高騰化が話題になって久しいバンクーバーの住宅事情。
賃貸情報検索の北米大手サイトのPadMapperの９月のレポートによると、家賃の上昇が続いているようで、ついに1ベッドルーム(1BR）が$2,000代を超えたそう。
この数字に皆さんビックリしているのではないでしょうか。
目次
1ベッドルームが$2,020？！
photo from PadMapper
PadMapperの９月のレポートによると、８月のバンクーバーの１ベッドルームは、$2,020とカナダ国内１位の家賃の高さ。
しかし、実際に９月にバンクーバーで１ＤＫの部屋を探したLVスタッフの経験からすると、けしてそんなに手が出せないほど高い物件ばかりではありません。
実際のところ、１ベッドルームどのくらい？
Original image from Cmglee
実は、上記のレポートデータの元になった数字、欧米でよく使われる「中央値」という数字によるもの。日本では、「平均値」がよく使われますがそれともちょっと違います。
この中央値は、家賃金額を最高から最低まで並べた場合のちょうど真ん中の金額。
バンクーバーの家賃を表す１つの代表的なデータではありますが、例えば、右の図のように最頻値とは違うので、物件数が多い家賃帯とは違います。
実際に、LVスタッフが探した$1,200〜1,500の価格帯の物件の質はこんな感じです↓
photo from Pad Mapper/ Posted Bolld Real Estate Management
$1,200
600sqft・イーストバンクーバーエリア
ダウンタウンまでバスとスカイトレインで25分（物件詳細）
こちらは幹線道路のKingsWay沿いにあり、公園やスーパーなども近くて便利。部屋探しのため多くの物件を見たLVスタッフの印象としては、条件のわりには良心的な価格の物件だと思います。
photo from Pad Mapper/ Posted Hollies Apt
$1,550
562sqft・ウエストバンクーバーエリア
ダウンタウンまでバスとスカイトレインで30分（物件詳細）
こちらはイースト側より人気の高いウエスト側の49thとArbutus付近にあり、治安がよくUBCに近いこともあり割高になりがち。近くにKerrisdaleの商業エリアも近く、LVスタッフの印象としては妥当な価格という印象です。
１ベッドルームは、日本で言うところの１ＤＫにあたりますが、東京都で最も高いといわれる千代田区の１ＤＫの相場が１４万円※と言われているので、光熱費込が主流で広さが日本より若干大きめと考えると、東京と同じくらいかややそれ以上というところでしょうかね。
※参考：CHINTAI「東京都の1DKの家賃相場情報」
部屋探しの心得
部屋不足が続くバンクーバーの現在の賃貸事情はまさに売り手市場。
借りる側は、よい条件でよい物件を獲得するためには、競争で戦い抜く事が必要です。
そこでLVスタッフの経験から、これからスタジオ（※日本での１Ｋにあたるもの）、１〜２ベッドルームなどの専用お部屋探しをする方々のために、ココだけは事前に心得ておいた方がよいというポイントまとめてみました。
心得（１）毎日物件チェック
部屋探しで主に利用するのに、掲載される物件数の多さでは、大手クラシファイドサイトCraigslistや上記のPadMapperがおすすめです。
部屋不足のバンクーバーでは、かなりのスピードで賃貸物件が決まっていきますので、新しい物件が掲載されていないか毎日の朝と夕方にチェックするとよいですね。
気になる物件を見つけたらすぐに見学のアポイントメントを取って、必ずお部屋をチェックしてください。掲載されている写真とは全然違う場合もありますし、写真自体もない場合があります。
件名も物件名を書いておくとよいです。文章はダラダラと長くならないように。
必ず自分について簡単な自己紹介を書いておいてください。基本的に下記のような内容を含めておきましょう。
・だいたいの年齢（in my early / mid / late 30sなど）、
・職業（レストランのサーバー、美容師、オフィスマネージャーなど）、学生の場合は学校名と専攻があると尚良。
・カップル入居なのかシングルなのか
等
それ以外にも、長くならない程度に、非喫煙(Non Smorker）、ペットなし(No Pet）、パーティーしない、静かなタイプ（No Party and quiet person）など、
貸す側が評価する自分の特徴をキーワード程度でアピールしておくとよいです。
電話では、丁寧すぎる回りくどい英語はさけて、明るくフレンドリーに、簡潔に要件を伝えましょう。
その後に相手側がどんな仕事をしているのかや、どんな状況で探しているのかを聞いてくれることもありますが、もし聞かれなくても、相手に安心感を持ってもらえるように、自分がどんな人なのかが伝わるカジュアルトークができれば理想的です。
心得（２）すぐに応募
条件のいい物件には、多くの見学者がやってきます。多くの場合、その物件を借りる際はまずApplication Form（応募用紙）に記入して提出が必要です。
問題のない普通の物件であれば、見学に来た多くの人が借りたい意志を表示してApplication Formを提出します。貸す側も条件のいい応募者がいればすぐに決めてしまう場合も。
大きな問題がなければひとまずその場でApplication Formに記入して提出するか、持ち帰ってなるべくその日のうちにメールで送りましょう。
心得（３）印象付けよう
見学のアポイントメントを取る時、実際に見学に行った時、Application Formをメールで送付する時など、貸主側とコンタクトを取るぞれぞれのタイミングでは、よい印象を持ってもらうよう、コミュニケーションを大事にしましょう。
■見学のアポイントメント時
見学のアポイントを取るファーストコンタクトは第一印象になるので、大事なポイント。
メール・電話・テキストメールかなど、コンタクト方法が記載されている場合はそれに従って連絡をとりましょう。なければ、できるだけ早い電話がおすすめです。
貸主側は、多くの物件を扱う不動産会社だったり、不動産を多く持っている家主さんだったりします。なので、メールでも電話でも、「何のサイトに載っていた、どこのエリアの物件について」の問い合せかを明確にしましょう。
■見学の時
よい条件の物件には、多くの見学者がやってきます。別々に見学日時を設定されている場合もあれば、一度に大勢が見る場合もあります。
多くの見学者に埋もれないように、必ず自分の名前を名乗って握手をし、フレンドリーに挨拶をして会話をしましょう。
見学の最後に別れる際も、見学をさせてくれた事にお礼を伝えましょう。気に入った物件の場合は、その場でApplication Formを提出し、いつ決定の連絡をもらえるかを確実に聞いておきましょう。
Application Formを後ほどメールで送る際も、いつまでに送るかを伝えておきましょう。応募者が多い場合、早めに締め切る場合もありますし、待ってくれる事もあります。
キツラノビーチから３ブロック、SafewayとWholeFoodsから歩いて30秒の１ベッドルーム（800sqft）$1,200の超好条件な物件。見学には初日だけで20人くらいが集まっていました。
■Application Formをメール送付する時
Application Formをメールで送付する際は、その日のうちに見学のお礼と、いかにその物件が気に入ったかを、ダラダラと長くならず簡潔に、かつ気持ちを込めて書くことをおすすめします。
件名は自分の名前とApplicationである事を入れておくことも、メールを見落とされないようにするために重要です。
心得（４）証明しよう
上記のApplication Formを提出する際は、応募要件として求められていなくても、必ずリファレンスレター（推薦状）を添付することをおすすめします。そうした第三者からの推薦は、北米では自分の信用性を証明できる大事なツールです。
リファレンスレターは、今の仕事先と現在の家主さんからの２つが基本です。以下は、そのリファレンスレターに記載すべき基本的な項目です。
・会社のレターヘッド（会社のロゴなどが入った独自デザインのレター用紙）
・会社名
・会社の住所と電話
・いつから雇用されているか
・フルタイムかパートか
・給与
・書いた人の肩書
・書いた人の連絡先
・書いた人のサイン
【現在の家主さん】
・物件住所
・家賃金額
・いつから住んでいるか
・家主さんの連絡先
・家主さんのサイン
直筆サインやレターヘッドなど状況によって難しい場合もあるので、必ず全てが抑えられている必要はありませんが、この項目が多ければ多いほど説得力があります。
またレター（手紙形式）なので、書いてくれる人の言葉が、より自分を評価している内容だと印象もよいと思います。
「reference letter for rental application」などでインターネットで検索するとたくさんのリファレンスレターのサンプルが見つかります。
忙しそうな仕事先の上司や面倒くさがりな家主さんなどにお願いする時、リファレンスレターを自分で用意してサインだけもらうのもコツです。
心得（５）とにかく忍耐
連絡をとっても返事がなかったり、応募しても他の人に決まってしまったりと、たくさんの物件を見て、時間をみつけて見学しなければならず、いい物件に巡り合うには、それなりに時間がとられます。
LVスタッフの経験上、日本人からすると想像できないような面倒くさがりだったり、約束を守らなかったりする物件マネージャーや貸主さんもいますので、「それもカナダ」とおおらかに捉えて、ストレスをためないようにしてくださいね。
とにかく自分から動いて連絡を取り、忍耐づよく、よい物件と縁ができるまで粘りましょう！
繰り返しますが、部屋が不足しているバンクーバーは、売り手市場。借りる側は、弱い立場にあり、また同じく部屋を探す人たちと競争せねばなりません。
皆さんが、ぜひこのバンクーバーでよりよい物件と縁ができますように、この心得が少しでも役にたてたらと思います。また、皆さんからの部屋探し体験談もぜひLVにシェアくださいね。
また、下記のシェアルームを含めた部屋探しの基本と注意などをまとめた過去の記事もありますので、ぜひこちらもご参考に！
