カナダ・ブリティッシュコロンビア州では現在、約70万人の住民はファミリードクターがいない状態だと報じられています。専門医(スペシャリスト)への待機リストも拡大しており、120万人もの患者が心臓病、神経科、整形外科などで長期待ちとなっているともいわれています。
そんな医師不足が問題になっている中、サイモンフレーザー大学(SFU)は、新設となる医学部(School of Medicine)がカナダ医学部認定委員会(CACMS)から予備認定を取得し、第1期生の入学願書受付を開始したことを先日発表しました。
この医学部は、西カナダでなんと約60年ぶりに新設されるもので、西カナダ地域における医学教育の拡充・医師の養成能力強化を目的としています。
最初の医学部入学定員として48人を見込んでおり、2026年8月に暫定拠点となるSFUサレー・キャンパスで学業を開始します。規模は徐々に拡大され、将来的には年間120人規模の学生を受け入れる構想があります。
学生はプログラム開始からわずか1か月で臨床研修を開始し、州内の地域密着型の診療所、クリニック、病院で実践的な経験を積みます。
SFU’s new School of Medicine, the first in Western Canada in nearly 60 years, is now officially accepting applications for its first cohort of future physicians! The inaugural class will begin the program in August 2026.
A new permanent site has also been announced for the… pic.twitter.com/3bB991Db9e
— Simon Fraser University (@SFU) October 14, 2025
また、医学部の恒久的なキャンパス新設が決定したことも発表されました。
恒久的な拠点は、サレー市中心部のセンターブロック開発地区に位置し、SFUサレー・キャンパスとサレー・セントラル・スカイトレイン駅に隣接しています。専用施設は12階建ての建物の8フロアを占め、教室、臨床技能訓練室、研究室、管理事務所、そして託児所を備えています。SFUの学校敷地内には外来診療所も併設され、研修の場としてだけでなく、地域社会の医療資源としても機能します。
恒久的な施設の建設は2026年後半に開始され、2030年秋に開校する予定です。推定5億2,000万ドルの資本費は、州とSFUが分担します。
We’re investing in health care for families — today and for generations to come.
@SFU’s new medical school in #Surrey will train future family doctors and strengthen care for people across B.C.
A proud moment for our city and province. Congrats @SFU! 🎉 pic.twitter.com/rba8TvToGH— Garry Begg (@GarryBeggBC) October 14, 2025
SFUのJoy Johnson学長は「SFUは、教育と研究を通じて、ブリティッシュコロンビア州と私たちが奉仕する地域社会に貢献することに尽力しています。」「新設の医学部は、地域社会に根ざし、社会的責任を果たし、文化に配慮したプライマリヘルスケアを提供できる未来の医師を育成することで、この強いコミットメントを体現するでしょう。」と語っています。
また、David Eby州首相は「この2つの大きな節目は、緊急に必要とされている次世代のかかりつけ医を、サレーで育成することに一歩近づいたことになります」と述べました。
SFU の医学部については興味のある方は、SFUの公式サイトで確認してみてください。
SFU School of Medicine
【公式サイト】
SFU News
SFU School of Medicine opens applications, announces plans for new Surrey location