2023年5月6日、カナダ政府が次期20ドル紙幣に国王チャールズ3世の肖像が描かれる予定であることを発表したのを、皆さん覚えているでしょうか?
それから3年以上の月日が経った本日2026年9月3日(木)、オンタリオ州オタワにて、チャールズ3世国王の肖像をあしらった新20ドル紙幣のデザインが発表されました。それがこちら↓

photo from TheBankofCanada
Bank of Canadaによると、カナダで初めて国王の肖像が描かれた紙幣であり、20ドル紙幣に新たな君主の肖像が描かれるのは70年以上ぶりのことです。
今回は、この新しい紙幣の特徴を紹介します。
新しい20ドル紙幣の特徴
新紙幣は、現在の横型20ドル札から大きくデザインが変わり、「縦型」紙幣シリーズの第2弾となります。第1弾の10ドル紙幣には、公民権運動の先駆者であり実業家でもあるヴィオラ・デズモンドが描かれています。
20ドル紙幣の表面にはカナダの国王・国家元首であるチャールズ3世の新しい肖像、裏面にカナダ国立ヴィミ記念碑の新しい画像が描かれ、カナダ史上初となる最新の偽造防止技術が採用されています。
- 縦型デザイン:現在の縦型10ドル札と同じ方向
- 色:従来の20ドル札を引き継いで、主に緑色
- 素材:引き続きポリマー製
- 表面:チャールズ3世(King Charles III)
- 裏面:Canadian National Vimy Memorial(カナダ国立ヴィミ記念碑)
- 偽造防止技術:最新セキュリティ機能を搭載
紫色のセキュリティストライプに注目

photo from TheBankofCanada
新しい20ドル紙幣は、容易に確認でき、偽造が困難なセキュリティ機能が搭載されています。
新20ドル札もこれまで同様、1枚のポリマー素材からできており、触るとポリマー特有の滑らかな質感があります。
一番大きな進化が、紙幣に入っている紫色のセキュリティストライプです。紙幣を傾けると、このストライプの中にある絵が動いて見える仕組みになっています。
ストライプには、次の4つの特徴があります。
Maple leaf(メープルリーフ):内部のメープルリーフが脈打つような感じで動いて見える
Poppy(ポピー):花びらの中にある帯状の模様が回転して見える
Background pattern(背景パターン):「20」の数字が回転するような感じでメープルリーフへ変化して見える
つまり単なるホログラムではなく、傾けることで複数の部分がそれぞれ違った動きをするのがポイントです。(早く手に取って確かめてみたいですね)
触って確認できる「Raised ink」

photo from TheBankofCanada
現在流通している20ドル紙幣と同じく、新しい紙幣も視覚だけでなく、触って本物か確認する機能もあります。
新紙幣では、
- チャールズ3世の肖像
- 大きな「20」の数字
- 「CANADA」の文字
に盛り上がったインク(Raised ink)が使用されています。指で触ることで凹凸を確認できます。
裏面の金色のメープルリーフにも仕掛け

photo from Bank of Canada
さらに裏面にはGold maple leaves(金色のメープルリーフ)があり、紙幣を傾けると、内側の葉が脈打つような感じに動いて見えるそうです。
ちなみに、紙幣の裏面に描かれたフランスにあるカナダ国立ヴィミー記念碑は、カナダが歴史を通じて軍事紛争で果たしてきた貢献と犠牲を称えるためのものになります。
描かれている数多くの植物について

photo from Bank of Canada
国王陛下の肖像は、国王陛下の生涯にわたる環境保護への献身にちなんで、花と葉をモチーフにしたタペストリーで囲まれています。
紫色のストライプの近くに描かれた数々の植物モチーフは、カナダのインディジネスにとって文化的に重要な4種類の植物(wild strawberries, western red cedar, braided sweetgrass and arctic cotton)です。これらの植物は、カナダ銀行の先住民諮問委員会によって推薦され、糧、感謝、そして癒しを象徴しています。
また、カナダの13の州と準州は、それぞれの州花で象徴されています。花をつなぐ茎と葉は、国会議事堂に保管されている戦没者追悼録に描かれたものに基づいています。
紙幣裏面に数多く描かれているポピーは、Remembrance Dayでもおなじみです。第一次世界大戦中、ヨーロッパ西部戦線の戦場や墓地に咲き誇った、明るく力強い花々への敬意を表したものです。
視覚障害のある方や弱視の方が縦型20ドル紙幣を確実に認識できる工夫について
縦型20ドル紙幣は、カナダのすべての紙幣と同様に、触覚ドットや大きな高コントラストの数字(表と裏で色が異なっています)といったアクセシビリティ機能を備えています。
これらの機能は、視覚障害のある方や弱視の方が縦型20ドル紙幣を確実に認識できるよう支援します。

photo from Bank of Canada (YouTube)
従来の紙幣にもこの触覚ドットが付いていますが、それぞれの紙幣でドットの数や位置が異なっていることに気付かなかったという方も実は多いのではないでしょうか?
新紙幣は2027年2月下旬頃から流通開始予定
20ドル札は、カナダで最も流通枚数が多く、日常生活でも最もよく使われている紙幣です。新紙幣は2027年2月下旬頃から順次流通予定です。
高度な偽造防止機能に加え、カナダの美しさと歴史を反映したデザインが施されている新しい20ドル紙幣、早く実物を見てみたいですね。
