【カンヌ受賞作やジブリも】2016年バンクーバー国際映画祭(VIFF)の日本映画10選

   
  

今年もいよいよ開幕が近づいてきました。第35回バンクーバー国際映画祭(通称VIFF:Vancouver International Film Festival)
今年も世界各国から出品された数々の映画作品が、9/29〜10/14の16日間バンクーバーの映画館にて上映されます。

今年のバンクーバー国際映画祭にも、日本映画の長編短編映画作品や関連作品が上映されます!
今回発表されている作品10本を一挙ご紹介します。

1.海よりもまだ深く(After The Storm)
監督:是枝裕和/キャスト:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、樹木希林

「そして父になる」、そして「海街diary」に続き3作連続のカンヌ出品となっているVIFFの常連でもある是枝作品。前2作はVIFFでも公開されて人気を呼んでいましたね。こちらはぜひ見逃せない作品です。

是枝裕和監督が、「歩いても 歩いても」「奇跡」に続いて阿部寛と3度目のタッグを組み、大人になりきれない男と年老いた母を中心に、夢見ていた未来とは違う現在を生きる家族の姿をつづった人間ドラマ。15年前に文学賞を一度受賞したものの、その後は売れず、作家として成功する夢を追い続けている中年男性・良多。現在は生活費のため探偵事務所で働いているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳していた。別れた妻・響子への未練を引きずっている良多は、彼女を「張り込み」して新しい恋人がいることを知りショックを受ける。ある日、団地で一人暮らしをしている母・淑子の家に集まった良多と響子と11歳の息子・真悟は、台風で帰れなくなり、ひと晩を共に過ごすことになる。主人公の母親役を樹木希林が好演し、共演にも真木よう子、小林聡美、リリー・フランキーら豪華な顔ぶれがそろう。
解説引用:映画.com

【作品公式サイト】海よりもまだ深く
【上映スケジュール】10月7日(金)3:35pm / 10月13日(木)6:00pm
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2.淵に立つ(Harmonium)
監督:深田晃司/キャスト:浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治

「ほとりの朔子」「さようなら」などの作品で世界から注目を集めていた深田監督の作品で、今年5月22日に開催された第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した注目作です。

下町で小さな金属加工工場を営みながら平穏な暮らしを送っていた夫婦とその娘の前に、夫の昔の知人である前科者の男が現われる。奇妙な共同生活を送りはじめる彼らだったが、やがて男は残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせから男の消息をつかむ。しかし、そのことによって夫婦が互いに心の奥底に抱えてきた秘密があぶり出されていく。静かな狂気を秘める主人公を浅野が熱演し、彼の存在に翻弄される夫婦を「希望の国」「アキレスと亀」の筒井真理子と「マイ・バック・ページ」の古舘寛治がそれぞれ演じた。
解説引用:映画.com

【作品公式サイト】淵に立つ
【上映スケジュール】10月1日(土)3:45pm / 10月10日(月)9:30pm
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3.永い言い訳(The long excuse)
監督:西川美和/キャスト:本木雅弘、深津絵里、池松壮亮

本木雅弘さんが「おくりびと」以来、約7年ぶりに映画主演を務めた今作には、深津絵里、池松壮亮などの脇をかためるキャスト陣でも注目される作品です。

「ゆれる」「ディア・ドクター」の西川美和監督が、第153回直木賞候補作にもなった自著を自身の監督、脚本により映画化。人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれる夫を演じることしかできなかった。そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会う。幸夫と同じように妻を亡くしたトラック運転手の大宮は、幼い2人の子どもを遺して旅立った妻の死に憔悴していた。その様子を目にした幸夫は、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る。なぜそのようなことを口にしたのか、その理由は幸夫自身にもよくわかっていなかったが……。
解説引用:映画.com

【作品公式サイト】永い言い訳
【上映スケジュール】10月11日(火)1:15pm / 10月13日(木)6:30pm
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4.女が眠る時(While the women are sleeping)
監督:西川美和/キャスト:ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ

女性にも人気の西島秀俊さん、そして今回は俳優として出演するビートたけしさんが主演。解釈が見る人に依存する分かりにくいストーリーと長い間合いが独特な映画なので、いわゆる一般ウケするタイプの作品ではありませんが、映画ファンならぜひ抑えておきたい作品です。

ベルリン国際映画祭で特別銀熊賞を受賞した「スモーク」などで知られる香港出身のウェイン・ワン監督が、ビートたけしを主演に迎えて挑んだ初の日本映画。一週間の休暇で妻とともに郊外のリゾートホテルを訪れた作家の清水健二。妻とは倦怠期を迎え、作家としてもスランプに陥り就職が決まっていた健二は、ホテルで無気力な時間をすごしていた。そんな健二が目を奪われたのが、初老の男・佐原と若く美しい女・美樹のカップルだった。プールサイドで異様な存在感を放つ佐原と美樹。それ以来、ホテル内で佐原たちを見かけるたびに、健二は2人の後をつけ、佐原の部屋をのぞき見るようになっていくが……。佐原役に、自作以外で主演を務めるのは2004年の「血と骨」以来となるビートたけし。健二役には「劇場版 MOZU」でもたけしと共演した西島秀俊。共演に忽那汐里、小山田サユリ。
解説引用:映画.com

【作品公式サイト】女が眠る時
【上映スケジュール】10月1日(土)6:30pm / 10月8日(土)10:25am
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5.レッドタートル(The Red Turtle)
監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

スタジオ・ジブリが手掛ける最新作で、今年の第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞を受賞しています。日本でも9月17日に公開するので同じタイミングでバンクーバーでも観ることができますね。


それは、1本のアニメーション映画から始まった。 2000年に公開された『岸辺のふたり』(監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)は、わずか8分間という短編にもかかわらず、父娘の愛おしい絆を丹念に描き、世界中を静かな感動で包み込んだ。そして、アカデミー賞短編アニメーション映画賞など世界各国の賞を多数受賞。同作を観たスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーの、この監督の長編を観てみたいという気持ちが出発点となった。はじめての長編制作の打診を受けたマイケル監督は、尊敬する高畑勲監督から、長編映画の制作について助言を受けることを条件にこれを快諾。高畑監督参加のもと、スタジオジブリとシナリオ・絵コンテ作りから効果音・音楽にいたるまで、あるときは直接会い、あるときは海の向こうからデータを送って、節目節目で打ち合わせを重ねた。アニメーション制作の実作業はフランスを中心に行われ、実に8年もの歳月をかけて遂に完成させた。
解説引用:東宝

【作品公式サイト】レッドタートル
【上映スケジュール】10月1日(土)2:30pm / 10月6日(木)6:15pm
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6.仁光の受難(The sufferings of Ninko)
監督:庭月野議啓/キャスト:辻岡正人、若林美保、岩橋秀太、有元由妃乃

CampFireでのファウンドレイジングにより資金調達が成功した注目の作品です。予算が高くなりがちな時代劇に今回挑戦した庭月野監督は九州芸工大の在学以来、数々の中短編映画を自主制作するほか、映像ディレクターとしてTVやCM業界で活躍。今作で初の海外出品となり釜山国際映画祭にも出品。VIFFでの上映がワールドプレミアとなります。

僧侶と 人斬りと 妖怪が おりなす、百物語の一編。実写と浮世絵と曼荼羅でつづる「活動浮世草子」!謹厳実直な僧侶・仁光(にんこう)は、女人を惑わす自らの魔性に頭を抱えていた…。
解説引用:CampFire

【作品公式サイト】仁光の受難
【上映スケジュール】10月1日(土)6:30pm / 10月2日(日)12:45pm
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7.昼も夜も(Lifeline)
監督:塩田明彦/キャスト:瀬戸康史、吉永淳

lifeline
photo from Vancovuer International Film Festival

妻夫木聡、柴咲コウ主演「どろろ」、北川景子、錦戸亮主演「抱きしめたい」などのヒット映画を手がけてきたベテラン塩田明彦監督の作品。著名な映画監督が手がける作品たちをYouTubeで無料公開する企画内で公開された中編映画で、東日本大震災を想起させる作品です。

2年前父親を亡くし、若くして父親の中古自動車販売会社を継いだ真野良介。家を出た母親の代わりに小さな妹の世話までする良介の前にある日、ひとりの女が現れる。名前も素性も分からない彼女に振り回される内に、良介は彼女に心を開き自分の話をしていく。2年前父を亡くしたことや、恋人の事故のこと…。どこにも行けない良介と、どこにも居場所がない女の魂が静かに共鳴する、それでも生きる若い2人を感じる詩的な一作。
解説引用:シネルフレ

【上映スケジュール】9月30日(金)8:15pm / 10月2日(日)10:30am
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8.東北の新月(A new moon over Tohoku)
監督:リンダ・オオハマ

カナダ人のドキュメンタリー監督リンダ・オオハマさんが、東日本大震災後、被災地で支援活動を行いながら2年以上に渡り記録してきた映像を、ファウンドレイジングによる資金にて映画化した作品です。

東北の新月: 2011年に日本の東北地方で起きた大地震、津波、そして放射能汚染災害後の、愛とサバイバル、日本の文化伝統の感動の物語。
この映画は宮城、岩手、福島 各県沿岸の市町村での 2年半以上に及ぶ取材ロケを通じて制作された、災害に打撃を受けた日系カナダ人映画作家と被災者住民の心の快復の記録である。寡黙を旨とする東北の人々がその沈黙を初めて破り それぞれの思いを言葉にする。彼らの強さが先祖から受け継がれたものであり、自分達の存在が日本文化のさらなる存続においてもユニークなものになった事を神秘的な確信を持って物語る。未来を夢見る少年、新たな戦いに挑む年老いた侍: 両者は言葉で言い表せぬ何か、しかし人生に必要不可欠な何かを共に見い出す。「新月」、目には見えぬ月、しかし闇の中にその同じ引力を持ってしかと存在する月。
解説引用:東北の新月 公式サイト

【作品公式サイト】東北の新月
【上映スケジュール】10月5日(水)6:15pm / 10月7日(金)1:30pm
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9.We are X
監督:スティーブン・キジャク

日本のビジュアル系ロック・バンドの先駆者、X Japanのドキュメンタリー映画。今年1月にアメリカの『サンダンス映画祭』で最優秀編集賞を受賞する他、世界中の数々の映画祭でも高い評価を得ていることでも今話題に。X Japanのファンの方だけでなく、ドキュメンタリー映画ファンには注目の作品です。

『We Are X』は、パンク・ロックバンドX JAPANのこれまでの活動の舞台裏のストーリーと、バンドのリーダーでありドラムスのYOSHIKIが、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた再結成ライブを開催するまでの姿を記録したものだ。米国の観客にはあまり知られていないが、YOSHIKIは海外で3000万枚以上のアルバムセールスを記録しており、有名人のファンも多い。ステファン・キジャックが監督した『We Are X』には、ジーン・シモンズやマリリン・マンソンといったX JAPANの熱狂的なファンである有名人の証言も含まれている。同作のプロデュースは、英ドキュメンタリー製作会社パッション・ピクチャーズのジョン・バトセック(『シュガーマン 奇跡に愛された男』)が手掛けている。
解説引用:Variety Japan

【作品公式サイト】We are X
【上映スケジュール】10月1日(土)3:45pm / 10月5日(水)6:30pm / 10月9日(日)4:15pm
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10.食卓(Out of the frying pan)
監督:小松孝

ぴあフィルムフェスティバル2016に入選した小松孝監督の約47分にわたる自主制作映画。

年金生活を送る父・政夫と、ニートで詩人の息子・広志。彼らが暮らす一軒家では、食事も別々で、家族らしい交流もない。そこにネットの結婚相談所で政夫と知り合った寿美子が、妻として共に住むことになり、彼らの家族のかたちは変わっていく。酒を止めようとする政夫、三人が囲む食卓。だがそれが理想の家族生活であるわけでは決してなかった。
タイトルにある食卓は、かつてそう思われていたような家族の団欒を提供する場所ではない。だが、「食べる卓」である役割から解放されてフライパンアートの置場となった食卓は、ちょっとだけ自由になれたようにも、見える。
解説引用:PFFアワード

【上映スケジュール】10月1日(木)3:30pm / 10月3日(土)9:15pm
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日本映画だけでなく、この期間にしか見られない数々の珠玉の作品が集まりますのでぜひ見たい映画を開催前にチェックしてみてくださいね!

Vancouver International Film Festival
September 24 – October 9, 2015
【公式サイト】Vancouver International Film Festival
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