【知っておこう!シェアしよう!】バンクーバーのトラブル事例と防犯対策

   
  

2016 - Vancouver - East False Creek
比較的治安のよいことでも有名なバンクーバー。カナダ人は穏やかな気質の人も多く親切なので、そういった面で留学やワーホリでカナダを選ぶ人も多いでしょう。とはいっても海外。日本とは違います。バンクーバー滞在中に置き引きやスリ、詐欺、その他の犯罪やトラブルに巻き込まれるケースも報告されています。

そこで、今回LifeVancouverでは、皆さんから盗難や詐欺その他トラブル経験を募集しました。
皆さん、本当は思い出したくない嫌な経験だとしても、他の方が同じトラブルに巻き込まれないようにシェアしたい、とたくさんの貴重な経験談をお寄せくださいました。
本当にありがとうございます!!LifeVancouver編集一同、心からお礼を申し上げます。

今回はそのいただいた経験談とともに、外務省や在バンクーバー日本国総領事館(以下、総領事館)からの情報による犯罪事例、防犯対策についてもご紹介します。

こんな事あった!体験者が語るトラブル被害

ケース1:親切心を利用する寸借詐欺

場所:イースト・バンクーバー
Killarneyエリアのショッピングエリア(Champlain Square)にて
時期:2017年3月頃

「ガソリンが切れてしまったが、財布を家に忘れてしまったため、お金を20-40ドル貸して欲しい」と声をかけてきました。
SFUに通うアメリカからの留学生と名乗る白人の20代前半とみられる男性で、キャップをかぶっていました。
すぐ返すからと、連絡先として電話番号を聞いて来たので、その人の携帯に電話番号を打ち、私の携帯に繋がることを確認しました。しかしその後連絡はつながりません。

ゆうきさん(当時:留学生・バンクーバー歴2年以下)

 
編集部コメント:体験談を教えてくださったゆうきさんによると、この男性は他にも被害報告がでている寸借詐欺の常習犯のようですので、同じような手口で近づいてくる方にはくれぐれもご注意を!

ケース2:貴重品を盗まれる空き巣被害

場所:コマーシャル駅近くのシェアハウスにて
時期:2015年10月頃

シェアハウスに空き巣が入り、PCや電子辞書など色々と盗まれたことがあります。

同じ被害に遭わないためのアドバイス:防犯カメラやオートロックなどがあるなど、防犯のしっかりしている家に住むことは重要だと思います。

MIKAさん(当時:ワーホリ・バンクーバー歴2年以下)

 
編集部コメント:コマーシャル駅の周辺は、置き引きやスリの被害がよく報告されるエリアのひとつです。人が多く行き交う場所や繁華街の近くに住む際は防犯性が高い家の方が安心ですね。
またこの体験をシェアくださったMIKAさんによると、バンクーバー滞在中は友人の間でも置き引きにあったという話しをよく聞いていて、日本人は狙われやすいと感じたそうです。総領事館の安全の手引によると、日本人に限らず、現金を持つ習慣のあるアジア人は狙われやすく、特に多額の現金を持ち歩く傾向にあるアジア人観光客を狙った窃盗が増えているそうです。

ケース3:ライターを貸したらお金を奪って逃走

場所:ウエストペンダーストリートとバラードストリートあたり
時期:2014年5月頃

喫煙中の友人(アジア人)の元に1人の男性が近づいて来て(今思えばホームレス)、ライターを貸して欲しいと言ってきました。その男性はタバコに火をつけた後にライターを友人に返し、「こっちのタバコは高いだろう、ついて来たら1カートン安く売ってやるよ」と言ってきました。友人もカナダが長いので、2人で警戒心を持ちつつも「売りたかったらここまで持って来て」と話を聞き続けてしまいました。「それじゃあ現金があるかわからないから見せろ」と言われ、現金($20札)を財布から出した途端に素早く取られ、走って近くにあった自転車で逃げられました。

同じ被害に遭わないためのアドバイス:カナダ生活に慣れていたからこそ警戒しているつもりでも、甘く見てやられた例だと思います。実際にそういう人が近づいた時、やはりうまく言いくるめられてしまいます。なのでやっぱり無視が一番ですね。被害はたった$20で済みましたが、もしかしたら刃物などでもっと恐喝されていたかもしれません。

Lilyさん(カナダ市民・PR)

 
編集部コメント:カナダでは、タバコを吸っている人を見かけると、道端の人やホームレスの人が「ライターを貸して」と気軽に声をかけて来ます。しかし、中にはこういったケースもあるので、もし怪しいな、と思ったら深く関わらないことをおすすめします。またカナダ在住歴の長い日本人でも置き引きや詐欺などの被害に遭っています。Lilyさんのアドバイスにもあるように、カナダ生活に慣れているからこそ油断しないよう気をつけたいですね!

ケース4:夜の帰宅中にからまれて盗難被害

場所:ウエスト・ジョージアストリートの図書館付近
時期:2016年1月頃

語学学校の友人が遭遇したケースですが、飲んだ帰りに友人が一人で家に帰る途中、若い黒人や白人の4人グループに話しかけられて5分ほど絡まれた事がありました。その際にポケットからiPhoneを抜き取られたようで、そのグループと別れた後にiPhoneが無いことに気付いたそうです。

同じ被害に遭わないためのアドバイス:外国人は日本人に比べてコミュニケーションでボディタッチが多いですし、知らない人にも話しかけることは多いですが、もし知らない人からボディタッチをされようとしたら、貴重品の入っているバックの口は手や腕で押さえる、ポケットでは貴重品を握りしめるなどの方法もいいかもしれません。

Riceeさん(当時:ワーホリ・半年以下)

 
編集部コメント:夜間の一人歩きで盗難や強盗に遭うというケースはたびたび報告されているようです。酔っ払ったサラリーマンがベンチで寝ても安全な日本とは違うので、酔っている事がわかる人、特に観光客やバンクーバーに来たばかりと明白な人は、ターゲットになりがちです。飲んだ帰りの一人歩きは、より一層気をつけましょうね。飲むのが大好きなLVスタッフも気をつけます。。。。

ケース5:注射器を向けられ金銭要求

場所:チャイナタウン周辺
時期:2001年6月頃

ある通りに間違って入ってしまい数メートル進んだあたりで、ドラッグ中毒者らしき人物に注射器を向けられ金銭を要求された事がありました。大通りからまだ数メートル入っただけだったのと、その人物から少し距離があったので、急いで引き返し何事もなく無事でした。

同じ被害に遭わないためのアドバイス:危険と言われる通りは日中でも、複数人でも絶対に近寄らない。危険かも、と思ったらとりあえず引き返す勇気と判断を。

hiroさん(当時:留学・半年以下)

 
編集部コメント:バンクーバーのダウンタウンのイーストサイドは、北米で初めての市営薬物注射施設があり、薬物中毒者やアルコール中毒者、ホームレスが多く集まるエリアです。観光地であるガスタウンや、おしゃれなカフェやバー・レストランが並ぶ場所もありますが、ヘイスティングスとメインの交差点あたりは用事がない限り、なるべく近づかないようにしましょう。

ケース6:怪しいチューターに高額授業料

時期:2014年

あるチューターの元生徒がブログの中で大絶賛していたので、トライアルを受けてみました。そのチューターは独自の方法に基づいて教えるというもので、勉強や暗記はいらず、将来はネイティブ並みに話せるようになるコツを教える、というものでした。私は当時ESLに3ヶ月通い英語が伸びずに焦りを感じていたので、トライアルから24時間以内に契約すると割引があったこともあり、特に詳しい授業の回数なども説明がないままに慌てて総額数千ドル現金一括前払いしてしまいました。今考えるとそんな支払いは相当怪しいと思うのですが、そのチューターは日本語も少し話せたり、安心させるバックグラウンドがあったりなど、とにかく自分の授業は素晴らしいと売り込んで来たので、最初はいいチューターを見つけれたと安心すらしてました。
しかし当初は週に数回受けられていた授業が、1ヶ月過ぎたくらいになると文化に触れる旅行に生徒を連れて行くから、日本に営業に行くからと、バンクーバーにほとんどいなく実際10回くらいしか授業は受けられませんでした。そうこうして授業が受けれないまま帰国の時期がきてしまい、結局数千ドル払ったのに英語の上達は一切ありませんでした。実際数回授業を受けているし、証拠になる契約書やきちんとした領収書もなく、帰国の時期も迫ってるという事もあり結局泣き寝入りしました。冷静になって考えれば怪しさ100%でしたが、英語が伸びない焦りとこのチューターに教えてもらえればネイティブ並みになれるかもと期待があったので冷静な判断ができなくなっていたんだと思います。

同じ被害に遭わないためのアドバイス:もし高額な授業料などが必要になる際は、必ず誰かに相談し、まずは第三者の意見を聞いた方がいいかと思います。

YWさん(当時:ワーホリ・半年以下)

 
編集部コメント:バンクーバーでは、語学学校やカレッジ・大学に通う海外からの留学生の英語勉強をサポートするため、英語チューター(家庭教師)が人気です。しかし、中にはいいかげんだったり、教えるスキルがないチューターもいますので注意しましょう。チューターを派遣する団体や企業だと、カウンセリングをしてくれたり、チューターと相性が合わない場合は違うチューターを紹介してくれたりするところもあるので、最初はそういった所でトライアルを受けてみるといいかと思います。また、個人でも組織でも、契約の際はかならず授業内容と費用が記載された契約書や領収書などをもらう事を忘れずに。
YWさんがシェアしてくれた経験のように、バンクーバーでは慣れない環境と限られた時間の中で、多くの日本人が英語力が伸びずに焦ったり悩んだりして、冷静な判断を失くしがちです。やみくもに「英語力を伸ばさなきゃ」と思うと焦りますが、まずは「なぜ英語を伸ばしたいのか、英語を使って自分は何をしたいのか」という事をはっきりさせる事で、自分にとって必要な英語力の目安や具体的な目標が分かり、冷静になる事もできます。まずはぜひ落ち着いて自分に合ったチューターと出会ってくださいね。

バンクーバーでの犯罪被害例と防犯対策

Vancouver
世界の中でも治安のいい国として挙がることが多いカナダ。それでも、外務省の報告によるとカナダ全体の犯罪発生率(人口10万人当たりの犯罪認知件数)は日本の約5倍の水準ともいわれています。
日本でもカナダでもそうですが、基本的に「面識のない人を安易に信用しない」「隙をみせて犯罪を誘発しない」等の心構えが必要です。
ここでは外務省や総領事館からの注意喚起や報告による、バンクーバーでの犯罪発生状況、防犯対策の一部についてご紹介します。

バンクーバーでの犯罪発生状況

薬物問題

カナダでは覚醒剤・コカイン・ヘロイン・大麻等の使用が法律により禁止されていますが、若者による麻薬汚染はカナダでは社会問題になっています。また大麻に関してはカナダは合法化に向かっていますが、2017年5月時点では医療目的での使用でないかぎり違法です。カナダであっても日本人が使用することは日本の法律上違法になります。
バンクーバーのダウンタウンのイーストサイドでは、麻薬中毒者向けの施設があり、麻薬中毒者が集まるエリアですが、むやみに近づかないようにしましょう。
過去には日本人が、出国の際、見知らぬ人物や知り合ったばかりの人物から「友人への土産に、この箱を持って行って欲しい」等と依頼されて、これに応じた結果、実は違法薬物が仕込まれていて「運び屋」として逮捕された例もあります。

 


性犯罪

日本人は他国の人に比べはっきり「ノー」と言えない傾向があり、これにつけ込んだトラブルが多く発生しています。
現地の性犯罪ケースワーカーからのアドバイスとして、図書館やコーヒーショップ等で声をかけてくる男性や、チューターやランゲージ・エクスチェンジを口実に近づいてくる男性には気をつけるよう、注意がでています。「不快だ」と伝えることは、失礼なことではありません。きちんと意思表示をすることを意識しましょう。


粗暴犯罪

バンクーバー市では暴行・傷害等の粗暴犯罪も発生しており、夜間帰宅途中の邦人男性が、すれ違った男達にいきなり殴りつけられ重傷を負わされたケース、真夜中にスカイ・トレイン駅周辺において、銃を突き付けられ所持金品を強奪されたケースもあります。夜間の一人歩きでは、ヘッドホンをつけたり、スマートフォン操作に集中しないなど、周囲に注意を払うようにしましょう

 


売買・仕事・住居等の契約

日本人留学生やワーキングホリデーの方は、留学エージェントや学校、ホストファミリー等の間での契約に関するトラブル、就業先での労働条件をめぐるトラブルが多いようです。契約を結ぶ際は、内容や条件等をよく確認し、疑問点は説明を受け、できる限り契約書をもらうようにしましょう。

 

防犯対策

住居対策

住居への侵入等の犯罪手口は、鍵のかかってないドアや窓からの侵入がほとんどです。施錠は防犯の基本と言えます。外出の際にはしっかり確認しましょう。周辺の夜間街灯や照明設備が不十分な家、玄関周辺に樹木が生い茂っている家は、避けた方がよいでしょう。また、隣人に出会った時は努めて挨拶するようにし、相互の信頼関係を普段から築いておくことも大切です。

 


貴重品対策

窃盗事件の多発場所は、空港ロビー、レストラン、ホテルのロビー、図書館、カフェやレストラン等です。僅かな時間でも、貴重品を身の回りから離さないように注意してください。
図書館やレストランやカフェで、机やテーブルに座る際、貴重品の入ったバッグや上着を見えない足元に置いたり、背中の椅子にかけたりしないようにしましょう。バスやスカイ・トレイン等に乗車中は、できるだけ眠らないようにしましょう。
また多額の現金や貴重品は必要な時以外は携行しないようにしてください。日本人を含むアジア系観光客から盗んだ財布やバッグに多額の現金が入っていたことに味をしめた窃盗グループが、アジア人を狙っている可能性があります。多額の現金を持っている事がわかると犯罪を誘発しますので、ATM等からお金を引き出した直後などは、周囲に十分注意してください。
また車上ねらいは、主に地下駐車場、公園や人通りの少ない路上等で発生しています。車内の見えるところに荷物を置いたままにしないようにしましょう。

 


性犯罪対策
カナダの国民性は一般的に気さくで親切ですが、知り合ったばかりの人の家へ1人で安易に行ったり、ついていったりしない、また自動車にも同乗しないことが賢明です。見知らぬ人との会話でも、詳細な住所などをみだりに教えない等も普段から気をつけましょう。
また、貸部屋のテナント広告を出す際、自分の住所、氏名、性別をなどの詳細な情報を掲載し被害にあった日本人女性もいます。広告する場合は、内容には自分の個人情報を極力少なく掲載し、逆に、相手の個人情報は、きちんと得られるようにしましょう。
 


詐欺対策

株式の売買や遺産相続に関する詐欺も発生しています。観光地等で言葉巧みに話しかけて来る人物がいたら、十分注意するとともに、相手の誘いに乗らないよう心掛けてください。
特に、日本語で話しかけてくる人物には注意する必要があります。また賃貸取引やチューターなどの詐欺もよくあるケースです。よく知らない相手との契約には十分注意し、不明瞭なまま金銭を支払わないようにしましょう。

 


上記以外にも、外務省や総領事館から様々な情報がでていますので、防犯のために以下を参考にしてください。

外務省海外安全ホームページ「カナダに関する安全対策基礎データ
在バンクーバー日本国総領事館 Webサイト
在バンクーバー日本国総領事館発行「安全の手引(PDF)

現地に住むLVスタッフ達の実感

Vancouver
バンクーバーに住むLifeVancouver日本人スタッフたちの普段の生活の実感としては、カナダの人々はとても気さくで親切で、全体的に穏やかで治安のよい国という印象です。実際、Global Peace Index(GPI) という調査機関により毎年発表される世界の安全な国ランキング(総合調査)では、2016年はカナダは8位、日本9位というランキングです。(参照:GLOBAL PEACE INDEX 2016
では、どうしてこうしたトラブルが発生するのかと考えると、やはり旅行者・短期滞在者という不利な立場、得られる情報に限りがあること、日本とは異なった慣れない文化や習慣言葉の壁などがあるのだろうと思います。
LifeVancouverでは、基本的に事件・事故といったネガティブなニュースを取り扱わない編集方針ですが、今回の企画がバンクーバーに滞在・住む多くの日本人の皆さんにとって役立つものになればと思っています。
今後も皆さんからいただいた貴重な体験談を、定期的にシェアしていきますので、ぜひ「こんな事があった」というトラブル体験談をお持ちの方は、下記に引き続きお寄せください。

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