バンクーバーとシアトル間を1時間で結ぶ時速400kmの新幹線が開通?!

   
  

バンクーバーから車で3〜4時間のお隣アメリカの都市シアトルへ、将来1時間で行ける日本の新幹線のような時速400kmレベルの高速鉄道が通るようになるかもしれません。

Downtown Seattle

アメリカ・ワシントン州が本格的に動き出す

The Capitol

シアトルのあるアメリカのワシントン州の州知事ジェイ・インスレー(Jay Inslee)氏は、2017〜2019年の州予算案として100万アメリカドル(日本円で1億円ほど)を、シアトル・ポートランド・バンクーバー間を結ぶ高速鉄道の可能性を探るための調査費に充てることにしました。
カナダとアメリカの西海岸都市を高速鉄道で結ぶ案は、様々な各都市の官庁機関で以前から何度か持ち上がっているものですが、ワシントン州が具体的に予算を組んでこの可能性について調査するのは初めて。

なぜ高速鉄道が必要?

Autopia Seattle:  Beacon Hill and Interstate 5 as Seen From the Yesler Way Bridge,  5:00 p.m. 01.31.12

ワシントン州運輸センターによると、シアトル・ポートランド・バンクーバーの各都市は高速鉄道が利用されるのに十分な人口規模であること、また各都市の高速道路や空港がすでに飽和状態にあるため、渋滞緩和各都市間の人の移動をよりスムーズにすることによる経済発展も期待されています。
  
【各都市の人口】
•シアトル 621,829人
•バンクーバー 603,500人
•ポートランド 593,939人
‌(2010年アメリカ統計局)

高速鉄道に関する今回の調査

Shinkansen 700 RailStar

今回の調査は、ワシントン州立大学などの大学と州の運輸部との合同で行われます。調査では時速400kmで走る高速鉄道が各都市を結ぶことによる

ー 開発や運営コストによる経費
ー 可能性のある駅の場所
※ベリンガム、エバレット、シータック国際空港、タコマ、オリンピアなどの駅が候補として出ています。
ー 開発技術の選択肢
ー 環境への影響
ー 既存の鉄道との融合連結性

などが調査され、今年12月のワシントン州立法議会に提出される予定です。

実際の建設の可能性は?


photo from Amtrak via Facebook

ワシントン州運輸センターによると、実現可能性として最も問題視されているのが、土地にかかる費用の問題。新幹線になじみ深い日本人の皆さんなら十分お分かりかと思いますが、高速鉄道は通常の貨物やローカル線のレールが使用できません。現在、バンクーバーからシアトルなどのアメリカ各都市をつなぐ長距離列車アムトラック(Amtrak)がありますが、そうした線路とは別に新たに専用線路を敷く必要があります。
ということは、多くの土地を購入する必要があり、またダウンタウンなどの都市部では、地下鉄もしくは専用高架を建設する必要があります。そうなると建設にかかる費用は莫大に。

実現すればカナダ初の高速鉄道

Trains...

そういったわけで、この高速鉄道の案が実現するにはまだしばらくかかりそうですが、それでも実現すれば多くの経済効果をもたらす上、各都市の発展がより進むことは間違いなさそうです。特にカナダはG7の先進国のなかでも、まだ高速鉄道がない唯一の国なので、この事でカナダの発展を期待する人もいるのではないでしょうか。

引用:CBC
1 hour from Vancouver to Seattle? Washington state budgets $1M for high-speed rail study

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