免疫力を上げて花粉アレルギーの季節を乗り切ろう!

   
  

「坂本由美の暮らしに役立つホリスティック栄養学」第5回
文・一部写真/坂本由美

春は目覚めの季節。動物は冬眠から目を覚まし、植物も芽を出し開花しはじめます。
ポカポカ陽気で心も軽くなる季節ですが、花粉のアレルギーでそれどころではない人も多いのではないでしょうか。

わたしが子供の頃は、まだ花粉症という言葉はありませんでした。花粉は飛んでいても、過剰反応(アレルギー)を引き起こす原因(アレルゲン)にはなっていなかったという事です。 

花粉アレルギーの原因

時代は急速に進化して、道端も砂利道からコンクリートやアスファルトに変わり、花粉が地面に吸着せずに再浮遊してしまう事や、土まみれになって遊んでいた時代から、除菌、抗菌が重視され、菌に対する抵抗力が衰えてきたのも、数ある原因の一部ではないかとも言われています。
花粉は季節や住む地域によって種類が異なります。秋はブタクサ(ヨモギ科)、春になると日本はスギ、ヒノキなどが一斉に花を咲かせるために、多くの人が同じ時期に花粉アレルギーの症状を起こします。


 
アレルギー対策として、マスクの着用、衣類や洗濯物に付着している花粉を部屋に入れない工夫、うがいや洗浄、水分を十分に摂る、などが大切ですが、ストレスや体調不良の時も要注意です。ストレスが多かったり、体調が良くない時は、抵抗力、つまり免疫力も下がっているので、今までは大丈夫だったアレルギーを急に発症してしまう事もあります。

市販薬は一時的なもの


薬を飲まないと仕事や学校に支障をきたす場合もありますが、市販の薬は症状を一時的に和らげ、抑えるだけで根本の治療にはなりません。特に妊娠中や授乳中の方には安全でない場合もありますので注意が必要です。 

薬の副作用は表面的な症状だけではなく、腸内細菌のバランスも崩れやすくします。腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、胃腸の働きが低下するだけでなく、身体の免疫システムも低下します。腸は消化や吸収以外にも、免疫、酵素、ホルモン作りにも関わっています。 
アレルギーの症状は治まっても、他に問題が出てきては意味がありません。

花粉の時期に気をつけたい食べ物

花粉アレルギーがある人の多くは、食物アレルギーがある人も少なくありません。 
そんな方は特にこの時期は反応の出る食べ物を避ける必要があります。花粉だけに反応していると思っていても、以外と食べている物にも反応している場合もあります。 

口に入れて違和感が出る口腔アレルギーは、特定の果物や野菜に反応するケースが多く、カバノキ科にアレルギーのある人は注意しましょう。
対処方の第一歩は、アレルギーを悪化させてしまう物、アレルギー反応が出やすい物を避ける事です。 

花粉アレルギーの季節に控えた方が良い食べ物

-嗜好品(アルコール、カフェイン類)
-乳製品(生のプレーンヨーグルトは除く)
-砂糖(人口甘味料も含む)
-ピーナッツ
-加工食品(ハム、ソーセージ、インスタント、冷凍食品など)
-食品添加物
-市販の柑橘系ジュース
-トマト(生)
-きゅうり、メロン、スイカ類(ブタクサ、カバノキ科のアレルギー)
-小麦類
-貝類
-りんご、桃、なし、イチゴ(カバノキ科のアレルギー)
-カモミール茶

免疫力を上げる事がポイント

大切なポイントは免疫力を上げる事です。手っ取り早い方法は、食事制限で腸内環境を整える事と、規則正しい生活をする事です。 
以前のコラムでご紹介した「8:16時間ダイエット」もこの時期は効果的です。

普段何気なく使っている洗剤や消臭スプレーなども、出来る限り香料が入っていない自然なタイプを選ぶと良いでしょう。  
ここで免疫力を上げる助けをする食べ物をご紹介しましょう。

花粉アレルギーの季節に取り入れると良い食べ物

-香味野菜(ショウガ、うこん、ニンニク、シナモン、カイエン胡椒など)
-発酵食品(味噌、ザワークラウト、キムチ、糠漬け、納豆、ヨーグルトなど)
-良質の骨のスープ
-生のパイナップル(酵素とビタミンがアレルギーの症状を抑える働きがある)
-生の地元産ハチミツ(抗酸化とアレルゲンを取り入れる)
-生のリンゴ酢
-無農薬の緑黄色野菜
-良質のタンパク質(オメガ3が豊富な魚、フリーレンジチキン、グラスフェッドビーフなど)
-ネトル茶(イラクサ茶)
-スピルリナパウダー(ヒスタミンを抑制してくれる)

*上記の食品は、ご参考までに身体の反応をみながら試してみて下さい。

カナダではビーポーレン(蜂花粉)を摂る人も多く、色々なブランドが売られています。ただ、アレルギー反応が起きている花粉を摂る必要があります。

最後にリンゴ酢を使った免疫アップドリンクをご紹介します。体内に溜まった粘膜を壊し、リンパ液を促すサポートをしてくれます。 

リンゴ酢ドリンク
材料を混ぜて、一日3回飲みます。(満腹時は避ける)
-生のリンゴ酢:大さじ1
-生のレモン汁:大さじ1
-生ハチミツ:大さじ1/2
*リンゴ酢が強すぎると感じる場合は、水で薄めて飲んで下さい。

食事、生活習慣の改善は、確実に来年の花粉アレルギーを予防してくれる可能性大です。
今年は免疫力をあげる事を意識した生活をしてみてくださいね。

坂本由美ホリスティック栄養士

SakamotoYumi

京都市出身。 カナダ、バンクーバー在住のホリスティック栄養士。 食生活だけではなく、ライフスタイル全体を捉えたアプローチをモットーにした講座やワークショップ、健康コンソリテーション、地元コミュニティのヘルシーランチメニューづくり、コラム執筆などで活動中。  腸の健康にフォーカスした「発酵食と腸の健康シリーズ」講座では、調理デモストレーションを交えて、昔ながらの知恵である発酵食の利点や第二の脳と言われる臓器の腸について、栄養学をもとにした知識を伝えている。その他にもホリスティック栄養学講座、西洋と東洋の料理のスキルを生かした無添加調味料や保存食の作り方講座も実施。 講座スケジュールやその他詳細はアメブロ「sustainablefeast」とFacebookグループページ「Fermentation & Sustainable Cooking Club」にて。 【カナディアン・スクール・オブ・ナチュラルニュートリション卒業/ホリスティック栄養士資格(R.H.N. )/植物由来食材専門シェフ資格/ローフードシェフ資格/マクロビオティックライフアドバイザー】

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