【英語ライフno.145】BC州議会議員選挙の「ココ」が知りたい!

   
  

「BC州議会議員選挙について知りたいけど、英語+政治用語満載であまりよく分からない・・・日本語解説が欲しい・・・」という方、お待たせしました!

今回は英語ライフ担当のMuneがNational Post「BC州議会議員選挙、ココが知りたい!」(意訳)という記事を、形式を変えてまとめてみました。

 

はじめに:BC州議会議員選挙について今までのおさらい※2017年6月22時点の情報

BC州では任期満了に伴うBC州議会議員選挙が今年5月に行われました。

選挙の結果、3期目を目指していた自由党が過半数を1議席割り込むこととなり、どの党も過半数割れ・・・つまり正式に政権を担う「与党」が確定しない状態が続いています。

与党が過半数割れをしたこの結果を受け、野党であった新民主党はグリーン党と連立を組むことを決定。これにより連立政権は自由党の議席数を1議席上回り、与野党が逆転することになりました。

ただ、カナダでは連立政権は珍しく、与党が1議席しか過半数を上回っていない結果を受け、厳しいかじ取りが必要となりそうです。

そして、自由党が一番多く議席を確保したことから暫定与党とみなされ、正式に新しい自由党内閣が組閣しました。

今後、州議会開会、副総督により女王演説が行われます。また、審議を経て採決が行われ、これが可決されれば内閣は信任されたことと見なされ、自由党内閣は継続します。

ただ、野党が過半数を制しているため、否決されると予想されています。否決された場合、解散総選挙、または第2政党である新民主党が組閣する2択となります。

 

一問一答!BC州議会議員選挙、ココが知りたい!

ということで、今回の記事はNational Postのニュース記事から一部を抜粋して、意訳&解説をしたいと思います。

 


OK, let’s get this out of the way first. Are we headed towards another election?
まずはこの質問から。。。つまりまた選挙になるって事なの?
It seems likely, but it comes a lot sooner in one scenario than the other
恐らく選挙になるでしょうね。。。ただ、複数の可能性が想定できます。再選挙の時期はそれぞれ違います。
解説
オンタリオ州にある Carleton 大学の Lagassé 教授によると、新民主グリーン党連立政権が過半数を1議席しか上回っていない現状をうけ、裁決のさい一議員でも欠ければ信任を失うことになります。また、自由党の女王演説が否決され、クラーク州知事が解散を副総督に願えば、すぐ選挙になりますね。

Why would an NDP/Green government be so fragile when they have a majority of seats?
新民主党とグリーン党の連立政権は過半数を確保しているのになぜ不安定なの?
The NDP/Green government’s one-seat advantage — the seat count is 44-43 — is dicey because someone has to be the Speaker.
連立政権は1議席しか過半数を上回っていません。連立44議席、自由党43議席です。また、議員の一人が議長にになる為、かなり危うい状態です。
解説
議長が連立政権を組む新民主党かグリーン党から選ばれた場合、議席数は43となり、過半数を割り込んでしまいます。しかも与野党どちらも同じ議席数。。。どっちが与党なの?という状態です。法案を通すには議長権限で可決するしかありません。

Is the Speaker allowed to do that?
議長はその権限を持っているの?
Sure. But we’re talking about parliamentary customs here, instead of hard and fast rules.
もちろん。。。ただ、正式には定められていません。議会運営における慣例で認められている「権限」なんです。
解説
議長は基本的に中立でなければなりません。つまり、新民主党・グリーン党の議員が議長になったとしても中立を保ち、法案が43対43で可決されなかった事実を尊重しなければなりません。法案が否決されても、「信任が否決されたことにはならない」との同意を元に議会運営を行うことも可能ですが、難しいところですね。

So what’s going to happen?
つまり、何がどうなるの?
If Clark doesn’t ask for dissolution, there are a few possible scenarios — some messier than others.
クラーク自由党党首が議会の解散を副総督に依頼しない場合、複数のシナリオが予想できます。。。最悪の事態もあります。。。
解説
自由党が解散を副総督に依頼しない場合、自由党推進の議長が辞任することが予測されます。この場合、議長は連立政権から選ばれ、その座は連立政権のものになります。つまり、自由党は議会の運営権を連立政権に奪われてしまいます。もし自由党議長が辞任しなければ、連立政権44対自由党42議席と2議席の差となり、自由党に更に不利に、連立政権に有利に働きます。ただ連立には議長の座はないので、議会運営権は自由党のものとなります。

And the messy options?
最悪なシナリオとは?
That Liberal Speaker could resign, an act Green Party leader Andrew Weaver said would be “undermining democracy.”
自由党推薦の議長が辞任した場合です。この行為をグリーン党党首は「民主主義の冒涜」と発言しています。
解説
自由党推進の議長が辞任した場合、連立政権から議長を選ぶ必要があります。つまり、自由党は連立政権を過半数割れに追い込むことができるんです。議席数は43対43となり、議会は機能不全に陥る状態になります。また、中立の立場である議長は連立政権の法案を通すため賛同するか、中立を保つため否決を認めるか、苦渋の選択を迫られます。法案が否決された場合、信任を失ったこととなり、議会は解散に追い込まれる可能性もあります。

We’re not in a constitutional crisis now, but should we expect one?
今のところ「憲法の危機」ではないようですが、起こりうるのでしょうか?
Lagassé said the most troublesome situation would be if the coalition loses a vote that is widely considered to be a confidence vote and refuses to let the lieutenant-governor dissolve the legislature.
最悪なシナリオは、連立政権が議会の信任を失ったとみなされる重要法案を否決されたにも係わらず、副総督に解散を頼まない場合です。
解説
信任を失ったとみなされるかどうかは定められていないので、連立政権は法案を否決されたイコール不信任ではない、と言い続けることも考えられます。

 

まとめ:これからどうなる?

ということで、以上が6月22日現在までの情報です。

この記事を書いている最中には、新しい州議会議長が決定したりと、新しい情報が続々と出てきているので、最新情報はCBCでチェックするのがいいかもしれません。

これからどうなるか、ますます見逃せませんね。

以上、Mune から今日の「英語ライフ」をお送りました。それではまた次回(^^♪♪

今回の記事の原文はこちらから
Will there be another election? Everything you need to know about what’s going on in B.C. politics

CBCには選挙関連記事がまとめられたページもあるので、参考にしてみてください
B.C. Votes 2017

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