【郵便物遅延に注意】カナダポスト従業員が5月23日から再びストライキの可能性

   
  

カナダポストは、約5万5,000人の労働者を代表するカナダ郵便労働者組合(CUPW)から、2025年5月23日(金)午前0時よりストライキを開始する旨の通知を受け取りました。23日までに合意に至らない場合、ストライキが始まります。

CUPWは、労働協約の期限が切れると、カナダポストが一方的に労働条件を変更し、従業員の福利厚生を停止する可能性があることを懸念しており、カナダポスト側に「交渉のテーブルに戻る時間はまだあります。引き続き交渉に尽力し、雇用主にも同様の努力を強く求めます。」と記しています。

ストライキの主な要因は?

今回のストライキの背景には、以下のような労働条件に関する争点があります。

インフレ率に合わせた賃金引き上げ:
CUPWは4年間で24%の賃上げを求めていますが、カナダポストは11.5%の引き上げを提案しています。

団体福利厚生の拡充:
不妊治療や性別適合ケアの適用範囲拡大など

週末勤務:
カナダポストがパートタイムを雇って週末の配達拡大を提案していることに対し、組合は反対しています。(現在、フルタイムの郵便局員は週末の勤務に対して残業代をもらっている)

農村部の配達条件:
農村部の配達員は、長距離のルートや過酷な労働条件に直面しており、組合はこれらの改善を求めています。

技術革新に対する保護の強化:
カナダポストがAIや自動化技術を導入し、業務効率化を図る中で、従業員の雇用や労働条件への影響が懸念されています。

組合は「私たちの要求は妥当」と述べています。

ストライキが始まれば中小企業に大きな影響

今回のストライキは、昨年11月から12月にかけて行われた32日間のストライキに続くものであり、短期間での再発となります。

カナダポストは影響を受けない地域では配達を継続する予定ですが、全国的なストライキが発生した場合、紛争が収束するまで新たな小包および郵便物の受け付けを停止し、配達も中断すると発表。(※社会扶助小切手と動物は配達は例外)

ネットワーク内のすべての郵便物および小包は、安全に保管され、業務再開後に可能な限り迅速に配達されるとのことです。ストライキが終わってからも、処理と配達が完全に通常に戻るにはしばらく時間がかかると見込まれています。

昨年11月と12月のホリデーシーズンを控えた配送ピーク時に続いたストライキにより、大量の郵便物が未配達となり、特に中小企業に大きな影響を与えました。カナダ独立事業者連盟(CFIB)は、前回のストライキによる中小企業の損失を10億ドル以上と見積もっています。

カナダポストは存亡の危機に直面

2018年以降、カナダポストは税引前損失で30億ドル以上を計上しており、2025年初頭には、カナダ政府がカナダポストに対し、破産を回避するため、最大10億3,400万ドル($1.034 billion)の返済可能な資金提供を発表していました。

今回のストライキが再び行われると、経営にさらなる悪影響が出てきそうです。

最新の情報や交渉の進展については、カナダポストの公式ウェブサイトやCUPWのウェブサイトを通じて確認することをお勧めします。早く合意に至ることを願うばかりです。

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