診察費&出産費用が無料?!日本人ママが驚く、カナダでの妊娠&出産事情12選

   
  

カナダで出産経験のある方にも、将来出産予定の方にも、ぜひ読んでいただきたい「日本とカナダで違う妊娠&出産事情」をまとめてみました。

国が違えば、文化も医療システムも違うのは当然!

あなたはどちらの国での出産を経験してみたいですか?

▶カナダでは診察費&出産費用が無料!

カナダBC州では、出産・入院にかかるほぼ全ての費用(診察・血液検査・超音波検診費など)が無料です。帝王切開や無痛分娩も無料

日本では20万円前後する出生前診断も無料となっています。

※ただし、BC州の保険MSP(Medical Services Plan)でカバーされない妊婦への百日咳ワクチン接種(任意)やプライベート機関での3Dエコー検査等は有料。また、入院中の条件によって多少の入院費が発生する場合はあります。

日本では全ての診察や検査にお金がかかるので、自治体の補助や会社の出産祝い金を差し引いても、ある程度は自己負担となりますよね。帝王切開や無痛分娩の場合には、さらに費用がかさみます。

カナダでは最初から支払う必要がないので、補助金申請等の手間も省けます。

▶出産後、6時間で退院も!?入院期間が日本に比べて短いカナダ

カナダで出産をした日本人女性が必ずと言ってよいほど驚くのが、出産時の入院期間の短さ
特に経産婦かつ自然分娩の場合は、私の知人で「出産後、6時間で退院して良いと言われた」という人がいます。病院にもよりますが、私の通ったBC州内の産婦人科では、自然分娩の際は24時間で退院、帝王切開の場合は3日で退院が普通だと言われました。

▶妊婦さんは太りたいだけ太ってOK!のカナダ

日本では妊娠中の体重コントロールは非常に重要とされていて、産婦人科で体重増加量についてチェックや指導を受けますよね。カナダでは診察の度に体重チェックはあるものの、太り過ぎても特に何も言われないことが多いです。

私の通った産婦人科では、「ブーツを履いたままやコートを着たまま体重計にのってOK」だったので、日本ほどしっかり体重をチェックしている感じではなく、日本の推奨体重増加量を大幅に超えてしまった際も、全く指導はありませんでした。

▶妊娠中の内診はなし!超音波検診も数回のみ

妊娠中、特に問題がない限りは一度も内診がありません。
女性としては、嬉しいような、でも少し不安のような気もします。

そして超音波検査は、妊娠期間を通して通常数回のみです。数回の検査で赤ちゃんの性別が分からない場合は、プライベートの機関で超音波検査を受けることができます。この場合は、実費となります。クリニックによっては、3Dや4Dの超音波を使った検診も行っていますよ。

バンクーバーで超音波検査を受けられるプライベート機関 一例
Vancouver Ultrasound
https://vanultrasound.com/
UC Baby
https://www.ucbaby.ca/3d-4d-ultrasound-vancouver

▶カナダでは製造・販売禁止!「柵が開閉できるベビーベッド」と「レール付き赤ちゃん歩行器」

日本では主流と言っても良い「柵が開閉できるべビーベッド(cribs with drop-down sides)」は、カナダでは2016年から製造・販売禁止となっています。とっても便利なのに残念・・と個人的には思いましたが、カナダ国内では、同タイプのベビーベッドに関連する赤ちゃんの死亡事故が2011年に32件発生したという報告があります。
隣国アメリカでも既に製造販売禁止となっています。

また、「赤ちゃん歩行器(Baby walkers)」も、安全性の問題からカナダでは2004年4月以降製造・販売禁止です。輸入やガラージセールなどでの売買も違法となっているので、これらを日本から持ち込まないように気を付けましょう。

※参照
Health Canada bans sale, import, advertisement of drop-side cribs
https://www.cbc.ca/news/canada/crib-safety-1.3659531
Government of Canada|Information for Canadians Travelling Outside of Canada
https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/advisories-warnings-recalls/information-canadians-travelling-outside-canada.html

▶産褥ショーツって何!?カナダ人はびっくり

出産の入院準備のマストアイテムと言っても良い、産褥ショーツ
カナダでは、まず見かけません。
産婦人科の先生に聞いてみたところ、「日本ではそんなショーツが売ってるの!?」と驚かれました。

カナダでは、病院に使い捨てショーツが用意されています。決して履き心地が良いものではありませんが、出産時のためだけに専用ショーツを買う必要がないのはいいですね。
産褥ショーツを使いたい方は、ぜひ日本から送ってもらいましょう。

▶日本に比べて多い「無痛分娩」と「帝王切開」

日本 カナダ
無痛分娩率 6.1%(2016年) 57.8%(2015/16年)
帝王切開率 19.5%(2014年) 27.9%(2015/16年)

※参照
Government of Canada|Labour and birth in Canada: Infographic
社会保障審議会医療部会|無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築について(PDF)

上の表にあるように、カナダでは、帝王切開率や無痛分娩率が日本に比べて高いのが特徴です。

なんとカナダでは、半数以上の女性が「無痛分娩」を選択しています。

私が出産したカナダの産婦人科では、麻酔科医や新生児科医が出産時に院内で待機していて、救急医療にも対応できる体制が整っていました。よって陣痛の途中で無痛分娩に切り替えることも可能、出産が長引いた場合は帝王切開にすぐに移行することも可能となっていました。
このようにカナダでは無痛分娩や帝王切開に対応できる病院が多いこと、日本に多少残っている「お腹を痛めて我が子を産むべき」という考えが殆どないことからも、カナダでは予め無痛分娩を選ぶ人が多いようです。
また、先にも述べたようにカナダでは無痛分娩も帝王切開も無料という違いも影響しているかもしれません。

カナダで出産をした日本人の話を聞くと、「陣痛が始まって早い段階で帝王切開を勧められた」という人が多くいました。ただし、下記の記事で触れているように「助産師を利用した場合は、帝王切開にならない可能性が高い」というデータもあります。


カナダの産婦人科医と助産師(Midwife)、どちらを選ぶ?メリットとデメリットは?

▶カナダでは「ベビーベッドの中には何も入れないで!」

BC州のHealthLinkのサイトでも明記されているように、「ベビーベッド(crib)の中にブランケットやおもちゃ、ぬいぐるみ、枕を入れておくと、赤ちゃんが窒息したりする可能性があり危険」とされています。両親学級や検診でもベビーベッドには何も入れないように指導されました。
真冬に赤ちゃんにブランケットをかけないことはためらわれるかもしれませんが、カナダでは暖房で部屋の温度を一定に保ったり、寝る際にはSleepersを利用するように推奨されています。

そして同様の理由から、日本ではお馴染みの「ベビーベッドバンパー(Crib Bumper)」も、カナダBC州では利用しないように言われています。

▶カナダでは「沐浴は毎日ではなく、数日に一回」

両親学級でも入院中にも言われたのが、「赤ちゃんのお風呂は数日に一度で十分」ということ。日本では通常毎日沐浴させるので、驚く人も多いと思います。
BC州の夏は、日本に比べると蒸し暑くないものの、夫婦で話し合って沐浴頻度を決めたいですね。

▶生後6ヶ月頃から赤ちゃんを一人で寝かせるカナダ

日本では、子どもが幼稚園や小学校に入るまで親子同室で寝ることも少なくありませんよね。ましてや子どもが1歳未満の時は尚更です。

しかしカナダでは、生後6ヶ月までは母子同室、その後は赤ちゃん一人で子ども部屋の自分のベッドで寝かせることが多いようです。その理由として、一人寝は子どもの自立性を高めることに繋がると考えられていること、そして子どもができた後も夫婦だけの時間は常に大切にするカルチャーが挙げられます。

また、乳児突然死症候群(SIDS)を防ぐため、赤ちゃんは必ず自身のバシネットやベビーベッドで寝かせ、親や他の兄弟と同じ布団やベッドで寝ないように指導されます。

一人で寝かせるのは不安かもしれませんが、カナダではベビーベッドの上にモニターカメラを設置し、呼吸などに異常があった場合はアラームで知らせてくれるシステムを利用するのが定番となっています。

※ただし、生後7か月以降も母子同室で寝ることが推奨されていないわけではありません。乳児突然死症候群(SIDS)の90%は生後6ヶ月以内に起こっていることからも、生後6ヶ月までは必ず同室で寝るように言われています。

▶カナダでは赤ちゃんに「普通のコップ(open cup)」を使用

離乳食を始める6ヶ月検診の時に言われたのが「スパウト型」や「ストロー型」のベビーマグを使わないように、ということ。
ストローなどで飲むコツをつかんでからコップに移行するのではなく、最初から普通のプラスチックのコップ(open cup)で飲ませるように指導されます。そうすることで、赤ちゃんは少量を口に含みゆっくり飲み込む、ということを覚えることができます。
コップにしっかりと唇をあてて、少しずつすすれるように練習しましょう。

ただし実際には赤ちゃんが普通のコップで飲むのは難しく、私の周りでは、この倒れてもこぼれないコップを使っている人が多いです。(BC州保健所の担当者によると、本来はこの蓋も利用しない方が良いそうですが、ストロー型などを利用するよりは良いとのことでした)


photo from Munchkin

▶生後6ヶ月からピーナッツバターを与えるカナダ

アレルギーの観点や喉に引っ掛かりやすいという理由で、日本では「離乳食NG食材」として知られているピーナッツ。1歳まではピーナッツを与えないように言われていますよね。

しかしカナダでは、2015年に「早い段階で乳幼児にピーナッツを与えることが、ピーナッツアレルギーのリスク回避に繋がる」という研究結果が発表されて以降、ピーナッツを離乳食に加えるようにルールが変わりました。

現在では、ピーナッツを滑らかに潰した「スムースタイプのピーナッツバター」を生後6ヶ月から定期的に与えるように指導されています。ピーナッツバターを選ぶ時は、添加物や砂糖などが入っていないIngredientがピーナッツのみの商品を選びましょう。

The New England Journal of Medicine:
Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy (2015)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414850?query=featured_home

【その他に、先輩ママこんなコメントもいただきました】

●カナダでは出産直後にビタミンDの液体サプリを看護婦さんがくれて、毎日1滴ずつ赤ちゃんにあげるように言われました。生後1年まで続けるように指導を受けました。
●カナダでは、赤ちゃんの周囲でタバコを吸っている人がいないか、検診の度に聞かれました。
●日本での帝王切開後は1週間ほど動かないように言われ、看護師さんがずっと世話をしていてくれていましたが、カナダでは産後2日目に傷口と少し歩けるかのチェックがあり、3日目からは身の回りのことは自分でする必要があったので大変でした。
●カナダにいる私の周りの日本人ママは、帝王切開をした人がとても多いです!「アジア人女性と体が大きいカナダ人とのハーフの場合は、帝王切開になる確率が高い」と予め医師には言われていましたが、陣痛から4時間ほどで「自然分娩は難しそうだから今すぐ帝王切開にしましょう」と言われ、帝王切開への決断が早いと感じました。
●カナダでは、出産後の退院時にチャイルドシートを病室まで持っていき、装着方法などのチェックがあります。せっかくチャイルドシート用のブランケットも買っておいたのに、付属のものは何も使わないように注意されたので残念でした。
●カナダでは日本のように洗い場と浴槽が分かれていないので、沐浴させるのが大変でした。カナダでは、キッチンのシンクを赤ちゃんの浴槽代わりにしている人もいてびっくりします。


いかがでしたか?

出産経験者の方、他にも驚いたエピソードがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!

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