バンクーバーの「ヒト」に注目!第21回目 世界で活躍するジャズコンサートピアニスト兼作曲家「ルーファス リン」さん

   
  

皆さん、バンクーバーを拠点に世界で活躍しているジャズコンサートピアニスト兼作曲家のルーファス リン(Rufus Lin)さんをご存知でしょうか?

親日家でもあり、日本でも毎年コンサートを開催していて、日本公演だけでもその数なんと100回以上!

バンクーバーとリッチモンドの3箇所で毎月開催しているジャズリサイタルも人気を集めています。

今回はそんなルーファス リンさんにインタビューを行いました。ジャズピアニスト兼作曲家を目指したきっかけや、今後の音楽活動について聞きましたよ!

記事最後には今後のジャズリサイタル情報もあるので、確認してみてください。

目次

Q1. ジャズピアニスト、作曲家を目指したきっかけを教えてください。

実は、大学の頃はコンピューターサイエンスを専攻していました。しかし度々、音楽部の授業を見学し、音楽部の教授や学生達とも仲良くなって演奏会にも参加しました。

その経験から、プロの演奏者及び作曲家の仕事に興味を持つきっかけとなりました。しかし、当時は経営者として新規事業を立ち上げたばかりで、20代から30代までは忙しく、実際にキャリアとして音楽に集中できたのはだいぶ後になりました。

 

Q2. ホームページを拝見しましたが、作曲した楽曲の楽譜を全て無料配布されているのは何故ですか?

1つの楽譜を販売すると大きな収入になるイメージがあるかもしれませんが、実際は楽譜の販売だけで生活するのは難しいものです。笑

作曲家としてたくさんの音楽家が自分の作品を演奏してくれると嬉しいという気持ちから、全ての楽譜を無料で配布しています。
最終的には、永遠にこの世に私の名を残す、美しい曲を作曲したいと思っています。

 

Q3. 日本でのコンサート開催回数が100回を超えているのですね。日本ではどのような会場でライブをされていたんですか?

私は昔から日本になじみ深くて、実は2005年から毎年日本に出張で行っていましたが、どうせ日本に居るならライブをやりたいなと思い、2010年から日本でのコンサート活動を始めました。

そこでも私なりのこだわりがあって、飲食店やジャズバーで演奏せず、コンサート形式で少人数のホールを貸し切った施設でジャズリサイタルを演奏していました。

 

Q4. そうなんですね。2005年から毎年日本に出張に行かれていたとのことですが、ルーファスさんがここまで日本になじみが深いのは何故でしょうか?

2000年に日本語と英語のみを取り扱う特許翻訳会社を設立しました。会社を設立するまでは日本人と一緒に仕事をしたことがなく、異文化に戸惑うこともありましたが、日本人の社員達と一緒に会社を構築していくのはとても充実した経験でした。

また、私自身も翻訳の経験を積むにつれて、英語とは全面的に違う日本語に心を惹かれて、日本文化にも興味・関心を持つようになりました。

その結果、日本で100回以上コンサートを開催したり、日本の現役画家を専門とした美術館も設立したりしました。

 

Q5. 2020年から2021年にかけて、日本の医療従事者に音楽の癒しを届ける「音楽の千羽鶴プロジェクト」を立ち上げられたそうですね?

はい、コロナ禍の患者の方々、その家族、医療従事者の方々への感謝と応援の気持ちを音楽の形で届けたいという思いから、私が発案してプロジェクトを立ち上げました。

コンサートピアニストの方に依頼して、渋谷ホールで無観客のクラシックライブを開催し、DVDにして医療施設にお配りしたり、千羽鶴プロジェクトへの特別収録CDアルバムをお配りしたり、生配信ライブも行いました。

今まで日本でのビジネスや音楽活動を何年も続けてきたこともあったので、ピンチの時こそ応援したい、音楽を通じて笑顔になって欲しいという想いが強かったので。

 

Q6. ルーファスさんは日本語がとても達者ですが、日本に留学などされていらっしゃったんですか?

実は日本に住んだことも、日本に留学したこともありません。笑

私が専属している音楽プロダクション(ルーファスリンプロダクション)も、今まで経営してきた会社でも日本人の社員が多く、彼らと毎日一緒に働いているので、ある程度の日本語の知識が自然と吸収されてきたのかもしれません。

 

Q7. 最初にコンサートをされた時のお話を聞かせてください

だいぶ前の話なのでよく覚えていませんが、最初の頃は視聴者がとても少なかったです。基本的にはジャズの需要は世界中でも低い方なのですが、少しずつリピーターが増え、ピーク時には小さいホールに50名程のお客様が集まってくださいました。

 

Q8. コロナ禍になり、従来のようにツアーが出来なくなったことで、アーティスト活動にどのように影響がありましたか?

コロナの影響で日本へ行けなくなり、ライブ活動が完全に止まったのが大きかったです。

ロックダウンによってライブ活動もできない頃は、Clubhouse
Instagram を使って毎日生演奏のライブを配信していました。ライブ配信はしたことなく、機器の調整などが大変でした。しかし、次第に配信に慣れて8,000人近くのファンの方がついてくださいました。

そのうちに日本に入国できる日が来ると信じて、バンクーバーで主に作曲活動に集中をしていましたが、2020年になっても状況は変わらず日本へ行けなかったので、バンクーバーでマンスリージャズリサイタルを開催し始めました。

また、外国人の新規入国制限が緩和されたため、2022年6月8日にコロナ後初めての単独ライブを渋谷ホール(東京)で開催することになりました!(記事最後のリサイタルスケジュールに詳細を載せています) 

 

Q9. 毎月ジャズリサイタルが三ヶ所で開催されていますね。ライブハウスなどではなくてワイナリーなどで開催されているのが新しいと思いました。

日本のライブハウスや飲食店でジャズライブをやる制度は独特です。私は以前からライブハウス的な演奏、特に複数のアーティストが順番に演奏する形が好きではないので、いつもワンマンライブ(たまには自分のトリオでやりますが)しか開催しません。

ジャズリサイタルは、お客さんが私の演奏にしっかり耳を傾けてくれるので、私の演奏へのこだわりや努力を伝えることが出来てとても嬉しく思います。有名なジャズアーティストも時にリサイタルを行っていて、ジャズのリサイタルは珍しくありませんよ。

 

Q10. ジャズリサイタルは全てFazioliのグランドピアノで演奏されているんですね!なぜFazioliピアノにこだわって演奏されているのでしょうか?

Fazioliはかなりレアなピアノで、世界で毎年145台しか製造していないそうです。

また、独自の技術(ハンマー機構など)や特殊な素材を使用して設計されているため、他のグランドピアノと比べても、Fazioliピアノは演奏する時にタッチや音色、奏者の表現に反応的に応えてくれるピアニストの楽器の理想そのものだからです。

 

Q11. 最後にジャズコンサートピアニスト、そして作曲家としてのルーファスさんのこれからの音楽活動の目標や夢を教えてください。

私はこれからの長いキャリアを楽しみにしているような若手アーティストではないけれど、長年かけて自分の美学的な哲学、及び演奏の表現をある程度成熟させてきたと信じています。

今後の夢は、自分が好きなこの音楽の仕事で演奏、レコーディング及び作曲活動を続けて、これからも美しい音楽を皆さんに届けることで、癒し、幸せや内なる平和を感じて欲しいと願っています。

 

2022年のライブスケジュール

ライブでは、表情豊かで愛がある優しい演奏で世界を魅了するルーファスさん。

今回の取材を通じて、ルーファスさんの自身の音楽を通じて癒し、幸せといった内なる平和を届けたいという熱い想いこそ、ルーファスさんの魅力の源なのだという印象を受けました。

2022年は、バンクーバーとリッチモンドで毎月ライブをされています。6月には渋谷ホールにてリサイタルが開催されるので、日本に在住の方はぜひチェックしてみてくださいね!(詳細は以下の通り)

(5月)
5/25(水)12:30 PM- 1:30 PM Lunchtime Jazz with Rufus Lin

5/27 (金)6:00 – 7:00pm Jazz on a Fazioli grand piano

5/29 (日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(6月)
6/8(水)8:00- 9:30 PM 「ルーファス リン!久しぶりの!来日記念ジャズライブ」
場所:渋谷ホール&スタジオ
日本時間5/13(金)10:00amからチケット発売開始

6/24(金)6:00 – 7:00pm Jazz on a Fazioli grand piano

6/26(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(7月)
7/29(金)6:00 – 7:00pm Jazz on a Fazioli grand piano

7/31(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(8月)
8/30(火)7:00PM 開演 「日韓加 国際コンサート ピアノの森 ~ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番~」
場所:府中の森芸術劇場 ウィーンホール
日本時間5/13(金)10:00amからチケット発売開始
(ルーファスさん作曲の楽曲が数曲演奏されます) 


(9月)
9/23(金)6:00 – 7:00pm Jazz on a Fazioli grand piano

9/25(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(10月)

10/30(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(11月)

11/27(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery


(12月)
12/16(金)6:00 – 7:00pm Jazz on a Fazioli grand piano

12/18(日) 4:00 – 5:00pm Jazz Artist-in-Residence 2022, Lulu Island Winery

ルーファスさんの演奏が聞きたい!音楽で癒されたい!という方は、是非ルーファスさんのジャズピアノライブへ足を運んでみては如何でしょうか?

ルーファス リン(Rufus Lin)
ジャズピアニスト兼クラシック作曲家
カナダ人リッチモンド在住

2010年から日本にてコンサートを開催、その回数は100回を超える。
2022年は渋谷ホール(東京)での公演に加え、ジャズピアノリサイタルをShaw tower(ダウンタウン)、Showcase Pianos(ブロードウェイ)、Lulu Island Winery(リッチモンド)の三ヶ所にて毎月開催。

YouTube Live, Instagram LiveやClubhouseのライブストリーミングも手がけ、その数は600回を超える。

クラシック作曲家としては、オーケストラ、合唱団、アンサンブル、ソロ楽器向きで様々な曲を出版。Rufus Lin Compositionsにて楽譜の無料配布を行っている。彼が作曲した曲は日本と韓国で演奏されている。

ルーファス リンは「ヒーリングピアノ」「コンテンポラリークラシック」「ジャズスタンダード」など色々なジャンルで、数多くの楽曲をリリースしており、「Amazon Music」や「Apple Music」「Spotify」にて視聴、デジタル音源の購入が出来、HPではCDの購入も可能。

【Rufus Lin Music公式サイト】【Instagram】

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