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イギリスのGlasgow Museumsからイタリアの絵画が、この度バンクーバーにやってきます。
Of Heaven and Earth : 500 Years of Italian Painting from Glasgow Museumsについて
バンクーバー美術館で6月12日(金)から開催されているこの展覧会では、有名な画家はもちろん、あまり知られていない画家の作品まで幅広く観ることができます。
今回は、10人の画家をピックアップして簡単にご紹介をしようと思います。
1.ジョヴァンニ・ベリーニ「Virgin and Child」
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Giovanni Belliniはイタリア・ルネサンス期の画家で、ヴェネツィア派という画派を確立した巨匠として知られています。作品の多くは宗教に関わるものが多く、聖母子の絵もたくさん残していますが、伝統的な図像ながらも、ごく普通の母子の肖像画のような人間味と親近感を与えるものだと絶賛されています。
ちなみにカクテルの「ベリーニ」は彼の名前から来ているみたいですよ。
2.サンドロ・ボッティチェッリ「The Annunciation」
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Sandro Botticelliとだけ聞くと分からない方もいるかもしれませんが、彼の絵は誰もが見たことがあるはず。そう、
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「ヴィーナスの誕生」ですね。(※「ヴィーナスの誕生」は展示されていません)
ルネサンス期のイタリア、フィレンツェ生まれの画家で、上記の代表作と「プリマヴェーラ」は、フィレンツェ・ルネサンスの最盛期を告げるものとして扱われていますが、今回は彼の「The Annunciation」を観ることができるみたいです。
3.ドメニキーノ「Landscape with St. Jerome」
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Domenichinoは数少ないバロック期ローマの風景画家、そして17世紀ボローニャ派を代表する画家のひとりといわれています。
4.フランチェスコ・グアルディ「View of San Giorgio Maggiore」
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Francesco Guardiは、18世紀のイタリアを代表するヴェネツィアの風景画家。詩情あふれる風景は独特の情緒があり高い評価を得ていますが、作品の制作年代は不明なものが多く、その大半が後年に描かれたものであるとしか分かっていないという謎が多い画家でもあります。
5.アントニオ・マンチーニ「The Sulky Boy」
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Antonio Manciniは1852年生まれのローマの画家です。12才の頃からナポリ美術研究所で有名な画家ドメニコ・モレッリの下で学んでいます。1881年からは精神病と貧困に悩まされていたようです。
日本ではあまり紹介されておらず、今回の展覧会でライフバンクーバースタッフが一番気になっている画家さんであります。早く会場でこの絵を見たいです。
6.ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「Christ and the Adulteress」
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Tiziano Vecellioは、ヴェネツィア派で最も重要なイタリア人画家の一人。あらゆる絵画分野に秀でていたため、「星々を従える太陽」と呼ばれていたそうです。今回展示されるものも、ヴェネツィア派最大の特徴である色彩の魅力を存分に発揮した作品といえるのではないでしょうか?
7.バロトロメオ・ヴェネト「St. Catherine Crowned」
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Bartolomeo Venetoはヴェネツィア派の肖像画家です。彼に関する極めて資料の少なく、生まれた年も分かっていません。
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上の絵は彼の代表作「リュートを演奏する女性」です。モデルの女性が、今回展示される「St. Catherine Crowned」と同一人物だとスタッフは思っておりますが、ご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
8.アンドレア・カザーリ「Triumph of Galatea」
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Andrea Casaliは1705年生まれのイタリアの画家。彼の絵で有名なのは、ブダペストの美術館に展示されている「ルクレティア(Lucretia)」ですが、皆さんご存知でしょうか?
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この絵は実在した女性ルクレティアが王子によって侵され、自害してしまうというシーンです。多くの画家がこのシーンの絵を残しているので、調べてみてもおもしろいですよ。彼もあまり日本では知られていないので、ぜひこの機会に見ておきましょう。
9.ルイジ・ダ・リオス「Overlooking a Canal,Venice」
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Luigi da Riosは1843年のイタリアの画家です。ヴェネツィアの美術アカデミーで学び、多くの賞を受賞しています。今回観ることができる絵は1886年のものに発表されたものになります。
10.ジュゼッペ・チェーザリ(通称カヴァリエール・ダルピーノ)「Archangel Michael and the Rebel Angels」
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Cavaliere d’Arpinoは1568年にアルピーノで生まれました。16世紀から17世紀前半のローマ絵画界にあって最も主導的な役割を果たしたマニエリスム画家といわれています。
マニエリスムとはルネサンス後期の美術で、イタリアを中心にして見られる傾向を指す言葉になります。美術史の区分としては、盛期ルネサンスとバロックの合間にあたるそうです。
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最後に個人的な意見になりますが、バンクーバーはいわゆる「過去の名画」を観ることができる機会がそんなに多くないんですよね。(あくまで個人的な意見ですよ)だから、これはすごいチャンスだと思うんです!皆さんも、ぜひ一度は行ってみてくださいね!
Of Heaven and Earth:
500 Years of Italian Painting from Glasgow Museums
開催期間:2015年6月12日(金)~10月4日(日)
開催場所:Vancouver Art Gallery
Web:http://www.vanartgallery.bc.ca/the_exhibitions/exhibit_ofheavenandearth.html