【ちょっと真面目な話】バンクーバーの15歳ゲイの少年が父親に侮辱された件

   
  

みなさん、「ゲイ」についてどこまでご存知ですか?
 

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「世界がもし100人の村だったら」という本が過去に日本で流行りましたが、その本の中には「もしも世界が100人の村だったら、90人が異性愛者で10人が同性愛者。」と書かれています。つまり全世界人口の約10%は同性愛者だというのです。(※3~5%という意見もあります。)

最近、日本のテレビでは「オネエタレント」を見ない日はありません。そんな日常だと世間的にゲイが浸透してきたように表面上見えてしまいがちですが、「ゲイ=オネエ」とは決して言えないのを知っている方も多いのではないでしょうか。そう、

ゲイにはごくごく普通の人も含まれます。

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というよりむしろ普通の人が大半です。(何が普通かという定義は置いておいて。)

日本や同性愛についてあまり理解が進んでいない国では、ゲイの男性が女性が好きだと嘘をついて暮らしていたり、結婚することを周りから急かされて偽装結婚に至ったり、実の親にカミングアウトしないまま生きていくというケースも多いです。ライターのぼく自身、日本でそんな人たちにたくさん出合ってきました。

 
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ではバンクーバーはどうかというと、日本より同性愛の理解が進んでいるのは確かです。

同性カップルの結婚が法律で認められていたり、手を繋いでいる男性カップル(又は女性カップル)を見るのも、ごくごく日常的な風景の一つだったりします。もちろん日本が悪いと言っているわけではないのですが、バンクーバーはゲイピープルにとって、ゲイとして社会的に溶け込みやすい環境が出来ているのです。

 

しかし、そんなゲイフレンドリーなバンクーバーで、先日とても残念なニュースが流れてきました。それは、バンクーバー在住のTylerさん(15歳)が父親に自分はゲイだとカミングアウトしたところ、父親から

「worse than death(死ぬことより悪い)」

という言葉が返ってきた、というものでした。その後、Tylerさんは父親からのメッセージをSNSにアップしました。以下はその一部です。(※既に父親から削除を求められ、SNS上では見ることはできないようです。) 思春期で不安定になりがちな時期の男の子に、容赦のない父親の言葉が突き刺さります。


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この言葉にTylerさんは傷つき、父のいる家を出て叔母の家に引っ越したそうです。

「父親が理解してくれるとは思っていなかったけど、言わないではいられなかった。もう自分だけではこのことを抱えきれなかった。」

とTylerさんはメディアに対して語っています。
 


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このニュースが報道されてから、Tylerさんの元には世界中からSNSを通して世界中から励ましの声が届いています。また、彼の父親に対して「一日も早くTylerさんのことを理解してあげて!」という呼びかけも多々ありました。
 
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ちなみに、日本でも大ベストセラーとなった「話を聞かない男、地図が読めない女」では、「同性愛者になるかどうかは生まれる前のホルモンバランスで決まる」と書いてあります。もちろん100%立証されていることではないのかもしれませんが、もしそうであるのならば、「誰にも性嗜好の違いを責める資格はない」ということです。

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さらに、同性愛者であることを公言している社民党の石川大我氏の著書「ボクの彼氏はどこにいる?」には「アメリカでは5時間に一人、思春期の同性愛者が自殺している。」とも記されています。まだまだ北米でも同性愛者にとって生きづらい面が多いのが現状なのです。
 

最後に

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もしかしたらこの記事を読んでくださっている方の中には、

「ゲイの人たちが苦手。」「ゲイってちょっと気持ち悪い。」

と思っている方もいらっしゃるかもしれません。Tylerさんの父親のように息子から思ってもみないことを突然言われたら、誰だって驚きのあまりひどいことを言ってしまうかもしれませんよね。

誰にでも好きなものと嫌いなものがあるので、同性愛者が嫌いな人に「好きになる努力をしろ!」なんて言えないのですが、もしそういう方がおられましたら、もう一度だけよく考えてみていただけたらな、と個人的には思います。金子みすゞ さんの有名な詩の中も

「みんなちがって、みんないい」

という言葉があるように、ひとりひとりみんな個性があるのだから、それを認め合える世の中になるといいですね。

一日も早くTylerさんとお父さんが理解し合あえますように。

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