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改めて押さえておきたいトルドー首相率いるカナダ自由党の主要な公約8つ

   
  

9月20日に行われたカナダ総選挙の投開票で、ジャスティントルドー首相率いる与党・自由党(リベラル)が勝利の見通しです。

今回は「自由党の政策を実はあまり知らない・・・」という方に向けて、改めて自由党の掲げる政策の代表的なものについて簡単ながら解説していきたいと思います。

1.チャイルドケア – 1日10ドルへ

まずはチャイルドケア。カナダでの子育ては費用がかかり、低所得層の家庭にとってチャイルドケアや早期学習は利用が難しいものとなっています。

そこで、1日10ドルのチャイルドケアの実現に奔走しています。また、チャイルドケアがすでに手頃な価格であるケベック州では、州と協力してチャイルドケアスペースを増やして、教育者の労働条件を改善しようとしています。

こちらは既に8つの州と準州(BC / Nova Scotia / PEI / NL / Quebec / Yukon / Manitoba / Saskatchewan)と協定を結んでいます。

 

2.新型コロナウイルス対策 – コロナ禍を終わらせる

いまだコロナ禍にあるカナダ。ジャスティントルドー首相は総選挙前の8月に海外旅行のためのワクチンパスポートを発行予定であることを以前発表していたり、医学的な例外がない限り完全なワクチン接種を受けていない人は、カナダの飛行機で国内線を利用したり、列車で州間を移動したりすることは許可しない予定であると語っていました。

今後も感染拡大の予防策を強化するためワクチン接種率の向上を促進し、全てのカナダ人がCovid-19のブースターショットにアクセスできるようにする予定で、コロナ禍を終わらせることが期待されています。

また、州・準州をサポートするために10億ドルのCOVID-19ワクチン接種証明基金(COVID-19 Proof of Vaccination Fund)を立ち上げるなどが計画されています。

3.不動産 – 全ての人が家を所有できるように

地域にもよりますが、カナダは不動産がとても高く、特にバンクーバーやトロントなどに暮らす若者にとってマイホームを持つということが困難になってきています。これに対し自由党も「家賃が上昇し、住宅価格が上昇し続けているため、多くの若いカナダ人は、両親と同じ生活を送るための明確な道筋を見ていません。」と記しています。

そこで自由党は、今後4年間で多世代の生活をサポートするためにも140万棟もの家の建設(or修理)、毎月の住宅ローン費用の削減や新しい非課税のFirst Home Savings Accountなどの導入により、すべてのカナダ人が住宅を購入できるような環境をつくることを掲げています。

また、住宅購入のプロセスをより公平で、よりオープンで透明性のあるものにするとのことです。

 

4.環境保護 – ゼロエミッション車をより手頃な価格で

続いては、環境保護についてです。再選した自由党は、より多くの仕事、よりクリーンなコミュニティ、そしてより少ない汚染のために気候変動対策を加速するという野心的な計画を進める予定です。

そのためにカナダ全土でグリーンジョブを創出、重工業の汚染の削減、再生可能な電力の増強、2030年までにプラスチック廃棄物をゼロにすること、10の新しい国立公園をつくるなどを計画。

また、ゼロエミッション車をより簡単かつ手ごろな価格で所有できるようにすることを目指していて、2035年までにすべての新車をZEV(Zero Emission Vehicle)にする目標を掲げています。

 

5.シニアサポート – 高齢者がより快適に暮らせるように

自由党はシニアへの支援を強化することを掲げています。例えば、50,000人以上のパーソナルサポートワーカーのトレーニングと賃金の引き上げを目指しています。

また、Guaranteed Income Supplement をシングルシニアには 500ドル、シニアカップルには 750ドル増やすことで、高齢者の生活をより暮らしやすいものにするとのことです。

さらに州や準州と協力して介護を改善し、高齢者が自宅に長く滞在できるようにすること、そしてどこに住んでいても高齢者が安全で快適な生活ができるように支援することを掲げています。

 

6.先住民のサポート – 住宅建設とメンタルヘルスケア支援

自由党は、先住民主導の解決策で先住民コミュニティの住宅とメンタルヘルスケアのギャップを埋めるために働くとしています。

その中には、ファースト・ネーションなど先住民コミュニティへ住宅を建設するために4年間で20億ドルを投資すること、カナダ初となる国立先住民住宅センター(National Indigenous Housing Centre)を共同開発することなどが含まれています。

 

7.銃について – 若者がギャング活動に参加するのも防ぐ

より安全な暮らしの場をつくるために、自由党は引き続き暴行目的の銃器などの使用・販売・輸入を禁止します。同時に若者がギャング活動に参加するのを防ぐためへの活動に投資も行うことが自由党のウェブサイトに記されています。

今後、禁止された暴行兵器に関する法律を強化したり、銃器の密輸と戦うためにRCMPとカナダ国境サービス庁の能力を強化する意向です。

 

8.ヘルスケアの充実 – 全ての人により良いヘルスケア

自由党は再び政権を握ることになれば、10日間の有給病気休暇(paid sick leave)を導入するとしています。

また、コロナ対策として学校やコミュニティセンターの換気を改善するプロジェクトに投資、中小企業が換気システムを改善するのに役立つ税額控除を計画しているとのことです。

さらに医療制度を改善するために30億ドルを投資して、4年間で7,500人のファミリードクター、看護師、およびナースプラクティショナーを雇用する予定で、無料のメンタルヘルスサービスを全国で提供できるように支援もするようです。


ということで、今後の政策の展開が気になりますね。自由党の掲げる内容は以下でも確認してみてください。カナダのますますの発展を願うばかりです。

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