バンクーバーのこの「ヒト」に注目!第14回目、写真家・Yukiko Onleyさん

   
  

「芸術の秋」

なんていいますが、芸術は春夏秋冬いつでも楽しんでいたいもの。バンクーバーのこの「ヒト」に注目!第14回目は、写真家として活躍される一方で、多目的スペース「Visual Space」を去年の12月にオープンされた Yukiko Onley さんです。

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「写真に対する想い」「Visual Spaceを運営することにした理由」、そして「夢を持って頑張る人たちへの言葉」

ゆきこさんから紡がれる言葉にはしっかりとした説得力があり、背中をぽんっ、と押してくれる優しさと温かさ、前向きさがあります。夢に向かって日々努力している方、またアートが大好きという方、もちろんそれ以外の方もぜひ以下の内容を読んでみてください。きっと何か得られるものがあると思いますよ。

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①ゆきこさんとバンクーバー、写真について

Q.バンクーバーに来たきっかけを教えてください。

日本で語学学校に通っていたのですが、一向に英語が上手くならなくて。そんな中、語学学校の先生のお友達(バンクーバー在住)に赤ちゃんができて「子守が欲しい」という話を聞いて、飛びつきました。当時(1970年代)は「女性が自分の思うように生きる」ことが特に難しい社会だったから海外に行けるチャンスなんてないと思ってた。女性が一人で海外に行くのは、当時は本当にまれなことでした。でも冒険心というか「自分の思うようにしたい」という意識が、私は強かったんだと思います。

 

Q.長年暮らしてきて思う、バンクーバーの良い点と悪い点は?

良い点は自然に囲まれているところ。空気も美味しいし、のんびりしてる。でも反対に言えば、大阪や東京などの大きい都市と比べるとのんびりし過ぎているのかもしれない。特に1970年代の頃のバンクーバーは静かすぎて「うわぁ・・・」と(笑)。静かさに慣れるのが大変でした。今でもバンクーバーのダウンタウンってすごく狭いから、大阪なんかに行くと「バンクーバーってこじんまりしてる」って感じるかな。
 
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Q.昔から写真に興味があったのですか?

昔はね、観るのは好きだったの。でも自分でやろうとは思っていなかった。30代の半ばくらいには絵を描いていたのだけど、自分に才能がないことが分かって(笑)。
でも「クリエイティブなことがやりたい」という意識は常にあった。で、「写真なら私にもできるかな?」って(笑)。だから写真を始めたのは30代の後半くらい!ちなみに20代の頃は日本で3年くらい事務をやっていました。

 

Q.30代後半で写真を始めたことを遅いと思ったことはありますか?

いや、そのへんがバンクーバーのいいところで。年齢に関係なく、みんなやりたいことを始められるのがバンクーバーを含めカナダ、北アメリカの良い所だと思います。「年だから」「女だから」とかは、ぜんぜん言われなかった。

 
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Q.プロの写真家になったのはいつからで、またどのように写真を勉強されたのですか?

最初から「写真やるんだったら、絶対プロでやろう。」と思ってた。それでちょっとだけ学校に行って、大体分かってきたら「私、プロです。」ってすぐ言うようになって(笑)。写真の勉強は、「Vancouver School Board」のコースをいくつか取った、という程度かな。写真に限らず様々な分野のコースがあって、夜や週末に受講できるようになっていると思います。
(※Vancouver School Boardのホームページはこちら。)

 

Q.ゆきこさんといえばポートレイトやウェディング写真のイメージがあるのですが、ヒトを撮ることの魅力とは?

それはやっぱり「誰にでも魅力があるから」。景色なんかも撮らないわけではないけど、やっぱり私にとって一番面白いのは「人」です。

 
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Q.写真家として「大変だな」と思うこと、「心がけていること」を教えてください。

写真って今の時代、誰でもやるじゃないですか。でも私は長年撮ってきて、「自分が納得できる写真を撮るのは限りなく難しい」といつも思う。「被写体の何を引き出すか」を考えないといけないし。自分と相手が向かい合って生まれるエネルギーは人と人とでそれぞれ違うから、そういうこともすごく意識しています。

あと、被写体が私(撮影者)を呑んでしまってもダメだし、私が被写体を呑んでしまってもダメなので、その微妙なバランスが大事だと思っています。写真家によっては完全に被写体をコントロールしたいという人もいるけど、私は「五分五分でやりましょう。」というスタンス。特に知名度の高い人や社会的に地位の高い人を撮る機会もあるので、そういうときは呑まれないように構えて撮らないと、呑まれたような写真しか撮れないから気をつけています。ただ、誰であろうと「私と一緒にこれだけの時間を一緒に過ごしていただいてありがとうございます。」っていうリスペクトの気持ちでいつも撮っています。

ちなみに写真って、撮る人の人柄がほんとにすごく出るんですよ。アグレッシブな人はアグレッシブな写真を撮るし、優しい人は優しい写真になるから、自分が撮った写真をザッと10枚くらい並べるとその人が分かります。そういうところ、すごく面白いと思いますね。
 

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Q.写真を学びたい人のために講座も開いているということですが。

通常は3~4人くらいの少人数制で教えています。日にちや時間帯は生徒さんの都合に合わせるので不規則になります。初心者の方や中級者の方、一眼レフカメラを持っていない方でも、ひとりひとりに合わせて教えることを心がけているので、安心して学んでいただけるかと思います。
(※詳しいことはゆきこさんのホームページからお問い合わせください。)
  
 

②多目的スペース「Visual Space」について

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(撮影:銀杏仁美さん)

Q.去年の12月に多目的スペースであるVisual Spaceをオープンされましたが、そのきっかけとは。

以前、写真スタジオとして違う場所を借りていたときに、アーティストのお友達から「スタジオを使って展示会などをさせてくれないか?」と頼まれることが次第に増えてきて。でも、その場所を去年の6月に出ないといけないことになり、次の場所を探しているときに、たまたま今の場所が見つかりました。それで今回は「写真のスタジオとしても使用しつつ、ギャラリーの面をもっと前に押し出していこう。」という話になりました。
 

Q.オープンするまでにけっこう大変だったそうですね。

今の場所が見つかったのが去年の7月か8月くらいだったのですが、契約に時間がかかってしまったり、内装がすごく汚かったので自分たちでペンキ塗りなんかもして(笑)。約4ヶ月くらいかけてオープンにつなげました。

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(改装作業の途中)

Q.絵画や写真の展示会だけでなく、様々なことに使用できるスペースだということですが。

今度ここで結婚式も行われるんですよ。すごく楽しみにしています。ほかにも、書道と音楽を組み合わせたパフォーマンスや、ワークショップなども予定しておりまして、さらにファションショーや様々なジャンルのコンサートもやっていきたいと思っています。適当な広さで借賃もそこまで出さなくてよいので、とても融通の効くスペースだと思っています。
 

Q.共同経営者のPeter EastwoodさんとNoriko Tidballさんのことを教えてください。

ピーターとは、以前やっていた写真スタジオを一緒に始めた仲。私が新しいスタジオを探しているときに、知り合いだった彼も探していて、「じゃあ一緒に始めましょうか。」ということになりました。ノリコさんは元々、私の写真講座の生徒さんだったんですよ。二人とも写真家として活躍しています。

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(写真左より、Yukiko Onleyさん、Noriko Tidballさん、Peter Eastwoodさん)(撮影:銀杏仁美さん)

Q.今後のVisual Spaceの予定を教えてください。

2月6日から家具デザイナーであるくわばらせいじさんの「照」をテーマにした家具の展示会が始まります!その次は「書」の展示会が2月末にあります。尺八奏者のAlcvin Ryuzen Ramosさんと絵書家の井上悦子さんによるデモンストレーションがありますので、ぜひお気軽にお越しください。

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③最後に

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Q.これからどのような活動をしていきたいですか?

私は以前から自分の作品として、アーティストのポートレートを撮っているので、それを持続していくのが一つかな。展示会もここしばらくやっていないので、そろそろ考えて行きたいです。でも、今はVisual Spaceをもっと軌道にのせたいというのが、目前の目標ですね。

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Q.バンクーバーで夢を持って頑張っている人たちにアドバイスを一言お願いします!

少々障害があってもくじけずに進んでいける人もいれば、そうでない人もいる。夢のある人みんなに「諦めずに夢を追ってください。」とは無責任な気がして、私は言えないです。でも人間にはやっぱり「運」みたいなものがあって、いつ来るかは分からないけど長く続けていけば運に出合うチャンスはきっとあると思います。

あと、自分の持っている特別なクオリティを見つけてくれる人に出合うこと。そんな出合いが、すごくその人の力になると思います。だから「自分を外に出すこと」。自分を表現しておかないと、出合いのチャンスもなくなってしまうと思います。

夢を叶えるには、才能もあれば、性格もあれば、運もある。でも、バンクーバー、というか北アメリカは、本人の意志とか努力していく態度を反映しやすいところだと思うので、私が今やっていることは「きっと日本ではできなかったんだろうな」と思います。

私は失敗をしたほうがいいと思うんです。わざと失敗するのはダメですよ(笑)。でも、取り返しのできない失敗というものをしない限り、少々の失敗をしたほうがいい。失敗してもやり直せる人が生き残れる。だからジグザグで生きた人のほうがすごく強いような気がします。

ありがとうございました!

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Yukiko Onleyさん

兵庫県伊丹市出身。1976年よりバンクーバー在住。
プロの写真家として出発以来、人物写真を中心に活動を続けており、その作品は高く評価されている。ダンス、舞台作品などの撮影も多く手がけている。写真家のPeter Eastwoodさん、Noriko Tidballさんと共に多目的スペース Visual Spaceをバンクーバー市内にて経営。

ゆきこさんのホームページ : http://www.yukikoonley.com/
ウェディング写真のホームページ :
http://www.simpleweddingphotography.info
着物着付けの方とのシェアーサイト :
http://www.kimonobyfumiko.com
Facebookの写真ページ :
https://www.facebook.com/pages/Yukiko-Onley-Photographer/506400562768352

 

Visual Space

電話番号 : (604) 559-0576
営業時間 : 火曜日から土曜日の午後12時から18時まで
(※特別展はその都度時間が変わります。)
Visual Spaceのホームページ : http://www.visualspace.ca
住所 : 3352 DUNBAR STREET VANCOUVER BC V6S 2C1
(※ダウンタウンから7番「Dunbar」のバス一本で気軽に行くことができます。)
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(※編集後記)
ゆきこさんに初めてお会いしたとき一番に思ったのが、「すごくオーラのある方!」ということでした。今回インタビューというカタチでお話をさせていただいて、そのオーラの理由が分かったような気がしました。ゆきこさんの相手を尊重して撮影するスタイルと同じで、喋っているときもぼくのことをすごく尊重して喋ってくれたのです。

「誰であってもリスペクトして撮影する」という言葉がインタビューの中でもとりわけ印象的で、そういう他人を尊重する姿勢で生きてこられたからこそのオーラなんだなぁ、と。カッコイイですよね、すごく。

喋れば喋るほど、どんどんゆきこさんの素敵な面を垣間見れたような気がして、お仕事であるにも関わらず自分が一番楽しんでしまいましたが、みなさんいかがだったでしょうか?

あとちなみにコチラ。

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Visual Spaceでは、バンクーバー在住アーティストの方々によるポストカードも販売されていました。「もう選べないッ!」っていうぐらいたくさんの種類がありましたよ。こちらは1つ5~6ドルだそうですので、このカードを買いにVisual Spaceを訪れるのも全然アリだと思いました。

それではまた。

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