シンプルで上質な暮らしを紹介する「リッチフィールド」

   
  

「石川まりこのとっておきバンクーバー」第2回
文・写真/石川まりこ

ジョナソン・リッチフィールド Jonathon Litchfield がギャスタウンの中心街ウォーター・ストリートに「リッチフィールド」をオープンしたのは2013年のこと。大きなウィンドウが特徴的な店舗は奥が深く、ゆったり並べられたアイテムを眺めていくと、自然に奥へ奥へと誘われます。店は自分の家だというジョナソンは、ファミリーを紹介するように、それぞれのストーリーを静かに語ってくれます。

彼自身、シンプルながらも様式美をそなえたインテリアにかこまれて育ち、身の回りにあると落ち着ける上質なものを見分ける感性が養われたといいます。特に職人がひとつずつ手作りする品に共感を覚えるそうです。

中央の組み木の台に飾られた木のボウルは、バンクーバー郊外の家の敷地にあったカエデの木から切り出されたもので、枝を払ったときについた跡などは一つとして同じものがありません。年輪の中につややかな模様があり、眺めているだけで不思議と心が落ち着いてくるような。

ストールがさりげなくかけられているのは、日本から持ってきたお気に入りの衣紋掛け。自分の感性に合うものを突き詰めていったら、自然と日本のものに行き着いたというジョナソン。両親の仕事でカルガリーから大阪の郊外に引っ越したのは10歳の時。初めは目にするものすべてが新鮮で、アジア的なキッチュなものに引かれたけれど、大人になるにつれて、ストイックなまでにシンプルな様式美に心が反応するようになったとか。

ショップには、彼の感性で選び抜いた日本のものも並んでいます。土鍋や器など、どこから見つけてきたのだろうと思うようなフォルムが斬新。

近頃バンクーバーでは、炭酸水が家庭で作れる機械が大人気。ジョナソンのお気に入りでショップにも置いているのは、スウェーデンのAARKE社のステンレス製炭酸水メーカー。ノンアルコールのスピリッツで風味をつければ、自分だけのオリジナルなドリンクが作れます。大人のパーティーでは、自分の好きなフレーバーでソーダウォーターを作って楽しむのが流行中。

キュレートとは、情報を集め、整理し、新しい視点から価値を加えて、それを他者と共有すること。リッチフィールドは、衣類から身に付けたい小物、家庭雑貨やキッチン用品まで、ジョナソンがキュレートして、シンプルで上質な暮らしを紹介するコンセプト・ショップ。大人のバンクーバーライフにぴったりな小物を探しに行きたくなるお店です。

石川まりこトラベルライター・ツアープランナー・ツアーガイド

石川 まりこ

11歳でひとり旅を始めて、中学・高校時代は日本全国を鉄道でめぐる。19歳で初めてアメリカに行き世界の広さを実感。23歳で中国を3ヶ月旅して、多様な文化を体感。その後、海外旅行添乗員として約50か国をご案内。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライターとして、カナダ専門旅行会社 ARA Professional Travel & Support Inc. に勤務。ツイッターフリッカーでカナダの現地情報を発信中。

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