気をつけなくてはならないのが関税です。

日本酒をカナダに持ち込む際の関税

日本にお酒を持ち込むとき同様に、カナダにお酒持ち込む際にも一定量を超えた分には関税が掛けられます。その一定量がどれだけかというと、カナダの場合は次の表の通り。

酒類 非課税で持ち込める量
ワイン 1.5リットルまで
その他アルコール飲料 1.14リットルまで
ビール 8.5リットルまで

さてここで疑問。日本酒はどこに入るのか?

日本酒を英語にすると「sake」にもなりますが、最近では「rice wine」とも呼ばれます。それは、ワインがぶどうを発酵させて作るお酒であるように、日本酒はお米を発酵させて作るお酒だからです。

また、日本酒もワインも、いずれもアルコール度数は10%代が普通です。

この特徴から考えると、日本酒はワイン枠に入りそうですが、今回記事にするにあたって、念のためCanada Border Services Agency(CBSA)に電話して聞いてみました。電話で僕が伝えたのは次のこと。

  • 日本から旅行者の荷物の一部として携帯する
  • あくまで自分で飲むためのお酒
  • 日本酒(rice wine)は15%程度のアルコール
  • 価格は1本で20ドルくらい
  • 何リットルまで持ち込みできるか?

結果、答えは「1.5リットルまでOK」とのこと。これはつまりワイン枠での持ち込みがOKということのようです!1.5なら4号瓶2本まで持ち込めますからね、これは朗報です!

・・・とはいえ1.5リットル。カナダに長く住んでいる方でしたら、やっぱりそのうち(酒豪なら1〜2週間もあれば?)無くなってしまいます。

そこでここからは、バンクーバーで買える北米の地酒をご紹介します

バンクーバーで手に入る、北米の地酒

前述の通り、日本で作ったお酒をインポートするとどうしても高くなるんです。かつ、選択肢も少ない。

だったらいっそ、北米でしか飲めない日本酒を飲むようにしてはいかがでしょう?

こっちでしか買えないお酒にもいいお酒があるんです!3つご紹介します。

その1:『Osake』 brewed by Artisan SakeMaker

Osake_ArtisanSakeMaker
photo from:小さな蔵で『Osake』を作り続けるバンクーバーの酒蔵Artisan SakeMaker

バンクーバーのグランビルアイランドにある小さな日本酒蔵Artisan SakeMakerで醸造されているのが、純米酒にこだわった造りをされている『Osake』シリーズです。

このシリーズには『Osake Junmai Ginjo Genshu(純米吟醸原酒)』や『Osake Junmai Ginjo Nigori Genshu(純米吟醸にごり原酒)』、『Osake Junmai Sparkling Sake(純米スパークリング)』など、全部で8種類前後の銘柄があります。

2016年1月現在、例えば『Osake Junmai Ginjo Genshu(純米吟醸原酒)』は375㎖で$24.90(約2,200円)と、日本で買う日本の日本酒よりは高いですが、しかし果実のように甘い立ち香と深みのある味、そして飲むほどに増す甘みは、日本の純米吟醸酒としてもレベルが高いのではと思います。

また、蔵に行くとテイスティングができることもオススメポイント。$5で3種類を飲み比べることができるので、ぜひ一度訪ねてみてください!

その2:『Yu』 brewed by YK3 Sake Producer Inc

IMG_8886

リッチモンドにあるYK3 Sake Producer Incが醸造する『Yu』シリーズも、気軽にBC Liquorで買えるお酒です。

こちらには『junmai sake(純米酒)』『junmai all koji sake(全麹仕込み純米酒)』『junmai nigori sake(純米にごり酒)』という3つのお酒があると公式サイトには記載されていますが、以前酒屋さんでは『Berry sake(ベリー酒)』というものを見かけました。価格はそれぞれ違いますが、375㎖ボトルの定価で$11.29 (CAD) からあります。

その3:『MOMOKAWA』 brewed by SakeOne

MOMOKAWA_SakeOne
photo from:ポートランド地酒MOMOKAWAまとめ!北米No. 1候補は、伊達じゃない!

最後にご紹介するのは、バンクーバーから南へ550km、アメリカのポートランドの酒造Sake Oneによって醸されているお酒『MOMOKAWA』シリーズです。こちらもBC Liquor等、バンクーバー内の酒屋で購入可能です。

純米吟醸の『Silver』『Diamond』『Ruby』と、純米吟醸にごり酒の『Pearl』と、ポートランドらしいオーガニックがウリの『Organic Junmai』『Organic Nigori』がMOMOKAWAのレギュラー酒。そのうち、例えば『Pearl』なら定価は750㎖で$14.00 (USD) ですが、バンクーバーのBCリカーでは$21.99 (CAD) で販売されています。

こちらのMOMOKAWAとそれを造るSake Oneは、ウェブサイトSmithsonian.comにて「アメリカ大陸の日本酒蔵で1番のクオリティー」だと評されています。1度おためしあれ!

まとめ

バンクーバーの日本酒Loverさん、これでバンクーバーでも日本酒を楽しめそうでしょうか?

バンクーバーもポートランドも雨が多い街で、お酒を造るのに欠かせないきれいな水には困らないということで、北米の中ではかなりお酒に恵まれた土地だと言えるのかもしれません。

せっかくこっちに住んでいるので、どうせならバンクーバーの地酒にもチャレンジしてみましょう!

また、皆さんの日本酒に関する情報もぜひ教えてくださいね。

Topへ