【インタビュー】職業「忍者」。伊賀流忍術承継者、知之助さんに聞いた10の質問

   
  

2018年9月1日(土)、2日(日)にバーナビーの日系センターで開催された日系祭り(Nikkei Matsuri)

今年もお神輿や盆踊り、スタータレントサーチなどの見所がいっぱいありましたが、その中でも特に人気だったのが、日本からのスペシャルゲスト・伊賀忍者特殊軍団 阿修羅の知之助さんによる公演でした。


photo from 日系祭り 公式サイト

今回は、公演直後の知之助さんにインタビューをしてきたので、その内容をパフォーマンスの様子とともにご紹介します。

現代に生きる忍者の世界を垣間見ることができるので、チェックしてみてください。


 

伊賀忍者特殊軍団 阿修羅 忍 知之助(TOMONOSUKE)さんインタビュー

Q1.今回カナダ初公演となりましたが、初めてのカナダはいかがですか?


(カナダ公演では知之助さんの相手役として虎徹(こてつ)さんも日本から来てくれました)

入国審査のときに、けっこう冷たくされましたね(笑)なので、もしかしたら(カナダ人に忍者のショーが)あんまりウケないんじゃないかと思って少し心配した面もありました(笑)

でも、実際に公演をやってみると全然そんなことはなくて、ジョークを言ったときも皆さん笑ってくれて安心しました。

 

Q2.公演で刀や鎌を使ったパフォーマンスがありましたが、本物の忍具なのですか?

はい、公演では本物の武器を使っているので、実際に相手が切りかかってくるのを正確に避けないと、本当に切られるんですね。

実は多くの方が「忍術を教えてください。」と弟子入りをされるのですが、武器の扱いなどを取得するには長い月日がかかるので、途中で脱落する方がたくさんいます。

公演ではカッコいい姿をお見せしているのですが、その裏は全然違うんですね。そのカッコいいところに持っていくまでに、どのくらい体を鍛えて、精神力を強くして、という話をするとビックリされることも多いです。

ちなみに伊賀の里では本物の刀でわらを切ったりなど、真剣を使ったパフォーマンスを行っています。

真剣と真剣が当たった「ガチッ、ガチッ」という生の音は本当に見応えがあって、それは伊賀流忍者博物館でしか見ることができないので、これを求めて海外から博物館に来られる方も多いです。

 

Q3. 海外公演も多い知之助さんですが、忍具は税関で没収されたりしないのですか?

今回は外務省の方の協力もあり、今まで以上にスムーズに通過することができました。

実はスペイン公演に行った際は、税関で忍具を全部没収されたんです。公演を中止するわけにもいかず、宿泊したホテルで新聞紙を丸めて穴を開けて紐を通してヌンチャクをつくって公演をしました。

それが逆に話題になって、大きな新聞に載ったこともあり、結果大成功でしたね(笑)

 

Q4.どのように忍術を学んだのですか?映画で見るような、煙が出て消える術も実際に行うのですか?


(公演後のメディアインタビューにて。質問に対して、一つひとつ丁寧に答えてくれる知之助さん)

忍術というのはカタチとしては何一つ残っていません。すべて口伝(くでん)といって、口伝えで体で吸収して忍術を覚えています。なので、忍術の教科書などはありませんね。

あと、煙が出たりして消える忍術は実際にはないですね。ただ、相手にお酒を飲ませて、相手が酔った状態でその人の前から消えると相手が気付いたときには「消えた!」と思う。それが「消える術」です。ドロンと消えるものではありません。

また、もう一つ面白いのですが、ようじ隠れという術があります。
人間をはじめ動物は「音のする方向を向く」という習性があるのですが、大きな音を立てて、相手が音の方へ向く一瞬の隙に隠れる術です。

忍術というのは突き詰めていくと、けっこう地味な術かもしれません(笑)

 

Q5.公演では見事な傘回しのパフォーマンスがありましたが、傘回しを習得したきっかけなどあれば教えてください。

私の父が忍者たる師匠に出会ったのは高校生のときで、師匠は父に鎌を使う技「鎌術」を教えたんです。

そして、私が父と一緒に「伊賀忍者を継いでいきたい」と師匠に話したときに、師匠は鎌術ではなく私に傘回しを教えてくれました。


(コインを傘で回す知之助さん)

それはなぜかというと、「人と同じことをしてはいけない。父と同じことをしても父には勝てない、父と同じ色はつくれない。だから、誰にもできない技術を身に付けないといけないんだ。」と言われました。

そして、「今、傘の上でお金を回せる人はいないから、それができるようになったら、お金の傘回しができるのは世界でおまえだけだ。」と言われ、傘の上でお金を回すことを学び、今では「1銭玉」(※直径27.878ミリ)も回すことができます。

傘回しはどこの国に行っても、とても人気ですね(笑)

 

Q6.ちなみに傘回し習得にはどのくらいかかったのですか?

高校生くらいから始めて、人前でお金回しができるようになるように、そして傘が体の一部になるまで10年かかりましたね。

お金回しはめちゃくちゃ難しかったです。ちなみに最初はみかんを傘の上で回していました(笑)

 

Q7.忍者でいるためのトレーニングはどのようなことをしているのですか?


(控え室にて。公演中にも見事な肉体を披露して、拍手が巻き起こりました)

腕立て伏せなどをしていますね。自然の中で木にぶら下がって懸垂をしたりもします。ジムに行くなど機械は使用せず、自然の中で体を鍛えています。
もちろん走ることもしていたり、体幹トレーニングとして片足スクワットを行っています。

皆さん、「忍者は毎日2~3時間はトレーニングをしているのでは?」と思っているかもしれませんが、毎日1時間程度コツコツ続けていますね。

 

Q8.公演の中で「バナナとヨーグルトを毎日食べる」とおっしゃっていましたが、体作りのために食生活で気を付けていることがあれば教えてください。

豆腐であったり牛乳、あと魚ですね。お肉にしても豚肉と鶏肉で、あまり牛肉は食べないですね。ビタミンB群も筋肉をつくるために大切な要素なので、重点的に摂取しています。

 

Q9. 忍者でいて嬉しかったこと、辛かったことがありますか?

忍者という仕事は私にとって、父が与えてくれた宝物です。忍者だけでご飯を食べていくというのは、普通の人からしたら考えられないですよね。

でも、辛かったこともありましたね。私たちのショーはわらを切るにしても切れなかったら失敗で、誤魔化しがきかないもの。お客様の前で失敗したときには、「もうダメなんじゃないか、向いてないんじゃないかな」と自分を責めることもありました。

ただ、私は自分にも他人にも負けず嫌いな面があるので、精神的にもそれが修行になっていますね。今でも失敗から学ぶことはたくさんあります。

 

Q10.最後にこれからの夢があれば教えてください。


(公演後には、観客とのQ&Aタイムも設けられました)

今後、「本物の忍者って何?」を世界に伝えていきたいと思っています。
忍者のことについてお話ができて、技を見せることができて、あと、鍛えた忍者の体。どれが欠けていてもダメで、海外の人はこの3拍子が揃ってると、「あぁ、日本の忍者だ」と思ってくれますね。

今回の公演も含め「忍者の精神」というタイトルで海外を回っているのですが、忍者には「一度決めたことは最後まであきらめずにやり遂げろ」という精神があるので、私も伊賀流忍者として最後まで兄と一緒に忍術を継承していきたいと思っています。


(公演後に盛大な拍手を送る観客の皆さん。ショーは始まる前から満席で立ち見客も大勢いました)

伊賀忍者特殊軍団 阿修羅 忍 知之助(TOMONOSUKE)

-得意技-
手裏剣術 変装術(神楽曲芸)
忍者スタント 武術

“​伊賀流忍術と伊賀神楽曲芸の両方の技を兼ね備えた知之助は、伊賀流忍術継承者である父(半蔵)の指導により、5歳の頃より忍術の英才教育を受ける。知之助オリジナルの忍者&神楽ショーは、伊賀流忍術の奥義と伊賀神楽曲芸の巧みな技が一つになったものである。現在、伊賀流忍者博物館を拠点とし、世界各国で活躍中!” (引用:公式サイト)

【伊賀流忍者博物館 公式サイト】【伊賀忍者特殊軍団 阿修羅 公式サイト】

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