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カナダで護身用に何が携帯可能か調べてみた。バンクーバー警察による自己防衛ヒントも紹介

   
  

日本やカナダに限らず、ストリートを歩いていると知らない人に後を付けられたりするなどの経験がある方(特に女性の方)、実は多いのではないでしょうか?

夜中に危ないといわれるエリアに行かないのはもちろんですが、日中でも危険はどこにでもありますよね。

そこで今回は、家の外で自己防衛のために何が携帯できるのか調べてみたので、その結果をお伝えします。

 

自己防衛(セルフディフェンス)のために、公共の場で武器を隠して所持することはカナダで違法=つまり護身用に武器を携帯しておくことは不可

結論からいうと、自己防衛のためにナイフやナックルなど武器となるものを隠し持っていることはカナダで違法となります。

ハリファックスのニュースメディア「The Coast Halifax」が、Halifax Regional Police の Pierre Bourdages氏にセルフディフェンスについてインタビューした記事には、

「自分自身を守り攻撃を撃退するために必要なだけの力を使う権利はもちろんありますが、セルフディフェンス目的で何か武器を携帯することはできません。これらの武器を携帯する意図が自分自身を守ること、または誰かに危害を加えることである場合、隠された武器を携帯した罪で起訴される可能性があります。」

と書かれています。

ここでいう武器とは、他人を負傷させたり脅迫できるもの、またそれを目的としてつくられたもの全てが該当します。つまり、自己防衛目的のスタンガンなどもカナダの公共の場では携帯できないということですね。

日本では催涙スプレーも売られていたりしますが、Amazon.caで探してみると、犬用のものしか販売されていませんでした。

「アウトドア用品のお店だとベアスプレーが販売されているし、これなら法的に携帯するのもOKなのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、バンクーバー警察によると、熊用のスプレーを山などに行くときではなく、例としてレストランにスプレーを携帯して行くのは「does not make sense」とのことなので、こちらもお気を付けください。

 

自己防衛目的で何も武器を携帯できないなら、どうやって身を守ればいいの?⇒ホイッスルやアラームは携帯OK

ここまで読むと、「突然襲われそうになったとき、どうやって対応すればいいんだろう・・・」と思う方もいるかと思います。

先ほどのHalifax Regional Police の Pierre Bourdages氏によると、「周りの注意を引く安価なエアホーン(警笛)を財布に入れて携帯したりするのであれば、問題無いので推奨します。」とのことでした。

また、調べてみると、バンクーバー警察の「Personal Safety」に関するページにも似たようなことが記されていました。

carry a whistle or personal safety alarm so you can alert others if you need help

do not carry a weapon for self-defense – introducing a weapon can increase the severity of an attack, as well as the chance of severe injury to yourself (it also creates the chance of you or someone else could be accidentally hurt, for which you could be held responsible)

引用:バンクーバー警察

(意訳)助けが必要な場合に他の人に警告できるように、ホイッスルまたは個人用安全アラームを携帯してください。

自己防衛のために武器を携帯しないでください。武器を導入すると、攻撃の重大度が増すだけでなく、自分自身に重傷を負う可能性が高くなります。また、あなたや他の誰かが誤って怪我をする可能性があり、責任を問われる可能性があります。

Amazon.caでもセルフディフェンスに役立つアラームは普通に販売されているので、一度こちらからチェックしてみてください。


photo from amazon.ca

ということで、「自己防衛目的で何かしら持っていたい」という方は、ホイッスル or アラームを持ち歩くのが良さそうです。ただ、利用時に加害者の鼓膜が破裂するなどの場合は、武器とみなされ起訴される可能性があるとのことなので、注意です。

もう一方で、The Coast Halifaxの記事には、「自己防衛のためにベストなオプションは、おそらく護身術のクラスなどを受講して自分の体を使って自身を守ること」とも記されていました。

最近はYouTubeにも護身術の動画がたくさんあるので、ぜひ一度確認してみてください。ただ、実際に襲われたときに抗うことで状況が悪化するケースも考えられるので、気を付けてください。(突然襲われた場合は、そんなことも考えていられない気もしますが・・・)

オンタリオ州にある弁護士事務所 Kruse Law による上の動画では、正当防衛でも過剰(防衛の程度を超えた行為)となると逆に自身が加害者となり暴行罪などで起訴されるケースも起きているそうです。

正当防衛の法律は複雑で、自身の行いが過剰防衛とみなされるかどうかは、ケースバイケースとのことです。

 

最後に:バンクーバー警察による自分の身を守るヒント

いかがでしたか?

最後にバンクーバー警察による「自分の身を守る一般的なヒント」の中から、一部抜粋・意訳して紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。


photo from バンクーバー警察

・携帯電話を持っている場合は携帯してください。

・警戒を怠らず、背を高くして自信を持ってください。攻撃者は、不確実または恐れているように見える人を選ぶ可能性が高いです。

・現金や貴重品を前ポケットまたは内ポケットに入れて持ち運び、財布やバッグを運ぶ必要があるかどうかを検討してください。

・明るい通りを利用し、歩道の真ん中にとどまり、路地を避けてください。

・誰かがあなたの後をつけていると思われる場合は、9-1-1に電話して、最寄りの安全な場所を見つけてください。

・もし車があなたを追いかけていると思われる場合は、すぐにUターンして、9-1-1に電話してください。ドライバーの特徴とナンバープレートの番号をメモし、反対方向に歩き続けます。

・言葉による嫌がらせを受けた場合は、応答せず歩き続け、身の危険を感じる場合は9-1-1に電話してください。

・もし攻撃された場合は、加害者の希望に応じるようにしてください。加害者が現金や貴重品を引き渡してほしい場合は、これらを置き換えることができます。

・ヒステリックになると状況が悪化する可能性があるため、状況全体を通して落ち着いてください。

・襲われた場合、身長、年齢、髪の毛や目の色、入れ墨や傷跡など、その人の外見に関する詳細を覚えておくようにしてください。

・事件をすぐに警察に報告してください。警察はその地域で犯罪者を捕まえられる可能性が高くなります。

 

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