絶品「アイスワイン」のすべて(飲み方、人気商品、製造方法、選び方、歴史など)

   
  

カナダの人気土産の一つ、「アイスワイン」

通常のワインと違い、アイスワインは自然に氷結したブドウから作られ、濃縮された甘みと芳醇な香りが特徴的なデザートワインです。

A post shared by Inniskillin (@inniskillinwines) on

今日は、アイスワイン歴史や種類、製造方法、飲み方、本物のアイスワインの選び方などをご紹介します。

1. アイスワインの歴史 – 1970年代に、カナダで初のアイスワイン製造

icewine
photo from Pinterest|Adventure World Travel

アイスワインは、1794年にドイツのフランケン地方で誕生したと言われています。
この年は予期せぬ寒波に襲われ、ワイン用に育てたブドウが凍ってしまい、止むを得ず凍ったブドウを収穫することに。そこで凍ったブドウからワインを作ってみたところ、偶然にも非常に甘いワインが出来上がったのです。

通常のワインでは、収穫したブドウ果実重量の約55~85%の果汁を得ることができますが、凍ったブドウから得られる果汁はたった10-20%ほど。また、糖度が高いアイスワインの発酵期間は通常のワイン製造時よりも長く、3〜6ヶ月ほどかかります。
その希少性から当時は一般の人が口にできる機会はほとんどなく、「貴族のワイン」とも呼ばれていたのだとか。

そして1800年半ばには、ドイツのラインガウ地方で、ドイツ語でアイスワイン”eiswein”という言葉が誕生しました。

↑1991年、賞を受賞したInniskillinワイナリーのDonald氏(写真右)

photo from Wines of Canada

カナダへは、ドイツからの移民がアイスワインの製造方法を伝えたと言われていて、1970年代にブリティッシュ・コロンビア州のオカナガン・バレー(Okanagan Valley)でカナダ初のアイスワインが作られました。*諸説あり

また、オンタリオ州でアイスワインの正式な生産が始まったのは、1984年。
1991年には、オンタリオ州で最初にアイスワインを生産したとされるワイナリー「Inniskillin」で製造されたアイスワインが、フランスで開催されたワインのエキスポで名誉ある賞を受賞し、世界中がカナダのワインに注目するようになりました。

2. アイスワインの生産地

アイスワインで最も有名なのは、ドイツとカナダです。
ヨーロッパでは、オーストリアやクロアチア、チェコなどでもアイスワインの生産が行われているほか、アメリカや日本の富良野でもアイスワインの生産が行われています。
ただし、アイスワインの定義がしっかりと定められていない国も多いのが現状です。

ー世界で最もアイスワインを生産している国、カナダ!

アイスワインはドイツ生まれですが、Canadian Vintners Associationなどのサイトによると、現在カナダが世界で最もアイスワインを生産している国となっています。
2017年には約250万ボトルのアイスワインが生産されました。

カナダには500以上のワイナリーがある中で、アイスワインを生産しているワイナリーは96カ所。
各州の内訳は以下の通りとなります。

アイスワインを生産しているワイナリーの数
・オンタリオ州 71
・ブリティッシュ・コロンビア州 20
・ノバスコシア州 3
・ケベック州 2

オンタリオ州はアイスワインを作っているワイナリーが断トツで多い州で、アイスワイン造りに必要な特別な気候・土壌が揃っていると言えます。カナダから海外へ輸出しているワインの81%も、オンタリオ州産です。

3. アイスワインの味とブドウの種類


photo from Facebook|The Ice House Winery

アイスワインを一口飲むと、フルーティーな甘さと程よい酸味が口いっぱいに広がります。
ほとんどのアイスワインは甘過ぎず重た過ぎない、飲みやすい口当たりです。

アイスワインには、主にヨーロッパ品種のワイン用ブドウVitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ)の品種に属するブドウ、もしくは白ブドウ品種Vidal Blanc(ヴィダル・ブラン)などが原材料として使われます。

アイスワインで人気の品種は、この3つ!
こちらのVQAOntarioのサイトによると、オンタリオ州のアイスワインで最も人気の品種は、Vidal Blanc(ヴィダル・ブランク)、Riesling(リースリング )、Cabernet Franc(カベルネ・フラン)です。

4. アイスワインは、どうやって作られるの?


photo from Facebook|Wine Country Ontario

カナダで定義されているアイスワインは、自然に凍ったブドウから作るワインです。
シーズンは、秋にブドウの木にネットを被せていくことから始まります。これは、鳥にブドウの実を食べられないようにするためです。

ワイナリーにもよりますが、通常は気温がマイナス8度以下になるまでブドウを収穫をしません。一般的に、マイナス10度から12度になった際に収穫をすると、非常に甘みのある濃縮した果汁が採取できると言われています。

多くのワイナリーでは、ブドウの収穫は手で一房ずつ丁寧に行われます。また、ブドウが凍ったまま収穫する必要があるため、夜〜夜明けにかけてブドウの採取が行われ、その作業は寒さと時間との戦いとなります。

ブドウが凍っているうちにブドウを押し潰すと、ブドウ自体に含まれる水分が凍結しているため水分量が非常に少なくなり、甘みの詰まった果汁を絞り出すことができます。

5. アイスワインのアルコール度数と飲み方

icewine
photo from Clifton Hill|niagara-icewine-festival

アイスワインのアルコール度数は、約7〜12%です。
アイスワインは、赤・白ともに少し冷やして飲むのが一般的です。
ただし冷やし過ぎは良くなく、10-12度が適温だと言われています。飲む数時間前に冷蔵庫で冷やすのが丁度良いでしょう。

お好みですが、シャンパングラスのような細長いグラス、チューリップ型のデザートワイン用のグラスを使います。


photo from Facebook|Wine Country Ontario

甘いアイスワインには、風味の強い塩気のあるおつまみ(フォアグラやブルーチーズなど)がよく合います。

アイスワインは甘くて苦手という方は、アイスクリームやケーキなどにアイスワインをかけて風味を味わってみるのがオススメ。
また、アイスワインを数口楽しんだ後は、スパークリングウォーターなどとミックスして、スパークリングワインやカクテルを楽しんでみるのも良いでしょう。

6. 「iced wine」はアイスワインじゃない!?本物のアイスワインとは?

icewine
photo from Taste of Nova Scotia

先にも述べたように、カナダではアイスワインの定義がはっきりしていて、2014年2月には、カナダ政府の規制により「自然に凍ったブドウを使用したアイスワインのみ”アイスワイン(Icewine)”として販売できる」ことになりました。
よって、本物のアイスワインは「icewine」「ice wine」「ice-wine」のいずれかで表記されています。
人工的に凍らせたブドウを使ったアイスワインは、「iced wine」や「dessert wine」として販売されています。

ーアイスワイン選びの際にチェックしたい「VQA」


photo from Facebook|Wine Country Ontario

購入時にもう一つチェックしたいのが、VQAのマーク。
VQA(Vintners Quality Alliance)は、カナダのワインの品質認証基準かつ原産地呼称制度で、カナダのブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州で導入されています。

ワインにProduct of Canadaなどと書かれていても、カナダ産のブドウを100%使用しているとは限りません。
カナダワイン協定が認めた「VQA」のマークが付いているワイン(アイスワイン含む)は、100%カナダ産の原料を使って作られたワインの証であり、その収穫方法や味など、特定の基準を満たしている証拠です。

7. ワインのプロが勧める!カナダで有名なアイスワイン

CTVの番組「Best Icewine: Canada」では、カナダのワインのプロであり、ワインに関する様々な著書を発売しているNatalie Macleanさんが、カナダの有名なアイスワインを紹介しています。

こちらの番組内で紹介されたアイスワインのいくつかをご紹介します。

●Inniskillin Niagara Estate Sparkling Cabernet Franc Icewine 2012

イニスキリン・ナイアガラ・エステート・スパークリング カベルネ・フラン アイスワイン2012

A post shared by 김창규 (@kim_changkyu) on

Cabernet Franという品種のブドウから作られている、「Inniskillin Winery Niagara」のスパークリング・アイスワイン。普通のアイスワインは甘過ぎて苦手という方にぴったりです。

このInniskillin Wineryはカナダで最も有名なアイスワインを作っているワイナリーの一つで、2009年にはノルウェーで行われたノーベル平和賞の晩餐会で、オバマ前大統領が「Inniskillin Gold Oak aged Vidal Icewine 2003」を口にしたそうです。

●Reif Estate Winery Vidal Icewine 2010

リーフ・エステート・ワイナリー ヴィダル アイスワイン 2010

ナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリー「Reif Estate Winery」は、1980年代に誕生した、カナダで最も早くからアイスワインを作り始めたワイナリーの一つ。このワイナリーの創業者の甥っ子であったKlaus Reifは、ドイツからアイスワインの製造方法をカナダへ持ってきた人物の一人です。

特にこのアイスワインは芳醇な香りが特徴的で、フルーツの甘みが口中に広がります。

●Mission Hill Reserve Riesling Icewine 2011

ミッション・ヒル リザーヴ リースリング アイスワイン 2011

このアイスワインは、ブリティッシュ・コロンビア州オカナガン・バレーを代表するワイナリー「Mission Hill Reserve Winery」で造られています。

Mission Hillはオカナガン・バレーの5箇所にブドウ畑を所有していて、その気候や土に合ったブドウを栽培。厳選したブドウを使って数々の有名ワインを世に送り出しています。特にこのアイスワインは、アプリコットと桃のバランスがとれた甘みに酸味が加わり、上品な味わいを楽しむことができるでしょう。

●Pillitteri Estates Winery Gewürztraminer Icewine 2008

ゲヴュルツトラミネール アイスワイン 2008
icewine
photo from Pillitteri Estates Winery

ナイアガラ・オン・ザ・レイクにあるワイナリー、「Pillitteri Estates Winery」のアイスワイン。

ゲヴェルツトラミネールは、香り豊かな白ワインの代表種。「ゲヴェルツ」は「スパイシーな」という意味で、 ほのかなスパイスとアプリコット、桃、マンゴーなどのまろやかな香りが漂う口当たりの良いワインです。このワイナリーでは、イタリアから移民してきた家族が、3世代にわたってワインを作り続けています。



photo from Facebook|Wine Country Ontario

いかがでしたか?

私も初めてカナダのアイスワインを飲んだ時には、口の中に広がるフルーティーな甘みに「これがアイスワインかぁ!」と感動したことを覚えています。普通のワインは苦くて苦手、という方にもオススメです。

一度は飲んでみたい、アイスワイン。
せっかくなので100%カナダ産、かつ人気のボトルを選んでみてくださいね♪

Topへ