知らないと罰金 $368 ?!バンクーバーで運転する際の電子機器使用注意事項まとめ

   
  

『車の運転中に携帯電話を持って使用してはいけない!!!』というのは皆さんも知っての通り当たり前のルールですが、先日バンクーバーの女性が車のカップホルダーに携帯を入れていただけで、罰金 $ 368 を支払うことになった件をご存知ですか?

そこで今回は、「知らなかった」では済まされない運転中での電子機器の利用方法について調べてみました。

はじめに:車のカップホルダーに携帯を入れていただけで罰金 $ 368 ?!

先日、バンクーバーのダウンタウン内 Georgia & Hornby の交差点で信号待ちをしていた70代の女性が、「Distracted driving (不注意運転)をした」とみなされ警察官にチケットを切られました。

その時彼女は両手でハンドルを握っていて、携帯電話はハンズフリーの状態で対応出来るように Bluetooth につないだ状態でドリンクホルダーの入れていたとのこと。

その後、女性の息子さんがチケットを切られたことに納得がいかず、一連の事柄をSNS上にアップしたことがきっかけでニュースになりました。

バンクーバー警察はこの件に関して『チケットを切られたことに不満を抱いている人や不当な扱いを受けたと思う人は、裁判所を通してチケットに対する異議を申し立てて適切な処理を受けることができる』と以前語っていました。

ただ、最終的には女性へ切られたチケットはバンクーバー警察によりキャンセルされたので、罰金を払う必要はなくなっています。(キャンセルになった理由は明らかにされていません)

ここまで読んで、「この状況でチケットを切られる可能性があるなら、どこにどういう状態で携帯電話を置けばいいの???」と感じた人も多いのではないでしょうか?

BC州での運転中の電子機器の使用法について調査してみた

ということで、バンクーバーでの運転中の電子機器の使用法について調査してみました。ここからは RoadSafetyBC が作成した「Use of Electronic Devices While Driving」の内容を日本語で解説したいと思います。

1. 全てのドライバーは運転中に電子機器を持っての操作等が禁止されています

*電子機器を持ったまま操作、通信、画面を見てはいけない
*どんな電子機器でも、テキストメッセージやEメールの送受信を行ってはいけない

※ドライバーが車道から離れて安全に車を駐車しているか、9−1−1に緊急電話をかける場合、これらの禁止事項は適用されません。


photo from www2.gov.bc.ca

 

2. GLPドライバーは全ての電子機器の使用が禁止されています


 
Drivers in the Graduated Licensing Program Class 7 (New Driver ‘N’) 及び、7L (Learner ‘7L’)のドライバーの方はさらに注意が必要です。

運転中のナビゲーション機器やハンズフリー機能などの”使用が許可されているデバイス(後ほど紹介します)”を含め、すべての電子機器の使用を禁止されています。

※ただし、GLPドライバーが車道から離れて安全に車を駐車しているか9−1−1に緊急電話をかける場合、これらの禁止事項は適用されません。
 

3. GLPドライバーを除くすべてのドライバーに使用が許可されているものを把握しておきましょう

ここからは、GLPドライバーを除いた全てのドライバーが運転中に使用してもいいとされる電子機器を紹介します。

 

3-1. Hands-free communication(ハンズフリー通話機器)

運転中のハンズフリー通信機器使用は認められていますが、以下の点に注意が必要です。

*デバイスを手で持って操作してはいけない。

*通話を開始・終了する時は音声で操作するか、ワンタッチで作動できなければいけない。

*イヤーピースを使用する場合は片方の耳のみに装着すること。また、運転前に装着しておかなければいけない。
(バイク運転者は”片耳にしかイヤホンをしてはいけない”という条件を免除されており、両耳にイヤホンが付いている場合があります)

*デバイスは運転席から届く位置で、車両にしっかりと固定されているか、人の体にしっかりと装着されていなければならない。

*デバイスはドライバーの正面や側面の視界を妨げない場所に設置&自動車の安全装置や操作機器に影響しないように設置すること。

*手動ダイアルは禁止されていて、テキストメッセージとして扱われます。

 

3-2. Hand-held audio players(手で持つことのできるオーディオプレーヤー)

Hand-held audio playerを使用する際の注意点は以下の通りです。

*ドライバーがデバイスを手に持って使用してはいけない

*デバイスはドライバーの正面や側面の視界を妨げたり、自動車の安全装置や操作機器に影響しないように、しっかり車両 OR 人の体に装着されていなければならない

*音は自動車のサウンドシステムのスピーカーから放出されなければいけない

*ドライバーは車両が車道から離れて安全に駐車されている時に、デバイスの操作・設定ができます。

 

3-3. Navigation systems(ナビゲーションシステム)

運転手がナビゲーションシステムを使用する場合の注意点は以下の通りです。

*音声起動方式でナビの設定ができる OR 運転前に、ナビの設定を済ませておく

*手で持つタイプのナビゲーションデバイスの場合、ドライバーが手に持った状態で使用してはいけない

*手で持つタイプのデバイスは自動車の前面または側面の視界を妨げたり、自動車の安全装置や操作機器に影響しないように車両にしっかり固定する

 

3-4. Hand Microphones(ハンドマイク)

ハンドマイクは主に商用目的(例:配送業者)で使用される通信デバイスです。運転中に使用する際の注意点は以下のようになります。

*ドライバーの手が簡単に届くところにデバイスが設置されている

*デバイスはドライバーの正面や側面の視界を妨げたり、自動車の安全装置や操作機器に影響しないように、しっかり車両や人の体に固定・装着されていなければならない

 

3-5. Two-way Radios(2ウェイラジオ)

長距離トラックのドライバーやアマチュア無線オペレーターなどがよく使用している2ウェイラジオ。走行中に利用する場合、以下の点に注意してください。

*ドライバーの手が簡単に届くところにデバイスが設置されている

*デバイスはドライバーの正面または、側面の視界を妨げたり、自動車の安全装置や操作機器に干渉しない方法でしっかり車両に固定されているか、人の体にしっかりと装着されていなければならない

*2ウェイラジオを含むハンドマイクは、運転中の push and hold-to-talk 機能でのみ使用できます。ドライバーがデバイスの他機能を運転中に操作することは出来ません

 

3-6. Television Screens(テレビのスクリーン)

ついつい目を向けてしまうテレビのスクリーンにも注意が必要です。

*ドライバーが車両を安全に操作するため、そして乗客や積荷の安全を維持するために運転者の視界内にテレビイメージを表示することは出来ません(ディスプレイのイメージがドライバーの安全な運転をサポートする写真や情報、データの場合は許可されます)

*デバイスは自動車の前面または側面の視界を妨げたり、自動車の安全装置や操作機器を邪魔しないように車両にしっかり固定する

 

最後に:ルールを破った場合、罰金・罰則はどうなの?

いかがでしたか?
最後に、上記の禁止事項を破った際の罰金・罰則についてお伝えします。

Graduated Licensing Program (GLP)ドライバーの場合
*GLP ドライバーは、電子機器の使用を許可されていません。

*運転中に電子機器を使用した場合、罰金 $ 368 ペナルティーポイント4が課せられます。

すべてのドライバーの場合
*認められていない電子機器の使用、例えば携帯電話を手に持って使用した場合罰金$ 368 ペナルティーポイント4を課せられる(ただし、テキスト、Eメール、ダイアリングは含まれない)

*Eメールまたはテキストなどで別の人、または別のデバイスと通信するために電子機器を使用した場合、罰金 $ 368ペナルティーポイント4 を課せられる(手に持って使用しない場合でもEメールやテキストは禁止されています)

ちなみに、ペナルティーポイントを課せられる違反は運転禁止につながる可能性があります。運転禁止になったドライバーが初心者であった場合、運転禁止期間後に免許証が返されると24ヶ月の初心者期間が再び始まるので、注意しましょう。

また、2018年3月1日の時点で、過去三年間で Disctracted driving ticket を2つ以上切られたドライバーは、Driver Risk Premium(DRP)を支払うことになり、支払い合計が最大 $ 2,000 に増加することも RoadSafetyBC の「Use of Electronic Devices While Driving」に記載されています。

ペナルティについては、以下のリンクを参考にしてみてください。

このように色々と運転中の電子機器の使用に関する注意事項はあるものの、最初に紹介したニュースの事例に関しては、やはり上の注意事項に当てはめて考えてみても、Distracted drivingには当てはまらないように見えますよね。

今回の記事が皆さんにとって参考になれば幸いです。

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