今回は、カナダBC州で法律により定められた資格”Serving It Right”について特集!
バーなどお酒を扱う職業の求人では「Serving It Right必須」や「Serving It Rightをすでに持っている方優先」など、資格に関連する条件を目にした方もいるかもしれません。
そして同じくカナダBC州で定められたSpecial Event Server Certificationという資格についてもご紹介していきますので、今回はServing It Rightと合わせて、これから資格を取得しようか悩み中の方や、今後バンクーバーでお酒を扱う職業に就きたい方など必読です!
目次
Serving It Rightとは?
まず最初に”Serving It Right”とは、バンクーバーでお酒を提供するために必須のResponsible Service BCによる資格です。
photo from Responsible Service BC
顧客、ゲスト、その他の人々をアルコール関連の危害から保護できることを目的としたプログラムであり、酒類の販売およびサービスに携わるすべての人がこの資格を取得する必要があります。
他の州にも同様のプログラムがありますが、カナダBC州で定められているのはServing It Rightという資格になります。
ビザのステイタスや労働時間に関わらず、ワーキングホリデーやパートタイムの場合でも、酒類の販売およびサービスに携わる場合は取得が必要です。
どんな人にServing It Rightが必要?
Serving It Rightはお酒の販売に関わる全ての人が必要ですが、他にも…
・バー、パブ、ナイトクラブ、スタジアム、スパ、アートギャラリー、料理学校などの施設のマネージャー、サーバー、バーテンダー
・イベントで酒を提供するマネージャー、スタッフ
・個人経営の小売店のすべてのマネージャー、および営業スタッフ
・聖餐用ワイン店(sacramental wine stores)を除くすべてのワイン店のすべてのマネージャー、サーバー
・免税店のすべてのマネージャーとサーバー
・BC Liquor Storesのすべてのマネージャーと営業スタッフ
・ケア施設の患者、居住者、ゲストへの酒類のサービスを担当するスタッフ
など上記に当てはまる場合はServing It Rightを取得する必要があります。
Serving It Rightを取得したらどんなことが分かるの?
この資格では、お酒のサービスに関連する問題を防ぐための基本的な知識や効果的なテクニックなどを習得できます。
・法的責任
・アルコールの過剰摂取を減らす
・飲酒運転を減らす
・暴力のリスクを減らす
・未成年者へのアルコールの販売を防ぐ
・店舗などの中や外においての注意義務
・飲料サービスポリシーの作成と実施の必要性
そしてServing It Rightの勉強後、次のようなことが実生活や仕事で活かせるといわれています。
・お酒を提供または販売する際のあなたの法的責任
・アルコールが体に与える影響
・お酒が人々の行動にどのように影響するか
・顧客またはゲストが飲みすぎた可能性があることを知る方法
・あなたとあなたの同僚が安全かつ責任を持ってお酒を提供し販売するためにできること
・19歳未満のお客様やゲストへの対応方法(未成年者)
・飲み過ぎと思われる顧客への対応方法
Serving It Rightはどこで受けられる?費用は?
続いて、どんな問題が出るの?何を勉強したらいい?どこで受けられるの?費用はいくら?などの疑問にお答えしていきます!
photo from Responsible Service BC
Serving It Rightの試験の費用は$35で、3回までリトライ可能です。
オンラインで申し込みから試験まで24時間手続きが可能です。
responsibleservicebc.gov.bc.ca/scorm/content/Z2lkOi8vZmVuaXgvQ291cnNlSXRlbS8xMDczOQ/0/
photo from Responsible Service BC
自習コースの時間はおよそ4時間が目安となっています。
本試験の内容は多肢選択式となっていて質問はランダムに生成されていますが、こちらの全てのコース資料を予習しておけば高確率で試験をパスできるといわれています。
responsibleservicebc.gov.bc.ca/serving-it-right-course
試験を完了するとすぐに結果が得られ、合格した場合はServing It Rightの証明番号がすぐに届き証明書のコピーをダウンロード、または印刷するオプションがあります。
Serving It Right認定は、最終試験の完了日から5年間有効です。
ちなみに試験に合格するには問題の80%を正解する必要があります。
35問中28問以上正解すれば合格です。
試験の時間は設定されていないため、試験からログアウトした後でも途中から続行できます。
Serving It Right予習のための各モジュールと内容のご紹介
Serving It Right予習に向けてどんなことが勉強できるのか各モジュールと内容をいくつかご紹介していきます。
〜アルコールとあなたの法的責任について〜
このモジュールでは、お酒を提供するために必要な知識とスキルを学ぶことができます。
・飲酒が特に危険である、または違法の可能性がある人の見分け方
・アルコール消費を緩和し、アルコール関連のトラブルを軽減するのに役立つ、カナダの安全な飲酒ガイドラインについての学習
・未成年や酔っ払っている客への対応
・従業員としてのあなたの法的責任
・未成年者の飲酒を防ぐための法的義務の学習
・偽IDを特定する方法
〜酩酊と障がいについて〜
誰が酔っているのか、誰が障がいがあるのかの見分け方や対処方法と、酩酊状態がどのくらい続くかなど、このモジュールでは酩酊と障がいをメインに学ぶことができます。
・アルコールとその影響についての真実と迷信
・酩酊のサインと影響
・糖尿病、低血糖症、てんかん、アルツハイマー病などの病状と障がいについて
・客が病状や障がいを持っているか、または実際に酔っているのかを判断する方法
・お酒の種類とオンス別のアルコール度数ついて
・アルコール消費量に基づく血中アルコール濃度(BAC)について
〜責任ある飲料サービスについて〜
このモジュールでは、モジュール2で学んだことを踏まえ、どうやって酩酊を防ぐのか?また、その場面に遭遇した時の実践方法を学びます。
・プロフェッショナルな環境作りと戦略
・チームワークについて
・チームとして問題のある状況を防止、特定、管理する方法
・アルコール関連の問題を軽減するように設計されたResponsible Beverage Service(RBS)プログラムについての学習
・すでにアルコールや大麻を使用している客が来店した時の拒否する方法についてのポリシーと手順
・酔っ払っている客が自分自身や他の人を傷つけることなく安全に帰宅することを確認する方法
〜まとめ〜
最後のモジュールでは、3つのビデオに登場するスティーブンとクリスティーがどのように法律を遵守し、酩酊の兆候を特定して対処し、効果的なRBSシステムに従うかのロールプレイを観て終わりです。
ビデオは59秒と、20秒と34秒のビデオでとても短く構成されています!
Serving It Rightに関する代表的なQ&A
ここでResponsible Service BCの公式ページにも掲載されている代表的なQ&Aをいくつかご紹介します!
A. サーバーまたはバーテンダーとして働いている場合、特定の州の有効な証明書に限りBC州政府によって認識されます。つまり改めて取得する必要はないようですが、特定の州に限りなので要確認が必要です。もしあなたがライセンシーの場合、マネージャーとして働いている場合、または小売酒屋で働いている場合はServing It Rightを取得する必要があります。
A. Serving It Right証明書をお持ちで、別の州に移転する場合は、その州で証明書が有効かどうか、その州の飲料提供者に確認してください。
A. オンラインコースと試験の場合、資料にアクセスする前に登録プロセスを完了し支払いを行う必要があります。クレジットカード(Visa、MasterCard、American Express)でお支払いいただけます。
A. 現時点では、Serving It Rightは英語でのみ対応しています。
A. Serving It Right証明書を取得できる人に最低年齢要件はありません。
Special Event Server Certificationとは?
続いて、初めて聞いた方も多いかもしれないこちらの資格…
“Special Event Server Certification”とは、特別なイベントにてお酒を提供するためのカナダBC州で定められた必須の資格です。
こちらのコースでは、酩酊を認識し、過剰なサービスに関連する問題を防止するための法的責任と効果的な手法に関する情報を学ぶことができます。
photo from Responsible Service BC
500人未満のイベントのマネージャーと特別イベント許可証の所有者も同じく、Special Event Server Certificationコースを受講する必要があります。
Serving It Rightはバンクーバーでお酒を提供するために必要な資格ですが、Special Event Server Certificationは通常営業ではない特別なイベントにてお酒を提供する時に必須な資格となっています。
しかし、現在有効なServing It Right認定を取得している場合は、Special Event Server Certificationも修了する必要はないとのこと!
Serving It Rightをすでにお持ちの方には朗報ですね!
Special Event Server Certificationの受け方や費用は?
Special Event Server Certificationのコースの受講にかかる時間は約2時間とServing It Rightよりも短め。
電卓が必要な問題が出るようなので試験を受ける際は手元に電卓を用意しておいた方がベターとのこと。
費用は25ドルで、Serving It Rightと同様にテスト結果をすぐに受け取けとることができ、証明書を印刷またはダンロードすることもできます。
ここでひとつ気をつけておきたいポイントがあります!
Special Event Server Certificationの証明書には期限があり、資格取得から5年間の有効期限が印刷されています。
Serving It Rightをゲットして仕事に活かそう!
いかがでしたか?
一見難しそうに思えるServing It Rightですが、事前に資料に目を通しておけば比較的簡単に取得可能と言われている資格です。
今回ご紹介したServing It RightとSpecial Event Server Certificationの他にもSelling It Rightという資格もあったり、オンラインで気軽に取得できるのはとても有り難いですね。
Serving It Rightの資格が取れたら職業の選択肢も広がりますし持っていて損はないと言われているので、今後バンクーバーで仕事の分野を広げてみたい方や、海外でお酒を扱う仕事の経験がしたい方、お酒のサービスに関する知識を深めたい方、バンクーバーに滞在している間に記念に挑戦して見たい方などトライしてみてはいかがでしょうか?
responsibleservicebc.gov.bc.ca/what-is-serving-it-right