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久石譲さんカナダ独占インタビュー。新しいクラシック、音楽がもたらすもの

   
  

LifeVancouverでも先日告知しましたが、2022年6月17日(金)と18日(土)に、Orpheum で久石譲さんとバンクーバー交響楽団(VSO)によるコンサート「Music of Joe Hisaishi」が開催され、大盛況に終わりました。

そしてLifeVancouverでは、6月17日のコンサート前に久石譲さんのカナダ独占となるインタビューをさせていただくことができました。

そこで今回は、久石譲さんへのインタビュー内容を紹介したいと思います。今回のバンクーバー公演を観たという方はもちろん、コンサートに行けなかったという方も、ぜひ確認してみてください。

 

バンクーバーでのコンサート「Music of Joe Hisaishi」の構成について

Q. 今回カナダ初公演ということで、バンクーバー公演のプログラムを拝見しました。純音楽的な第2番と映画音楽のシーンでも著名な曲目で構成されていると思うのですが、今回の構成について少しお話を伺えますでしょうか?

僕はもともとミニマルミュージック的な現代音楽をずっとやってきているから、そちらでの交響曲第2番(を選んでいます)。これはもう本当に、いわゆるクラシックのコンテンポラリーミュージックとして書いたものです。

それと、映画音楽を聴きたいという声も多いので「そういうのも入れるかな」と。今回選んでいる『もののけ姫』なんかも、基本的にはきちんとしたシンフォニーオーケストラ用に組曲として完成させたものなので、全体には非常にクラシック的な、いわゆるオーケストラのコンサートとして成立させるようにしてます。

 

新しいクラシック

Q. 日本でもこれから控えているブラームス交響曲のツイクルス公演や、既に公演が終わったと思うのですが、ロック・ザ・ベートーベンのプログラムもあったりなど、聴く側からすると、久石さんが様々な切り口で新しい何かを追求しているように思えるのですが・・・

そうですね、やはり現代に生きる作曲家なので、新しいチャレンジをするのが一番大事です。ですから作曲もそうですし、たまたまですが、いろんな曲を大分指揮させてもらうようになりました。

クラシックもどちらかというと、新しいクラシックって言うんですかね。だんだん時代と共にちょっとずつ変わってくるので、だからわりとその中でも「こういうアプローチがあっていいんじゃないか」みたいな、そういうクラシックです。

新しい、つまり「未来にクラシックがきっとこうなるだろう」というものを提供しているつもりですね。

 

2面性を持つアーティストとして

Q. 映画音楽家としての久石譲さんと、クラシック曲の新たな魅力を引き出し続けている久石譲さん、これが現在同じ体の中で共存しているイメージを受けるのですが、ご自身でどう思われますか?

それ、すごく悩んだんですけれど、若い大谷翔平君を見て吹っ切れましたね。「ピッチャーかバッターかじゃなくて、両方やっていいんだ」というのをあの若さが示してくれたじゃないですか。世界中が認めたことで、とても勇気をもらいました。

僕もエンターテイメントと映画音楽などの作曲と作品を書いていて、どちらかに絞らなきゃいけないんじゃないかと随分悩んでいたんですけど、「あ!両方好きなんだから両方やる」と、割り切れました。

逆に僕は指揮しているから、3つやっている感じですね。

 

音楽がもたらすものについて

Q. 2022年の今でも、コロナ禍が地域によってはまだまだ続いていると思います。そして、戦争だったりという世界の試練がまだ続いてるイメージがあるのですが、その中で音楽が我々にもたらすものをどうお考えですか?

社会的・政治的な問題には、やはり音楽というのは関わるべきではないという気がします。関わるべきではないというよりは、結局音楽っていうのは、一人ひとりの人間にとって必要か必要じゃないか、あるいは勇気づけられるか、そういうレベルの話です。

そうしないと音楽は、一歩間違えると全員でのマーチになります。そうすると、全員が行進するための音楽だったりするわけで、これって逆に非常にひどい専制的な政治に利用されたりもしてしまうんです。だから音楽というのは、あくまで個人のものであるべきだと思います。

僕はこの2年間、(コロナ禍によって)海外のコンサートなんか全部延期になったことで、自分の時間をたくさん持てたんですよ。シンフォニーの1番は7年も8年もかかったのに、この2年間で2曲シンフォニーの2番3番を書きましたからね。

そうすると、人ってやはり与えられた試練というか条件の中でどう生きるかは自分の問題ですよね。だから、そういう意味でいうと、僕は非常にきつかったかもしれないのですが、良かったこともやはり起こっているわけです。

その中で、自分にとってやはり音楽をやれた良さをすごく感じたし、逆に言うとこの期間中に数少ない年間のコンサートをやりました。そうすると、本当にお客さんが待っているんですよ、日本でも。2カ月前のフランスなんかもそうでしたね、パリなんかもすごい人出でした。みんな本当に音楽を待ってたというのがよく分かるんです。

そうすると、パンだけでは人間生きていけないよっていう話で、やはりこういう喜びがなかったら生きられないですよね。だから、音楽が絶対必要だと思います。必要であって欲しいと思います。

 

ファンに向けてのメッセージ

Q. バンクーバーには日系の方だったり日本の方も多くいます。バンクーバーならびに各国で久石さんのコンサートを待ちわびているファンに向けて何かメッセージはありますか?

今晩(6月17日)コンサートでまだ実際にお会いしていないので、ちょっとリアルな実感がないんですけども、こちらに日本人の方が大勢いるのはよく分かっています。もし今日お会いできて何らかのメッセージをこちらから発信できれば、あるいは喜んでもらえたらすごく嬉しいと思います。

逆に、音楽で通じ合えるというか、自分が演奏する、オーケストラと演奏することによって、少しでも豊かな気持ちになってもらえたらそれだけですごく嬉しいので、是非皆さん楽しみにしててください。


いかがでしたか?

インタビューでは作曲と創作活動、今までの歩みに対する久石さんの考えと思いを伺えただけではなく、同じく世界で活躍されている日本の若者から得たひらめきや悟りなどに関してのお話も伺えたことが忘れられません。

一人の人間としての久石さんの思いには、作品以上に心から共鳴しました。本当にありがとうございました。

ということで、久石譲さんの今後のスケジュールなどを知りたい方は、公式サイトやSNSをチェックしてみてください。

Music of Joe Hisaishi – Vancouver Symphony Orchestra

開催:2022年6月17日、18日 ※既に終了しています
場所:Orpheum
【公式サイト】【Joe Hisaishi紹介ページ】

【久石譲オフィシャルサイト】【Facebook】【Instagram】【パーソナルInstagram】【Twitter】【YouTube】

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