《 ラバトワール 》ギャスタウンでおしゃれディナー

   
  

「石川まりこのとっておきバンクーバー」
文・写真/石川まりこ

2021年2月21日更新

バンクーバー市が制定されたのは1886年(明治19年)4月6日。翌年の1887年にカナダ太平洋鉄道 Canadian Pacific Railway(CPR)がモントリオールからバンクーバーまで全線開通し、当時の中心街ギャスタウン Gastown は大賑わいでした。

大陸横断鉄道駅の東側のウォーター通り Water Street には、立派な赤レンガのビルが立ち並び、太平洋航路の積荷を扱う貿易会社が軒を連ね、たくさんの人々が行き交っていました。

そのギャスタウンの東の端に建てられたのは、バンクーバーで最初の牢屋。それをレトロモダンに改装して、2010年にオープンしたラバトワール L’Abattoir は、フレンチスタイルのウェストコースト料理店です。

ウェストコースト料理 West Coast Cuisine とは、カナダ西海岸のシーフードや地元ブリティッシュコロンビア州の新鮮食材を駆使した創作料理のこと。バンクーバーでカナダの本格グルメを楽しみたいなら、ウェストコースト料理を選べばまず間違いありません。

バンクーバー島出身のオーナーシェフ、リー・クーパー Lee Cooper は徹底的に手作りにこだわる人。ソースやケチャップはもちろんのこと、パンやソーセージ、パテなど、原材料から選び抜いて、一から丁寧に作っています。

食材はできる限り地元のオーガニック農場から仕入れ、料理法は基本に忠実に、しかし常に新しい味を探っていると語るシェフ。

洗練された料理の数々が気取りなく楽しめるのも魅力のひとつ。メニューはシーズンによって変わるので、ウェブサイトで予習してから行くのもおすすめです。

ギンダラ sablefish はカナダ西海岸の白身の魚で、身がプリプリと引き締まって美味。メニューにはキンムツ ling cod やベニザケ sockey salmon など地元のシーフードがよく登場します。

鴨のグリルがメニューにあればラッキー! あっさりとしたバルサミコ酢と芳醇な赤ワインのソースが絶品。

前菜もメインも全体的な量は少なめ。でもそれはデザートを最後まで美味しく食べ切れるように計算されているから。手作りのシャーベット Sorbet があれば必ずお試しください!

飲める方なら、おしゃれなバーカウンターでゆっくりおしゃべりしながら、さわやかなカクテルワインをどうぞ。

ラバトワール
L’Abattoir
住所:217 Carrall Street, Vancouver, BC V6B 2J2
電話:604-568-1701

石川まりこトラベルライター・ツアープランナー・ツアーガイド

石川 まりこ

11歳でひとり旅を始めて、中学・高校時代は日本全国を鉄道でめぐる。19歳で初めてアメリカに行き世界の広さを実感。23歳で中国を3ヶ月旅して、多様な文化を体感。その後、海外旅行添乗員として約50か国をご案内。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライターとして、カナダ専門旅行会社 ARA Professional Travel & Support Inc. に勤務。ツイッターフリッカーでカナダの現地情報を発信中。

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