サイエンスワールドの近くに登場した「謎のトーテムポール」に込められた想い。

   
  

今年4月に登場した話題のトーテムポールを皆さんはもうご存知ですか!?

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その名も「Trans Am Totem」です!
 

(製作の様子)

 
サイエンス・ワールドの近く、False Creekにあるこのモニュメント。実は、半年ごとに新しい作品が公共の場に登場するアート展示会「the Vancouver Biennale」の最新作として生み出されました。
 
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photo from http://marcusbowcott.com/

作者は、バンクーバー出身の画家であり彫刻家のMarcus Bowcottさん。マーカスさんは奥さんと一緒に、このプロジェクトに2年を費やしたそうです。

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一本の木が5台の車(ホンモノ)を支えていますが、 なんと

高さ:10m
重量:11,340kg

だそうです。

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ということで、ライフバンクーバースタッフが見に行ってきました!!

意外と周りの雰囲気にうまく溶け込んでいる(?)ような印象を受けたのですが、このトーテムポールを近くで見たときの迫力は、おそらく実際にその目で見ないと伝わらないかと思います。

さらに上の写真をよく見てください。くまの足あとがあります。

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photo from https://www.facebook.com/pages/Marcus-Bowcott-Painter-Sculptor/

これはもう一人のアーティスト、Rick Harryさんによって彫られたもの。この足あとが表す意味は「歓迎と祝福」だそうです。

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なぜマーカスさんがこのようなアートを生み出したかというと、このトーテムポールには、

「フォールス・クリーク地域の発展」と、時代の流れとともにモノを大事にしなくなった「バンクーバーの使い捨て消費文化」

への想いを込めているそうなんです。

実は、約150年前のこのエリアは60メートルにも及ぶ巨大な杉や樅の木が生い茂る自然の多い場所だったそうです。

しかしヨーロッパ人が入植後、フォールス・クリークは製材所などが設立され、工業地帯として生まれ変わり、多くの自然が失われました。今日では、スカイトレインが通っていたり、車の交通が絶えない忙しいエリアになっていますよね。

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「自然」と「過去」を表す木を土台に、「産業の成長」と「現代の消費文化」を象徴する5台の車。

今後このフォールス・クリークに、そしてバンクーバーに、どんな未来が待っているのかを考えさせられますよね。


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photo from http://mottainai.info/new/2011/09/005065.php

私はこのマーカスさんの想いを知ったとき、2004年にノーベル平和賞を受賞されたケニア共和国のワンガリ・マータイさんの言葉を思い出しました。

日本で出版された彼女の著書「もったいない」には、こんなことが書いてあります。

もったいないという言葉の奥には努力や苦労、時間や歴史など、せっかく積み重ねてきたことを「失ってしまう」「無にしてしまう」ことへの無念と哀しみがあるのです。
地球の人口の約半数、28億人もの人々が、1日わずか2ドル以下のお金で暮らしています。日本では、買い替えなどで使用済みになる携帯電話が1年間に約5000万台。ほかに年間650万台の自転車と、378万台のテレビ、280万台の冷蔵庫が廃棄、回収されています。

 
使えるものをもっと大事に、自然をもっと大切に生きたいものですね。
 

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(モニュメントの近くで撮影。)

ということで、

みなさんはどんなことを感じましたか?このトーテムポールを実際に見ながら、少し考えてみるのもいいかもしれませんね。



モッタイナイで地球は緑になる

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