今年もいよいよ開幕が近づいてきました。第３４回バンクーバー国際映画祭！
今年も世界70カ国を超える国々から350以上の作品が集結し、9/24〜10/9の16日間、バンクーバーの映画館にて上映されます。

昨年は「バンクーバーの朝日」が世界初公開され、石井監督、キャストの妻夫木さんや亀梨さんもバンクーバー入りし、レッドカーペットに登場して多いに盛り上がりました。
LifeVancouverも合同記者会見でインタビューをさせていただき、その時の模様は過去の記事でもレポートしております。

さて、今年のバンクーバー国際映画祭にも、日本映画の長編8作品、関連作品3作品、短編１０作品が上映されます！
なかでも、特に声を大にしていいたいのが、世界のキタノ、北野武監督の短編作品が上映されるコト！
長編作品の最後にご紹介します！

長編日本映画８作品

日本でもすでに公開済みの作品から未公開まで全８作品が上映されます。豪華キャストの話題作や心にしみるドキュメンタリーなど、この機会にぜひチェックを。

1.海街diary(Our Little Sister)
監督：是枝裕和／キャスト：綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず

一昨年、世界最大の映画祭であるカンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞、またバンクーバー国際映画祭でも観客賞を受賞した「そして父になる」の是枝監督の作品です。日本で数々の賞を受賞している吉田秋生のベストセラーコミックの映画化で、豪華なキャスト陣で日本でもすでに6月に公開され話題になりました。海の見える街を舞台に、四姉妹が絆を映画いた家族の物語です。見逃した方は、この作品を見るチャンスですね。

2.GONINサーガ(GONIN SAGA)
監督：石井隆／キャスト：東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ

バイオレンスアクションの傑作として名高い「GONIN」（1995）の正統続編（他にもいろんなバージョンのGONINの続編があるので）。正統と言われるのは、前作と同じ石井監督が手がけているからなのですが、その前作は1995年のバンクーバー国際映画祭でも上映されています。日本では任侠モノは大衆的ではないものの密かに人気で、最近は女性のファンも増えているようです。海外ではこうした日本のヤクザ映画は昔から日本以上に人気で、今作もとても注目されており、バンクーバー国際映画祭でも石井監督ほか制作陣が今回バンクーバー入りが予定されています！
今回の続編は、およそ19年を経た前作の登場人物の息子達が物語の主人公で、若手俳優として人気の東出昌大さん、桐谷健太さんらが出演するほか、前作からは俳優を引退した根津甚八さんが今回限りの復帰しているのでそこにも注目です。
日本でも9月26日から公開されるので、日本と同じ時期にバンクーバーでこの作品が見られるのが嬉しいですね。

3.百円の恋（100 YEN LOVE)
監督：武正晴監督／キャスト：安藤サクラ、新井浩文

故・松田優作氏の志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく2012年に新設された脚本賞、第一回「松田優作賞」グランプリ作品に選ばれた脚本を、『イン・ザ・ヒーロー』の武正晴監督が映画化した作品で、第88回米国アカデミー賞外国語映画賞部門にも出品されています。
数々の受賞歴を持つ実力派女優の安藤サクラさんが、毎日をサバイブしながら恋愛とボクシングに目覚めていく女性を演じる人間ドラマです。安藤サクラさんといえば、お父さんが俳優の奥田瑛二さん、旦那さんも俳優の柄本佑さん、お姉さんも映画監督の安藤桃子さんで、映画に縁深い環境にいらっしゃる方です。派手な活躍をするタイプの女優さんではないのですが、テレビや映画に多く出演しているので「あ！あの人か！」と思われる方もいるかと思います。
日本では昨年末にすでに公開された映画なので、こちらも見逃している方はぜひ！

4.いさなとり(The Name of the Whale)
監督：藤川史人／キャスト：田中隼翔、木村祐斗、竹廣三四郎

「いなさとり」とは、万葉集にも残る捕鯨を意味する枕詞。太古の昔にはクジラが泳いでいた海の底だった町で、中学生のユウタが体験する出会いと別れを描くいている映像詩的な作品です。藤川監督自身が広島県三次市に2年住んでつくられ、ドラマとドキュメンタリーなど、いくつもの素材を融合させ、土地と時間を描いた意欲作。

5.牡蠣工場(Oyster Factory)
監督:想田和弘

瀬戸内海に面した小さな町、岡山・瀬戸内市牛窓にある牡蠣工場を舞台としたドキュメンタリーで、想田監督が取り組む“観察映画”シリーズ第６弾作品。
想田監督は、演劇の名門NYスクール・オブ・ビジュアル・アーツ映画学科在学中に様々な賞を受賞し、卒業制作はヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。世界的にも評価が高いドキュメンタリー映画監督です。
この作品は今年８月の第68回ロカルノ映画祭にも招待され、日本では来年2月以降に公開予定。

6.Reflection(Reflection)
監督:松林要樹

競走馬を引退して福島県南相馬市に移された1頭の馬が、東日本大震災を経て辿った数奇な運命を描いた「祭りの馬」。昨年のバンクーバー国際映画際でも上映されたこのドキュメンタリー映画の松林監督が、バンクーバーを含めた世界の17都市で、鏡や窓、水たまりなどに移る様々なイメージを捉えた新たなドキュメンタリー映像作品が上映されます。

7.ローリング(Rolling)
監督:冨永昌敬／キャスト：三浦貴大、柳英里紗、川瀬陽太

「パビリオン山椒魚」「乱暴と待機」の冨永昌敬監督が、全編を茨城県水戸市で撮影。盗撮事件で地元を追われた元教師が東京から女を連れて地元に帰ってきたことから巻き起こるヒューマンドラマ。

8.恋人たち(Three Stories of Love)
監督：橋口亮輔／キャスト：篠原篤、成嶋瞳子、池田良

『ぐるりのこと。』以来の橋口監督にとって7年ぶりの長編作となるオリジナル脚本作品。通り魔殺人事件によって妻を失った男、自分に無関心な夫と、そりが合わない義母と暮らす平凡な主婦、同性愛者で完璧主義のエリート弁護士の3人が織り成す物語です。主人公となる3人のキャストはオーディションで選出され、監督が彼らにあわせてキャラクターを書いたそう。脇を固める俳優に、リリー・フランキー、木野花、光石研ら実力派が出演しています。

北野武監督８年ぶりのショートフィルム

朝(Morning -Asa- + News)
監督：北野武／キャスト：ビートたけし

2007年にカンヌ国際映画祭60回記念として製作公開された「素晴らしき休日」（３分間）以来８年ぶりに監督した短編映像。中年男性の何気ない朝の風景を切り取った作品で、とにかく泣かされると話題の映像です。
監督いわく、「一番、不得意な“泣き”というジャンルに挑戦してみた」という今作。「俺の映画は、暴力を扱ったものが多くて、外国でも“バイオレンス”なんて言われちゃうんだけど、悲しい映画だって撮れるよって言いたいかな」（シネマトゥデイインタビューより）
北野監督の初期の作品によく見られた「キタノブルー」を彷彿とさせるとのことで、北野ファンは必見。

北野監督作品以外にも美しいアニメーション作品などを含む短編10作品が長編作品と同時上映で公開されます。
日本映画作品一覧は、VIFF公式サイトのこちらを参考に！