カナダ、新パンデミック支援プログラムへ移行。観光・ホスピタリティ産業の支援も

   
  

カナダのクリスティア・フリーランド副首相兼財務相は本日21日(木)、個人・企業向けの既存のパンデミック支援プログラムのいくつかが今週末の23日(土)に終了し、新しい「ターゲットを定めた措置」へ移行することを発表しました。

その新しい措置は2021年10月24日から2022年5月7日までが予定されていて、推定74億ドルが費やされるようです。

10月23日に終了となるのは以下3つの支援プログラムです。

・Canada Emergency Rent Subsidy (CERS)
・Canada Emergency Wage Subsidy (CEWS)
・Canada Recovery Benefit(CRB)

 

企業向け支援

「Canada Emergency Rent Subsidy」と「Canada Emergency Wage Subsidy」は予定通り10月23日に終了します。

11月20日に終了する予定だった適格企業の追加給与コストの最大50%をカバーする「Canada Recovery Hiring Program」は5月7日まで延長となります。

そして、以前総選挙のキャンペーンの間、自由党は苦戦している観光産業を助けるために費用の最大75パーセントの賃金と家賃の支援を提供することを約束していたことを覚えている方も多いと思います。

その点を含めて、政府は10月24日以降に新たなターゲットを定めた支援プログラムを導入予定です。

1つ目は「Tourism and Hospitality Recovery」で、パンデミックによって大打撃を受けた観光およびホスピタリティ業界の賃金と家賃を補助する予定です。

ホテルやレストラン、旅行代理店、ツアーオペレーター等が対象で最大75%の補助金を受け取ることができます。

2つ目が、「Hardest Hit Business Recovery Program」で、「深刻で永続的な損失(deep and enduring losses)」を示す可能性のある「最も打撃を受けた企業」にも賃金と家賃の補助金を提供するためのプログラムです。

そしてCBCによると、一時的な州のロックダウンに直面している企業はパンデミックの過程での損失に関係なく、最大額の賃金および家賃補助金プログラムの対象となるとのことです。

ちなみに先日、Canadian Federation of Independent Business (CFIB)Canadian Chamber of Commerce は、支援の延長を全てのビジネスに適用し、家賃と賃金の補助金を2022年3月31日まで延長することを望んでいるとしていました。

CFIBによると、パンデミックの第4波のために、多くの中小企業が依然として経営に苦労していて、中小企業の49%だけが通常の収入を得ているとのことです。

 

個人向け支援

個人をサポートしている「Canada Recovery Benefit」も10月23日に期限切れとなります。

その代わりにEIの資格がない労働者を含む、州のロックダウンの対象となる資格がある労働者に週300ドルを補助する「Canada Worker Lockdown Benefit」を開始することも発表されました。

ちなみにCFIBは、「Canada Recovery Benefitはカナダ全土でパートタイム労働力の不足が拡大している一因となっている」「多くのパートタイム労働者は仕事をしているときよりもプログラムでより多くの収入を得ている」「Canada Recovery Benefitを受け取る人が仕事に戻ったときよりも多くの利益を得られないようにすることを望んでいる」と以前述べていました。

もう一方で「Canada Recovery Sickness Benefit(CRSB)」と「Canada Recovery Caregiver Benefit(CRCB)」は5月7日まで延長されることがアナウンスされました。


今回の新しいパンデミック支援プログラムへの移行に関してフリーランド副首相兼財務相は、「第4の波または予期しない追加の波が私たちを襲った場合、私たちは公衆衛生当局に知らせてもらい、労働者に支援がそこにあることを知ってもらいたい」と述べました。

ちなみに、カナダはパンデミックによる最悪の日々の後の新しい段階にあり、高いワクチン接種率と経済の回復を背景に、パンデミックによって失われた雇用は100%回復したとのことです。

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